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BAD NEWS / S.T. / 1987

これをレビューしていいのかどうかを悩んだことはないが、やってみて後悔するかもしれないってことは考えた(笑)。イギリスのTV番組から飛び出したシャレのキツいバンド。TV番組でのパロディという点ではあのモンティ・パイソンと同じだがレベルは違いすぎる。曲よりもおしゃべりが多いのはちょっとツラい(しかもF**kの連発)けど、AC/DCばりのタテノリな曲調は意外と聞けたりする。本作でハイライトとなるのはQUEENのカバー"Bohemian Rhapsody"、崩しに崩してフザけすぎているのには幻滅。しかしこれがシングルカットされていたんだから驚きだが、本作のプロデューサーがBrian Mayなのがもっと驚き(笑)。
クサレポイント

脱力感満点のジャケットだが、アナログはギミックジャケになっていて、裏ジャケへつながる腰から下の部分を開けると下半身パンツ一丁でバナナやブロッコリーを股間に挟んでいるお姿になる、という仕掛けになっている・・・とてもアップできません^^;



H-BOMB / Attaque / 1984

オランダの名門メタルレーベルRave-On Recordsの看板アーティストでもあったフランスの5人組。バンド名は「エッチ・ボム」でもいいんだろうけど、「アッシュ・ボム」と読むらしい。で、このバンドは実にカッコ良い音を出している。ギターがツインリードで痛快なメロディをバシバシ決めてくれるのが何とも爽快。JUDAS PRIESTを先祖とするNWOBHM、といった感じの音だ。カン高いフランス語の歌いまわしを聞かせるボーカルが時折ユニークに感じるけど違和感はない。しかし、じっと聞いているとスペイン語に聞こえてくるから不思議(笑)。
クサレポイント

裏ジャケのメンバーが衝撃的。 みんな死んでしまっているのだ(笑)。シャレてるねぇ!



THOR / Live In Detroit ! / 1985

Page 26で紹介したマッチョメタルの元祖のライヴアルバム。彼らのサウンドはデトロイトという地のイメージに何故か似合っているような気がする。いきなり"Thunder On The Tundra〜Let The Blood Run Redで始まるからカッコよさに頭がクラクラ。ボーカルばかり目だってはいるが、ギタリストはかなり弾きまくる人。早弾きではあるが様式美とは無縁の、とにかく強引に自分の気が済むまで弾きまくっている。このスタイルは普遍だ。

クサレポイント

あのデカパイ姐さんもバックコーラスで参加。ジャケットで分かるように、リーダーのThor氏もあのカッコで熱く歌い上げているようだ^^;。



WHITE WOLF / Standing Alone / 1985

このデビュー作リリース時点ですでに10年選手のベテランバンド。もともとWARRIORと名乗っていたけど、同名バンドが山のようにいて、アルバムデビュー時に改名。捨て曲なしまであと一歩な出来栄えで、聞かせる曲はツボを押さえたメロディアスなギタープレイとリズムのメリハリがビシバシ決まっていてカッコ良い。疾走感あふれる"Headline"は好プレー集のBGMに使えそう(笑)。"Shadows In The Night"は日本でもシングルカットされてちょっとしたヒットとなった。

クサレポイント

当時この作品に感じたインパクトといったら、やはりこのジャケットだろう。顔はネズミで蛇のようなしっぼをしていて腕はワニみたいな生き物。あ、顔はネズミじゃなくて狼なのかねぇ(笑)。



WHITE WOLF / Endangered Species / 1986

アナログ当時は日本盤のリリースが見送られた2ndアルバムで、前作からメタル色をやや減退させて少しオシャレなメロディになってしまった。産業ロックのアプローチをとったような歪みの薄いギターの音に特にそれを感じるのだが、ところどころ打ち込みっぽいドラムの音はなんとかならなかったのだろうか。個人的には洗練される寸前な音を聞かせた前作の方がお気に入りなのだが、もともと秀逸なメロディを聞かせるバンドだから今回も作品の出来に問題はないので、その点でも安心して聞ける作品であり、前作とはまた違ったスタイルの優秀なメロディックハードのアルバムとしてオススメは出来る。

クサレポイント

"She"はMTVで繰りかえしオンエアされていたので買う前から唯一気に入っていた曲。ボーカルのDon Wilkは写真でみるとサエない顔をしているが、ビデオで見た感じ、歌う姿はカッコ良い。