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KNOCK-OUT / S.T. / 1986

ブラジルの知られざるメロディアスハードロック。ロゴの両端がMETALLICAみたいなバンド名に反して あまりにもド素人なルックス で聞き手を不安にさせておきながら、これがなかなか聞きごたえある70年代型のハードロック。大味だけどブルーズな味付けが効いている。ボーカルの表現力不足は残念ながら、要所でメロディアスに弾きまくるギターが素晴らしい。さらっと聞き流せば何の変哲もないハードロックだが、ギターのメロディにこのバンドの持ち味が隠れているのだ。
クサレポイント

後にWHITESNAKEのカバーバンドに変身した(妙に納得^^;)らしいが、ギタリストはその後もブラジルのロック界で活躍したようだ。



VELLOCET / Captive Of Reality / 1987

こういうスラッシュとパンクスの中間のようなサウンドは実に苦手である。メロディが希薄で叫ぶようなボーカルスタイルを聴けば立派なパンクスなので楽々切り捨てられるのだけど、リズム隊とギターのバッキングはスラッシュメタルの色を残しているのだ。彼ら独自の世界、というよりはパンクスがスラッシュを理解し損ねた音、という感じだ。スラッシュは嫌いではないのだけど、こういう中途半端は困ったもんだ。
クサレポイント

ジャケ買い度は高いアルバムなんだけど、失敗したのかそうでなかったのかが分からないのって、実は結構辛い(笑)。語るまでもない2ndアルバムは こんな風 ^^;



BODINE / S.T. / 1981

オランダのロック界でBert Heerinkにひけをとらない渋声ボーカリストのJay Van Feggelenが在籍したバンド。ブルーズフィーリングあふれる彼の声は心に染みますなぁ。この時点ではまだこのバンドは渋い大人のハードロックという印象。デビュー作だがオランダではビッグネームの仲間入りを果たしたアルバム。

クサレポイント

ということでFREEやBADCOMPANYというルーツが見え隠れする作品。カバーじゃないけど"Back Street Crawler"という曲もあったりして、70年代に傾倒してるのがよく分かる。それでもって実力がそれに追いついてるから凄いのだ。



BODINE / Bold As Brass / 1982

残念ながらJay Van Feggelenは脱退、リキんで歌う新しいボーカリストと、ツインリード化すべくギタリストがもう一人加入して5人組となって再出発。前作の渋いハードロックは吹き飛んで、どこから聴いても立派なへヴィメタルになっているのが驚きだ。A面ラストの"Heavy Metal Heart"はミドルテンポで聞きごたえがある。

クサレポイント

で、新しく加入したギタリストこそArjen Anthony Lucassenその人だ。本作ではIron Anthonyという、どうしようもないアーティスト名でクレジットされている。



BODINE / Three Time Running / 1983

「鋼鉄の勲章」という素晴らしい邦題で日本でもリリースされた3rdアルバムにして彼らのラスト作品。前作がかなりリキみすぎたメタル作品であったのに対して、本作は少し余裕をもってレコーディング出来たかなという印象を受ける。Rheno XeroとAnthony Lucassen(本作でめでたく本名表示^^;)のギターワークが冴え渡り、ツインリードの醍醐味が味わえる"Battlefield"、"Black Star Rising"などは絶品。他にも聞きどころの多い作品だ。

クサレポイント

リリース直後にバンドは解散し、それと相前後してArjen Anthony LucassenはVENGEANCEに加入、後にはソロギタリストとしてロックオペラ的な作品を残し今も活躍中だ。