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MAD MAX / S.T. / 1982

後にMichael Vossが加入してワールドワイドな成功をおさめることなるバンドのデビューアルバム。この時はまだMichael加入前で、オリジナルボーカルはAndreas Baeslerである。MAD MAXはギタリストのJurgen Breforthが興したバンドであって、Michael Vossがオリジナルではないことを再確認しておこう。さて、ロゴはたしかにMAD MAXだが、ここで聞ける音は後の洗練されたハードロックとは明らかに違う、田舎臭いズッコケメタルであることはこのジャケットが証明している。声がところどころ裏返るAndreasは万人に受け入れられるタイプじゃないけど、嫌いじゃない。PRAYING MANTISのTino Troyをヌカ漬けにしたような彼の声質を受け入れられるかは、あなたが今までどういうメタルを聞いていたかにかかっていると言える。
クサレポイント

裏ジャケには新しいボーカルリストとしてMichael Vossの名前が紹介されている。ということはこの作品完成時にはAndreasはクビになってたということか、トホホ・・・^^;。



VETO / Carthago / 1988

エレクトリックドラムな音はちょっとツラいが、TRANCEやFAITHFUL BREATHといったバンドと同じニオイをもつジャーマンメタル。力強さの中にエゲつなくクサいメロディを聞かせてくれるバンドは後世まで保護するべきである。パワー爆発、まではいかないが、全曲とも素晴らしい出来だ。
クサレポイント

本作は2ndアルバムだが、1stアルバムもまた鋼鉄の名作。2枚のアルバムを残してバンドは解散したようだ。



WITCHFYNDE / Give 'em Hell / 1980

演奏スタイルがサタニックだが、ボーカルのビブラートのかけ具合はDIAMOND HEADみたい。イメージほどそんなにドロドロした印象はないけど、かといってスカーッと突っ走る疾走系でもないサウンドである。70年代中ごろに発表されていてもおかしくない音で、そうだったら評価も違っていたかも知れない。NWOBHMの名作としていまだ語り継がれるアルバムのひとつである。"Leaving Nadir"のギターソロはシビれる。

クサレポイント

NWOBHM期において着々と活動を続け、数枚の作品を残した。ずっと続けているのか復活したのかは定かでないが、今でも彼らは現役のようだ。



WARLOCK / True As Steel / 1986

Mausoleum Recordsでデビューを飾ったバンドの3rdアルバム。前作でメジャーデビューを果たしてサウンドもグッと引き締まった。このバンドは何と言ってもフロントウーマンであるDoro Peschが看板であって、彼女の実力はこの時代の女性ボーカリストでは一番であったと思う。

クサレポイント

心打つタイトルは聞いたときワクワクしたのだが、曲調は鋼鉄一直線、ということでもなく、ちょっとまとまりすぎの感もある。ギターとベースはこの後U.D.O.へ移籍。



CHARIOT / Burning Ambition / 1986

1984年のデビューアルバム、1985年の12インチシングルについで発表された2ndアルバム。リフでガンガン攻めるギター、男くさいボーカル、パワフルなリズム隊が一体となって鳴らす音は実に爽快、これぞヘヴィーメタル。前作でも感じられた、痒いところに手が届くメロディとドラムスの音のバカでかさは健在。こういう音には無抵抗になってしまいます。

クサレポイント

その後バンドは解散、リーダーのPeter Franklinは現在DEEDSで活動中。