Page 135


BLACKSMITH / Fire From Within / 1989

女性ボーカルのHeidi BlackとギタリストのDevid Smithによって結成されたNYのバンドだが、1986年にミニアルバムをリリースして翌年解散、1989年になってDavid Smithが自分以外のメンバーを一新してバンドを再興、昔の音源を再録したものと新作とをレコーディングしたのが本作だ。ジャケのイメージにピッタリな、ホラー映画のようなオープニングの導入部はこのアルバムをサタニックなものかと予感させるが、さほどドロドロしているワケでもなく、それでもおよそアメリカのバンドらしからぬ、あまりにもバカ正直で堂々としたパワーメタルを聞かせてくれる。デビュー作の再録となった名曲"The Bonemarch 〜 Tower of London"は本作のハイライトだ。彼らはこの後バンド名をFREAKNATIONに改めて活動を続けた。

クサレポイント

聞いて損した感はないバンドだが、実は北欧メタルのBLACKSMITHと混同して買ってしまった人も多いんじゃなかろうか。年代もジャケットのイメージも全然違うのに間違えてしまうのが自分のニクめないところかも^^;



ANGELES DEL INFIERNO / Pacto Con El Diablo / 1984

スパニッシュメタルってどんな感じなんだろうと思う人には真っ先聞かせたい一枚。パワーとメロディとが実にクサく交わりあう音の中に力強く音符を突き刺すごとくハイトーンで歌われる巻き舌なスペイン語の歌詞。オッサンなルックスからは想像がつかないくらい若々しくハイトーンボーカルは素晴らしい。NWOBHM的要素があちこちに染み付いたギターもすんなりと耳に馴染む。デビュー作でここまで熱い人たちが続々登場するのがスパニッシュメタルの醍醐味。

クサレポイント

素晴らしいジャケットデザインもさることながら、張り出したお腹とヒゲ面、それにポリス帽という、どうみても中年JUDAS PRIESTな人たちだが、本作がメジャーレーベルからのリリースであったことからも分かるように、スペイン国内では人気あるバンドだったのだ。



ANGELES DEL INFIERNO / Diabolicca / 1985

オープニングにスピードナンバーを持ってくるというこの時代の王道を堂々と示した好作。もちろん前作と同路線であるが、いやぁ、こういう作品は無条件降伏でなければならない。ACCEPTっぽさも漂う本作もまたスパニッシュメタルの歴史の中で燦然とかがやく名作。力強いメタルはどの国のどの言葉であってもその光は実にまばゆいものだというお手本だ。メタルマニアの琴線をくすぐるシングル盤を異常なまでに多くリリースしていたバンドであるが(笑)、アルバムだってそのテンションは高いまんまだ。

クサレポイント

この後もアルバムリリースを続け、いまだ現役であるバンドだが、個人的には今回紹介した2枚を強くオススメしたい。



SANTA / Templario / 1986

Page37でも紹介したバンドで、スパニッシュメタルのなかでは一番お気に入りな人たちだ。2ndアルバムで解散したのかと思いきや、実はリードボーカルが交代してアルバムがリリースされているらしい、という噂にもまれて、10年近くも探し求めて発見した3rdアルバム。しかも直後にCD化なんぞを果たした^^;。たしかにSANTAの「ノド」であったAzcenaは脱退し、後任にLeonor Marchesiなる女性ボーカルが加入している。もともとギタリストのJeronimo Ramiroがイニシアティヴをとるバンドなので、大幅な曲のイメージチェンジはなく、流々とくりだされるキーボードも健在。タイトルチューンは何故か日本のTERRA ROSAにそっくりな感じ(笑)。続く"Fuego En El Alma"も疾走間あふれる様式美な構成で、これはきっと日本人にはウケるだろうという音だ。まだまだSANTA魂は燃えたぎっているが、ぜいたくをいえばこれをAzcenaの声で聞きたかった。

クサレポイント

とはいえ、全く変化がなかったわけでもなくて、数曲はややAORがかったトーンになっている。しっとりと歌うLeonorのノドもなかなかのものだ。



BLACK KNIGHT / Master Of Disaster / 1985

これはホントにカナダのバンドなんだろうか、と思うくらい英国の薫りがプンプンしていて、NWOBHMの持つ適度なカルトっぽさをこのアルバムにも感じることができる。とにかく"Warlord's Wrath"と"Born To Rock"、このこもりきった音の中にも天を翔るようなギターやメロディがキラキラしているのを聞くとメタルが好きでよかったなぁと実感することだろう。ヒステリックでハイトーンなボーカルもしっかりメロディを歌えているから聞いていて疲れない。

クサレポイント

突然にシアトリカルになる"Aaraigathor"はベーシストがリードボーカルをとっている。これがまたミドルな曲で聞き応えあり。ふへへへぇっ!な笑い声は少々気持ち悪いかも(笑)。