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MASS / Metal Fighter / 1983

Page 34でも紹介したベテランバンド。ドイツのバンドらしからぬブリティッシュブギーな路線は相変わらずだが、ほんの少しハードロック色が濃くなっている。本作はおそらく6作目で正直いってアルバムをリリースし過ぎだ(笑)。そもそも「ジャケットはカッコいいが・・・」が彼らの評価の定冠詞であったのだ。ちょっとやりすぎの感はあるが、ジャケットがこれだし"Metal Man"、"Fire From Hell"なんていうタイトルの曲もあるがメタルではないので注意。
クサレポイント

けだるいブギー主体の曲調なのでAC/DCみたいなノリがしょっちゅう顔を出す。ラストには"Born To Be Wild"のお約束カバーも収録。こちらもけだるいブギーで味付けされていてオリジナルとはノリが違うのが面白いが、単にけだるいだけ、というのが正体だ。



CACUMEN / Bad Widow / 1983

母体は1972年結成ながらアルバムデビューは1981年だった苦労人バンド。それから2年たってリリースしたのが彼らの2ndアルバムとなる本作だ。小気味良い70年代HRタイプのリフを基調としたストレートなハードロックだが、2本のギターがタレ流すメロディはやはり欧州のバンドしか備えていない湿り気と薫りを聞き手の耳に運んでくれる。このメロディはハマるとクセになる。ボーカルの声質がクラウス・マイネそっくりなのだが、ギターの哀愁度が高い分、その硬質度はこのころのSCORPIONSと比較するとカッターナイフと出刃包丁ぐらい違う(^^ゞ。
クサレポイント

本作リリース後、ドラムスとベースのリズム隊をチェンジし、バンド名を"BONFIRE"に改めて再デビュー。その後の世界的成功は説明不要だろう。



PRETTY MAIDS / S.T. / 1983

文句のつけようがない大名作"Red, Hot And Heavy"より前にリリースしていたデビューミニアルバム。メンバーはツインリードにキーボードの6人と大所帯なのは同じだが、完成度は"Red 〜"に比べるとかなり見劣りする。しかしこの荒削りなNWOBHMのニオイこそ彼らの原点なのだ。ジャケットの女性のことを歌った"Shelly The Maid"でのRonnie Atkinsは次作で聞かせるようなワイルドなボーカルスタイルだが、他の曲では割りとおとなしめに歌っている。

クサレポイント

次作の爆発的ヒットにより、翌年に本作はリミックスされてジャケットを差し替えて再リリースされている。このテのラフな音にはリミックスはどうかなと思う。



SHIRE / S.T. / 1984

5曲入りミニアルバム、かなりコマーシャルな音作りだがプロデュースがDon Dokkenなので何だか納得。メロディック派にはチェック済みなアルバムだが、あまり印象に残る曲がないのが残念。歌メロはリードボーカルよりコーラスの方が巧いのが心に残った(^^ゞ

クサレポイント

今回はなんだか妖しいページになってしまいましたなぁ、足フェチではないのですが(笑)。とはいえ、でーん!と置かれたこの足はなんなのだろうか。



THE UNSANE / Inverted Crosses / 1988

狙っていたかのようにセクシーなジャケットが続いた最後はこれじゃー!といった感じの素晴らしいイラスト。ヒドい絵だけどNew Renaissance Recordsからのリリースなので納得。音についてもこの絵のとおり(笑)。たしかにSLAYER路線のスラッシュでひたすら突っ走ってくれてるが、ボーカルが迫力不足なのが残念だ。

クサレポイント

1,100枚限定でピクチャーディスクもあるらしいが、1,100枚も売れたのかどうかは不明(笑)。