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HERMAN RAREBELL / Nip In The Bud / 1982

HERMAN RAREBELLといえば泣く子も黙るSCORPIONSの名ドラマー。今はその座にいないのが寂しいが、Tokyo Tapesアルバムで聞かせたドラムソロは強烈であった。その彼のソロアルバムが本作であるが、「SCORPIONSで出来ない音を演る」と宣言していたわりには初期SCORPIONS(というよりUli Roth)のダークな世界が展開されている。"Dark Lady"や"Steam Rock Fever"のようなノリの"Triangle"は絶品。この曲はSCORPIONSのBlack Outツアーでも演奏されたようだ。その他LED ZEPPELIN風の曲も多くあるが、これはヘタウマなボーカリストの声質がそう聞こえさせてしまうからだろう。
クサレポイント

ジャケットはやはりLED ZEPPELINやSCORPIONSのジャケットでもおなじみの写真アート集団・HIPNOSISによるものだ。SCORPION絡みだからちょっと色っぽいけど、こちらは発売禁止にはならなかった(笑)。



HERMAN ZE GERMAN AND FRIENDS / S.T. / 1985

でこちらは彼の2ndアルバム、といいたいところだが、収録された10曲中7曲は上のアルバムからの焼き直し。なのにまたまた日本でもリリースされるのは参加メンバーが凄かったからだ。前作がHermanとD.H.Cooper、George Phillipsというメンバーだったのが本作ではHermanのほか、D.H.Cooper、Pedro Schemm(George Phillipsの改名)、VICTORYのCharlie Huhn、DOKKENのDon Dokken、HUMBLE PIEのStevie Marriott、GREAT WHITEのJack Russell、RATTのJuan Croucierという豪華な面々だ。いきなりバラードで始まる展開は意外性があって面白い。Stevie Marriottが歌う"Having A Good Time"のドロ臭いボーカルに感涙。
クサレポイント

やはり前作の焼き直し的作品だし、豪華メンバーということは、逆に言えばアルバムとしてはまとまりに欠ける音になってしまった感がある。ジャケットのドンくささ並にレベルも少しダウンしたのが残念だ。



URGENT / Thinking Out Loud / 1987

Kehr3兄弟によって結成されたアメリカのバンドの2ndアルバム。キラキラしたキーボードが鳴り響くメロディックハード〜ハードポップの宝箱のような作品だ。コーラスがバッチリきまってるのがこれまた気持ちいい。プロデュースはTom Allomでこちらも大正解。しっかりしたメロディがしっかりしたプロデュースを受けるとしっかりした作品になるというお手本だ。

クサレポイント

前作に収録されていた"Running Back"をセルフリメイクしているがなかなか良い出来栄えだ。アメリカンハードが好きな人にはマストなアルバムだろう。本作リリース後に残念ながらバンドは解散しKehr3兄弟は音楽業界からも引退。せっかくの才能をもったいないねぇ。



3RD STAGE ALERT / S.T. / 1985

踊るアホウに見るアホウ・・・と阿波踊りしているわけではない^^;。当時このバンドが話題になったのは何と言ってもYngwie Malmsteenがプロデュース&アコースティックギターで参加したからだ。おそらくRon MurrayとMark EdwardsがSTEELER仲間だったことで実現したのだと思う。HELLIONのAnn Boleyn嬢もキーボードでこっそり参加。全5曲のミニアルバムだがイマイチ印象に残らない曲ばかりだった。かろうじて"Superstar"で堪能できるMarkのツーバスに唸るぐらいだ。

クサレポイント

Yngwie参加、といっても"Adagio"って曲はギターオンリーのインスト曲なので実質彼だけの曲だ。5曲しかない中の1曲を独り占めしている、そういうところがYngwieらしいのですなぁ^^;



HELL'S BELLS / S.T. / 1986

ギタリストは元DISCHARGEだしジャケットはこんなんだし、どうしてもパンクスの影がちらつくが聞いてみてびっくり、リフが終始メロディを征服するNWOBHM直系のサウンドが詰まっている。何と言ってもブリブリとよく喋るベースが凄い。ピックアップの真上でゴリゴリとピック弾きする音は耳障りよろしい。掘り出し物の一枚で、何なんだこのバンドは、カッコいいじゃないか〜、という感じ。

クサレポイント

しかしこのジャケットはいけませんなぁ、もっとお尻をはっきり見せてくれなくては・・・。いやいやそうじゃない^^;。右側の人、よく見ればこの人も女の人のようなのです。