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SWEET KILLER / Woman For Sale / 1991

1991年というのにこの音の悪さはどうしたもんだろう。音に低予算ぶりが染み込んでいるといった感じだか、ところがどっこいハードロック魂は生き生きしている。何事も本質を知らずに全てを切り捨てるなかれ、ただ単にカネがなかっただけなのである。ダミ声に近いボーカルがメロディックロックを歌うという点でも楽しめる一枚で、ヒステリックなギターも印象に残る。FARGOやSCORPIONS、BONFIRE、SINNERといったところに流れている古きよきドイツのハードロックの血をちょっとクサらせた作品だ。2曲目はどう聞いてもSINNERの"Hypnotized"にそっくりだが、もちろんあんなにゴージャスな音ではない。

クサレポイント

中途半端なバンド名もさることながらも、このジャケットとタイトルはちょっとヒドいですなぁ。叶姉妹のお姉さんに見えなくもない^^;



BATTLE BRATT / S.T. / 1988

オープニングがミドルテンポで、続く曲も同じようなリズムが多いが、全てのパートにVICIOUS RUMOURSのようなたくましく堂々としたグルーヴが感じられ、デビュー作でありながらかなりレベルの高い人たちだと思わせる。中音はやや不安定ながら高音で伸びるハイトーンボーカルや要所で弾きまくるギターなど、各パートはなかなかの説得力だ。欧州系の湿り気を帯びたメロディとアメリカのメタルにありがちなチャラチャラしたところが全くないことは特筆すべきことだろう。

クサレポイント

コーラスワークがとても印象的。イントロで3人でハモりをキメるのだがこれがかなり爽快だ。ギターも同様にハモってたりするのがなお良し。



NIGHTRIDER / S.T. / 1979

バンド名がカッコいいフランスのグループだが、リードボーカルとギタリストはイギリス人。で、レコーディングはスイスで行われた作品で、なんだかヨーロッパを股にかけていますなぁ。ギターが二人で疾走系のハードロックを展開しているけど、突っ走るだけでなく、泣きのギターにアコースティックピアノやハモンドオルガンの音なんかも絡めているのがいかにも70年代らしくて琴線をくすぐる。プログレの味わいもあるけど決して難解ではなくて勢いで聞けてしまうのが魅力だろう。このあと2ndアルバムをレコーディングしたもののリリースされず、お蔵入りのままバンドは解散してしまった。

クサレポイント

スイス育ちの英国人ギタリストJohn Woolloffのギタープレイがとくに印象的。彼はスイスの伝説的グループSPOTのギタリストだった人。



EYE WITNESS / Line Up / 1988

当然ながらラルフ・サントーラが在籍していたメジャーなバンドとは別のバンド。アラスカはアンカレッジ出身のバンドで極寒な地ゆえにゴリゴリのハードロックなのかと思いつつ、オープニングがいきなりチョッパーベースなのでビビりながら聞きすすめていくと、これが意外に聞きやすく覚えやすい健全路線一直線なメロディアスハードロック。とはいうものの、低予算丸出しの音質はさておいて、同年代のアメリカンハードロックに比べると何ともリズムがドンくさい感じだし、ジャケットのノリにしても70年っぽくて結局はバンドの印象としてはバラバラなのだ。一本調子な野太いボーカルがもう少し巧ければ、何曲かは良い曲もあるのでそれなりに名前も響いたのじゃなかろうか。

クサレポイント

モタモタとしたリズムも少し足をひっぱっていて、やはり愛すべき不器用メロハーといった感じ。私はこういうのは実は好きだったりする(笑)。



BREAKER / S.T. / 1987

1984年にレコーディングされながらリリースは3年後であった名作。こういうバカ正直でストレートでガッツのあるハードロックは天然記念物として厚く保護しなければならない。オープニングのこの疾走感、けっしてゴリ押しでなく暑苦しくなく、しかしカッコよく疾走するリズムこそがアメリカンハードロックの醍醐味ではなかろうか。スピードでは劣るものの、スラッシュメタルでは味わえないハードロックの快感がこのアルバムには詰まっている。OLIVER MAGNUM、SHOK PARISなどのバンドが好きなら聞かずには済ませられない。

クサレポイント

バンド名はもちろんACCEPTの曲にインスパイアされたもの。1999年にバンドが再興されたときにリリースしたCDで"Breaker"をカバーしていたが、そのアルバムタイトルは"ACCEPT"だった^^;