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ZED YAGO / From Over Yonder / 1988 女性ボーカルJuttaをフューチャーしたドイツのバンド。ミドルテンポしかやらないACCEPTに女ディオが加入して、出来上がった曲はどれもこれも凝りすぎて結局まっ平らになってしまった、という感じ。妖しげでダークなイメージを持ちシアトリカルに曲が展開されるのは、演ってる方はいいけど聞かされてる方は実は大変、という典型か。しかしながらトシをとった今(笑)よく聞けば、"The Flying Dutchman〜Zed Yago"の流れは映画のサントラみたいでカッコ良いし、なによりもJuttaのボーカルの表現力が素晴らしいことに気がつく。同郷のDoroには及ばないが、数ある女性ボーカリストの中ではトップクラスだろう。 クサレポイント ウワサによればJuttaはかなり女王様チックな性格だそうで^^;、バンド内でもいろいろゴタゴタがあったそうだ。バンドは彼女と袂を分かち、今も活躍中。 |
VELVET VIPER / S.T. / 1991 上述のZED YAGOはもう一枚アルバムをリリースした後、バンド内のゴタゴタで活動停止。JuttaとドラマーのBubiがZED YAGOではない名でアルバムをリリースしたのが本作だ。このバンド名はなかなかナイスだと思う。VELVET VIPER立ち上げ当時に関わったのメンバーは元WARLOCKのPeter Szigeti、後にAT VANCEを結成するOlaf Lenk(この当時はOlaf Jung名義)、後にMETALIUMを結成するLars Ratz、ZENOのZeno Roth、後にSKYCLADに参加するDavid Mooreと、なかなかのメンツだ。プロデュースはBIRTH CONTROLのギタリストで、後にジャーマンメタルシーンの名プロデューサーとなったDirk Steffens。これだけの人々の作品なので、ミドルテンポであっても納得のパワーメタルに仕上がっている。"Millstone Of Rage"、"Icebreaker"などが必殺チューン。 クサレポイント オープニングの"Merlin"はZED YAGOに関する歌詞でJuttaが切々と歌い上げているのが印象的。彼女はZED YAGOを去りたくなかったんだろうなぁ。 |
VECTOM / Rules Of Mystery / 1986 パワーメタル半分、スラッシュ半分といった音のドイツのバンド。しっかし歌が下手クソなのだ! もう嬉しくなるくらい下手クソ、抱きしめたくなるぐらい下手クソ、下手クソ菌に感染しそうなくらい下手クソ。カイ・ハンセンから高音を奪ってもっと下手にした感じだ。バックの演奏陣はマイナーながらも一生懸命に自分たちのメタルを聞かせようとしている。そのメロディは意外なことに(もちろんHELLOWEEN以前の)正統派なジャーマンメタルそのものなのだ。なんて思って聞いていたら耳もすっかりボーカルの音程に慣れてきて、とっても熱いメタルに聞えてくるから大したもんだ(笑)。 クサレポイント 同じ年に同じデザインのジャケットをした1stアルバムをリリースしており、マニアを大いに混同させた彼らではあるが詳細不明なのは残念。 |
VENGEANCE / Take it Or Leave It / 1987 1983年にオランダの老舗バンドだったBODINEが空中分解したのと同時に、そのギタリストだったArjen "Anthony" Licassenがすぐに立ち上げたバンド、VENGEANCEの3rdアルバム。オープニングのAC/DCみたいなタイトルチューンが聞き手の耳を一気にひきつける作品だ。バンドのオリジナルボーカリストでもあるLeon Goewieが若さとシブさを巧くミックスさせているのがお見事。Arjenのパワフルかつメロディアスなギターもこのころから早くも縦横無人。VANDENBERGとはまた一味違うダッチメタルがここには詰め込まれている。"Take Me To The Limit"がなかなかの名曲! クサレポイント ジャケットから受ける印象がまさにそうだが、本作以降バンドは米国にも進出。デビュー作のイモ臭さは振り払ったワケだが、残念ながら米国ではブレイクしなかった。 |
AT WAR / Retaliatory Strike / 1988 戦争中、という物騒な名前とNew Renaissance Recordsからのリリースで予想できるとおり、ドッカンバッタンの三人組スラッシュメタル。一聴でSLAYERを思い浮かべる音でかなりの迫力だ。スカ〜ッとしたい時の必携盤なのでさっそく薬箱にでも入れておこう。1stアルバムは伝説級のクソミソなアルバムだったけど、2ndとなる本作はサウンドの交通整理が巧くなされたお陰で聞きやすくなった作品でもある。ササッ、スタタタタッ、と忍び寄るようなスネアの音とそれとは対照的なド迫力のド根性バスドラとの絶妙なバランスは個人的に大好き。"Covert Sins"など、時折大爆発を見せる爆音ギターもちょぴり魅力的。 クサレポイント プロデューサーのAlex Perialisの仕事がお見事な作品なのだが、エンジニアは元RAVENのRob "Wacko" Hunter氏。代わって叩いてるんじゃないか?と思うぐらい、ドラミングが似ているのが笑える。 |