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JOSHUA / The Hand Is Quicker Than The Eye / 1982
6曲入りのミニアルバムで、日本では2年後に2曲追加してリリースされた。ギリシャ系アメリカ人であるギタリストのJoshua Perahiaが結成したバンドで、隅から隅まで彼のギタープレイが響き渡っている。と、こういうギターヒーローのアルバムはゲップが出てしまうほどエゴ丸出しの濃さにうんざりすることが度々あるが、このバンドには不思議とそれを感じない。LAメタルとか、そういう風にカテゴライズする意味がないと思える爽やかで聞きやすいサウンドは、たとえばピアノの音をうまい具合に隠し味にしているところなど、昔懐かしいアメリカンハードロックの王道をたどるメロディとなって聞き手の耳に届くだろう。 クサレポイント 彼のクラシカルなプレイが涙を誘う名バラード"November Is Going Away"は今でもハードロックの名曲としてマニアの心に刻まれている。秋の夜長に聞くにはあまりにも劇的な曲だ。 |
JOSHUA / Surrender / 1985 その理由のひとつに「メンバーのルックスがよくない」ということがあったとかで、何と自分以外のメンバーを解雇してすべて入れ替えた新生JOSHUAの2作目。そのくせこのジャケットはどうしたもんだ。ド真ん中にドーンとつっ立ってるが、真っ先に自分を変えなくてはいかんだろう(^^ゞ 音は基本的に前作の延長にあるが、ややハードロックなスタイルになっている。エモーショルな彼のギタープレイはやはり聞き手の耳に訴える力を保っていて、そのへんは裏切られることはないから安心といえば安心。しかし全員変えたのにサウンドがあんまり変わらないというのもどうしてだろうか。 クサレポイント サミーヘイガーの従兄弟でもあるギタリストのkenneth Tamplinはこの後バンドを去って、Ken Tamplin名義でソロギタリストとして活躍している。 |
JOSHUA / Intense Defense / 1989 アメリカのシーンになかなか受け入れてもらえないことに業を煮やしたからかどうか、Joshuaはまたしてもバンドを解体して拠点をドイツに移した。そこでまた自らのバンドを立ち上げてJOSHUA名義でリリースしたのが本作。当初はDieter Dirksのプロデュースが予定されていたがレコーディング中に変更になっているのがちょっと残念。ということでJOSHUAはすべてのアルバムが彼以外は全く違うメンバーでレコーディングされているバンドだといえる。ボーカリストに今ではビッグネームとなったRob Rockを迎えているが、本作では実にリラックスした、力みのない唱法であるのが面白い。 クサレポイント その後もメンバーを変えバンド名を変え、少し丸っこくなっていまでもギタリストとして活動中。 |
SAMSON / Before The Storm / 1982 Bruce DickinsonやThunderstickを産み落としたSAMSONが、その二人の脱退の後に「生まれ変わった」SAMSONとしてリリースされた4thアルバム。たしかにこれまでの作品のようなスズメバチが暴れるリフではなく、力強く進む巨象のようなサウンドに変わっている。この変化には当時かなりビビったけれど、何度も聞いて感じるのはこれは名作だということだ。新加入(といってもかなりベテランな人)のNicky Mooreのノドが逞しくほとばしっているのが素晴らしい。バンドのイメージは変えたものの、ロックスピリットは変わらないことをメロディのすき間から聞き手は感じなければならないだろう。"Danger Zone"、"Test Of Time"などなど、ゾクゾクする男くささだ。 クサレポイント という渋いなかにも逞しさを感じるアルバムだが、このジャケットアートと邦題はちょっとカンベンしてほしいなぁ。音を聞いていないことが丸分かりだ。 |
V.A. / Reading Rock Volume One / 1982 文字通り1982年のレディング・ロック・フェスティバルを収録したライヴアルバム。やはりこの時代なのでNWOBHMのバンドがゴロゴロしていたが、本作でもその中からいくつか収録されている。GRAND PRIXやSPIDER、CHINATOWNやSTAMPEDEなどは音源的にも珍しいものだ。そんな中にあって当時はまだ英国でしかブレイクしていなかったTWISTED SISTERのステージは熱い。"Shoot'em Down"は彼らの初期の名曲だ。
MICHAEL SCHENKER Attack Of The Madman |