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VARDIS / 100 M.P.H / 1980

「時速100マイル」というタイトルが示すとおり、ひたすら真っすぐに疾走するハードブギー。本作はデビュー作でありながらライヴ音源で、STAMPEDE、A Z、CHINATOWNなどに並ぶNWOBHM界の名デビューライヴアルバムと勝手に思っている^^;。ベースとギターがユニゾンで上がっていくところは何度聞いてもゾクゾクする。もともとはQUO VARDISという名で活動していたことからも分かるように、リーダーでギタリストのSteve ZodiacはSTATUS QUOの大ファンだそうで、VARDISはたしかにSTATUS QUOがメタル化したようなサウンドだ。ジョニー・ウインターがマッチョになったようなルックスを持つSteveは、NWOBHMのシーンにおいて既にカリスマ的な存在であった。"The Lions Share"、"Let's Go"、"100 m.p.h"、If I Were King"などなど、理屈抜きのタテノリメタルが目白押し。

クサレポイント

このデビューアルバムは英国盤の初回プレスにはポスターも付いていた。もっとも当時、日本でもリリースされたが日本じゃほとんど話題にならなかったのが残念。3人組という編成では爆発加減こそ劣るものの熱さではRAVENといい勝負だ。



VARDIS / The World's Insane / 1981

ライヴアルバムゆえのパワーを聞かせてくれた前作よりはスタジオアルバムになった分、音作りへの色気が出た2ndアルバム。アップテンポなリズム隊はVARDIS節をいかんなく発揮しているが、ブギーのメロディがポップになった気がする。ハーモニカありピアノあり、バグパイプまで出てくるあたりが驚き。こういうところはグラムロックからの影響もうかがわせる。前作よりは汗の量が減ったけど元気なブギーに変わりはない。

クサレポイント

シングルカットされた"Silver Machine"はHAWKWINDのカバー。本家よりもポップにカバーされているのがこのアルバムのトーンをよく表している。



VARDIS / Quo Vardis / 1981

ハードブギーから小気味良いブギーへの変化は加速し、本作でも荒々しいリズムはさらに後退、メロディアスなタテノリを前面に持ってきて、サックスの音までかぶせて売れ線な曲もちらほら。Steveは依然として弾きまくっているがポップ感がそれを隠しているような気がしないでもない。思えば「NWOBHMの」というのが終始、冠について紹介されてしまったのが彼らにはよくないことだったような気がする。その枕詞をはずしてしまえば、"Boogie Blitz"なんて曲を聞けば本作は優れたブリティッシュロックの一枚だと位置づけることができるのに。

クサレポイント

"Gary Glitter Part One"というなんとも笑わせるタイトルの曲はSTATUS QUOのようなストレートさが味わえる。この路線をもっとハードに、というのが当時のファンの希望だったようで、本作はあまりウケなかったようだ。



VARDIS / Vigilante / 1986

3rdアルバム以降、1stアルバムに収録された曲をタイトルにしたレアテイク・ベストアルバムの"The Lions Share"をリリースしたほかはアルバムリリースはなく。バンドも沈黙したまま。しかし1986年になって突如リリースされた4thアルバムは「復活作」として紹介された。ベーシストが元DIRTY TRICKSのTerry Horburyにチェンジしているが、オリジナルメンバーのAlan Selwayにも負けないエキサイトなプレイが印象的。Steve Zodiacのプロジェクト的なニオイもする本作は、2ndアルバムや3rdアルバムに比べてハードなブギーを聞かせてくれているから嬉しい。とにかくSteveが弾くわ歌うわで、どうしてこれを5年前に出来なかったのか、と思う出来だ。スコットランド民謡の音階も取り入れたギターソロのフレーズは強烈。

クサレポイント

ちなみにSteve Zodiacという名は芸名で、元々はFIREBALL XL5という子供向け番組の大佐の名前からとったものだった。日本でも放映されていたが邦題は「谷啓の宇宙探検」だったようだ、ガチョーン!^^;