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BULLET / Execution / 1982

元々はTEASERという名で1978年結成されドイツ国内で活動していたバンド。ACCEPTのUdoがAC/DCに加入したらこうなりました、という音を聞かせてくれる。「AC/DCとKROKUSへのドイツからの回答」と形容されるのももっともなハードブキー一直線。切れ味の良いギターが跳ねたリズムに乗っかっていて気持ちいいサウンドだ。ディーター・ダークスのプロデュースも大正解。
クサレポイント

オリジナルのドイツ盤は こんなジャケット だったけど、左のイマイチなジャケットはベルギー盤。INELCOにディストリビュートされたLarkからのリリースだった。



BULLET / No Mercy / 1983

ベースとギターにメンバー交代があり、サウンドもメタル色が強くなった2ndアルバム。"I Sold My Soul"To Rock'n Roll"のようなタテノリな曲あり、"No Mercy"のようなファストなメタルな曲ありでなかなか楽しめる。その"I Sold My Soul"To Rock'n Roll"はプロモーションビデオも製作してMTVなんかでもオンエアされていた。本作でもプロデュースはディーター・ダークス。オリジナルメンバーだったギターのPaul Psiliasがレコーディングに前後して脱退し、バンドの勢いが衰えてしまったため解散の道を辿ることになったのが残念だった。
クサレポイント

股間に飾られた重々しい鍵がなんとも意味深なジャケットでありますが、コンセプトがよくわからないまま日本盤にも使われてしまった、という感じだ(^^ゞ。「ブリット屁をこくノーマーシー」という感じのおケツの振り方ですなぁこりゃ。



RAIL / S.T. / 1984

1981年のデビュー作から少し間をおいて、MTVバンドコンテストを契機にメジャーからリリースされた4曲入りのミニアルバム。Pat Glasserのプロデュースであるので音的にNIGHT RANGER型のアメリカハードロックに仕上がっている。"1-2-3-4 Rock And Roll" はGIRLSCHOOLもとりあげていたカバー曲だがかなりつまらない。それに比べて残りの3曲は絵に描いたような正統派アメリカンハードな出来栄えで一聴の価値ありだ。

クサレポイント

バンド結成は1970年に遡るらしいのでかなりなベテランバンドということになる。本作以降はさしたる活動もしていないようだがホームページは開設されているようだ。



MANTAS / Winds Of Change / 1988

いくらタイトルが"Change"でも変わり過ぎである(笑)。あのVENOMのオリジナルギタリストであるMANTASのソロプロジェクト的バンドがこのMANTASなのだが、VENOM友達であったAl BarnesやKeith Nicholといった人たちを誘い、Pete Harrisonをリードボーカルにしてレコーディングされているのに、出来上がった作品にはサタニックな面影は微塵もなく、驚くべきことに英国産特有の湿り気のあるメロディックハードに仕上がっている。キーボードの音を厚めメロディにかぶせ、そのバックでこれでもかとメロディックなリードギターを弾きまくるMANTAS。「オレだってこれくらい弾けるんだぜ」の声が聞こえてきそうだ。

クサレポイント

それにしてもこのジャケットは MONTROSEのパクリではないだろうかと長年思っている(^^ゞのだが、まあそんなことより、一部の曲は1984年にレコーディングされたもので、そのころから彼はこんな泣きメロに挑みたかったんだなぁと思わずにおれない。ラストの"Sayonara"というタイトルの短いギターインスト曲にも彼の才能を垣間見ることができる。




ERIC STEEL / S.T. / 1984

後のアルバム"Back For More"でブレイクする人たちだが、デビュー作である本作はさすがに70年代を引きずった垢抜けないアメリカンハードロックという感じでドンくさいTKO、といった音を出している。でもこの怖いもの知らずのパワーみたいなものが音に込められていて、不器用だけど愛すべきロックだと感じずにはおれない。"Fantasy"や"Hypnotized"あたりがオススメ。

クサレポイント

ややこしいことだが、ERIC STEELという名の人のソロアルバムではなくてバンド名がこれなのだ。どういう由来なんだろう。