Page 126


BLACK ANGELS / Hellmachine / 1982

こういう名前はどこの国でもバイカーをイメージさせるんですなぁ。しかしスイスというお国柄とチョッパーバイクのイメージは結びつかない。さてさて、曲のほうは70年代を軽く引きずった感じのストレートなハードロック。何といってもハモンドオルガンが鳴っているのが嬉しい。重みはないがツボを押さえた楽曲ぞろいでなかなかの名作。"Midnight Rider"はタイトルといいハモンドオルガンのソロといい、"Highway Star"を意識したかのようなところが何とも微笑ましい。"Seamer Station"はイントロから終わりまでそのまんま"Doctor Doctor"みたい。NWOBHMの洗礼を浴びた野蛮なDEEP PURPLE、といった感じだ。

クサレポイント

しかしまたえげつないジャケットである。キーボードのHarry Stoneが描いたものだが、せっかくのデビュー作なのにこれでよかったのだろうか^^;。



BLACK ANGELS / Kickdown / 1984

前作〜本作でボーカルとドラムスが変わっている。あわせてサウンドもかなり垢抜けた感じに変化した。ハモンドオルガンが鳴りをひそめ、ツインリードのギターが前に出てきている。けれども何故か昔に聞いたことのあるような錯覚におちいるツボをおさえたメロディラインは健在。"Over Now"のような、実に味わい深いハードロックを聞かせてくれるのがこのバンドの最大の魅力だろう。メロハーな人たちにも十分にアピールする作品だ。

クサレポイント

ルックスは こんなひとたちだけど、けっこう計算された荒々しさが聞く者のツボを刺激する作品だ。



BLACK ANGELS / Black And White / 1985

1985年リリースの" Broken Spell"(持っていないのでレビューできません(ToT))アルバムに次いでリリースした4thアルバム。これまた大音量のメタルに大変身していて驚き。ギターがフライングVな音でガンガン弾きまくっている。タテノリ基調ではあるが、音の中にACCEPTやJUDAS PRIESTの姿がチラホラしている。それにしても音の悪い作品ですなぁ、音が割れてしまっている。それが一番のお気に入りだったりするのだけど(笑)。

クサレポイント

ずっと6人編成という大所帯なバンドだったけど、このあとは4人組になって活動を続けたらしい。相変わらずのメタルなルックスの人たちだが、右端の人 、「よろしくたのんますわっ!」て言っているみたいだ(笑)。



VIPER / Soldiers Of Sunrise / 1987

Passarell兄弟により興されたブラジルのバンド。メロディも音もギターソロもコーラスも、とにかく全部クサい(笑)。HELLOWEENの"Wall Of Jericho"なみのクサさを感じる。ベースのメロディラインがMarkus Grosskopfの持つそれと似ているからそう思うのだろうか。ボーカルは後にANGRAで名を上げるAndre Matosであるが、このころはまだ少年の面影を持つほっそりとした人で、まだSteve Perryみたいな鼻じゃない^^;ので、超絶なハイトーンは聞くことが出来ない。"Knight Of Destruction"、"Wings Of The Evil"、"Soldiers Of Sunrise、Signs Of The Night"、Killera (Princess Of Hell)、Law Of The Sword"と、「OF」がつくタイトルが多すぎるのはメタルの鉄則(笑)。

クサレポイント

このクサクサ路線は本作までで、2ndアルバムでは日本人向けに作ったのかのようなメロディと格段にスケールアップしたテクニックで大成功を収めたのだった 。



MANOWAR / Battle Hymns / 1982

DICTATORSやSHAKIN' STREETで活動していたRoss The BossことRoss Freedmanがエゲつないメンバーを集めてエゲつない格好して世に送ったデビュー作。「メタル」しかテーマにしてません、てのが音にしっかりと書いてあるサウンドで、当時この中のタイトルトラックをラジオで聞いて、ショックを受けたのを記憶している。そんなにゴリ押しなメロディではないのだが、ボーカルもドラムもベースも何しろ音がデカい。前世はサムライだったJoey Demaioのベースなんて、「ブーン」じゃなくて「バァイ〜ンッ!」と鳴り響いている。Eric Adamsの声ももはやこの時点でバンドの顔になっているから凄い。"William's Tale"はJoeyの超絶早弾きベースのみのクラッシックのインスト曲。こんなこと今も昔も考える人はいない(笑)。本作以降の活動はみなさんご存知のとおりで、胸をはって「俺たちはメタルだ!」と世界一語れるバンドになった。メンバーは変われど信念は全く変わらず彼らは前進し続けている。「ニセモノメタルに死を」と語れるのは彼らしかいないだろう。

クサレポイント

これを日本盤でリリースする勇気は称賛に値するだろう。「帯までマノウォー!」はどこかの雑誌に書いてあったけどまさにそのとおり^^;