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GARGYLE / S.T. / 1988

PAGE21でも紹介したNRRのアーティスト。録音のえげつないショボさはさておき、このバンドはIRON MAIDEN影響下の、なかなかカッコよい曲作りをしている。"The Burning"や"Final Victory"でみせるギターワークなどにセンスの良さを感じるのだ。フルレンスはこの一枚しか残さなかったのが残念。

クサレポイント

ボーカルのTim Lachmanは後に実の兄弟でHALFORDのギタリストであったPatrick LachmanとSTATE OF THE ARTを結成。Tim自身も、JUDAS PRIESTのニューボーカリストとしてお声がかかったことがあるそうだ。



WHITE SPIRIT / S.T. / 1980

Neat Recordsから生まれた名バンド。MCAからの配給を受けてメジャーデビューした本作はこれまたNWOBHM史上に燦然と輝く名作だ。モロにDEEP PURPLEから洗礼を受けたサウンドがビシバシと耳を攻撃する。トップの"Midnight Chaser"ではやくもノックダウンであるし、捨て曲がまったくないのでノックアウトされっぱなしということになる。日本人の琴線をくすぐりまくること必至のこの作品が当時日本盤でリリースされなかったのはNWOBHM最大の謎だ。

クサレポイント

時にキーボードとツインになってギターを弾きまくるのは現IRON MAIDENのJanick Gers。たしか当時からリッチーそっくりさんなキャラクターだったように記憶している。



KANE ROBERTS / S.T. / 1987

ALICE COOPER BANDのギタリストであったことや、ご覧のような^^;「マジかいな」なルックスのおかげでキワモノな印象を与えているギタリスト。ちなみにこのマシンガンはホントにギターになっていて、ライヴで実際使われていた。これがまた相当重いもんだそうで、そりゃモリモリの筋肉も必要だわな。曲はそんなイメージとは裏腹に意外とサラッとしたメロディックなアメリカンロックだ。平凡な曲が続くがMichael Wagenerのプロデュースが優秀なせいか、聞いていても疲れを感じない。

クサレポイント

次作では早くも筋肉マンなイメージをかなぐり捨てて、メロディックハード路線を強調した作品になった。「もうロックンロール・ランボーと呼ばないでくれ」がテーマだった(笑)。



WRATHCHILD / Stakk Attakk / 1984

あ〜あ、どうしてこんなの買っちゃったんだろうねぇ、の代表作。なんだこのギターのスカスカ感は。5mほど下がって弾いているかのような遠い音。本作リリース当時はMOTLEY CRUEと比較されて「グラムメタル」なんていう間に合わせなカテゴリーに掘り込まれていたはずだ。バンドとしての活動歴は本作リリースに至るまでそれなりの年月をかけていて、NWOBHMのアーティストと言えるんだろうけどちょっと抵抗もある^^;。「ツッパリの女王」という素晴らしい邦題をいただいた(笑)"Trash Queen"がスマッシュヒット。

クサレポイント

一度見たら忘れられないジャケットである。この人、どうみても 工藤静香さんなのだ(爆笑)。



WAYSTED / Vices / 1983

元UFO、FASTWAYのPete Way、元UFO、MSGのPaul Raymond、NWOBHM界の隠れた渡り鳥ドラマーFrank Noonという人たちが集まりながら実に地味なバンドであった。それはやはり曲が地味であったからだろう。ベテラン揃いは安心して聞ける半面、スリリングさに欠けるという面も持ち合わせている。それにしてもこのルーズな感じのボーカルは何度聞いても辛い。当時は"Love Loaded"と"Toy With The Passion"がラジオでよくかかっていた。悪くはないんだけど良くもない、不思議なバンドだった。

クサレポイント

ラストの"Somebody To Love"はGREAT SOCIETY / JEFFERSON AIRPLANEのカバー。演奏はともかく曲がいいと救われます、の見本的カバーだ。この曲もよくあちこちでカバーされますが、たしかボン・ジョヴィの妹さんのソロデビューがこの曲でしたなぁ。