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ATTENTAT ROCK / S.T / 1981 Page94でも紹介したフランスのバンドのデビュー作。タテノリを信条とした荒削りでストレートなハードロックは70年代のニオイを残しつつ、しっかりとNWOBHMと同類のノリもキープしている。巧いようで下手なような、音程の所在無きボーカリストのノドも印象的。バリバリと鳴らしているギタリストの存在がこの作品を「伝説」の部類に押しとどめているような気がする。全曲フランス語、Devil's recordsの初期アーティストとしても貴重なバンドだった。 クサレポイント 次作でメタルパワーが全開、3rdアルバムでメジャーデビューを飾るも、バンド名をPINK ROSEという信じられない名に変えてから消えてしまった。 |
ATTILA / S.T. / 1990 アメリカにも同名バンドがあるので混同に注意。こちらはスラッシュじゃなくて、テクニカルなスタイルのヘヴィメタルを聞かせてくれる。ベーシストはSteve Harris命なんだろうことが音に書いてあって、とにかく弾きまくっているし凄い音使いなのだ。めまぐるしい指の動きが目に浮かぶよう。セミアコまで持ち出すギタリストのアイデアもユニークだ。SACREDE RITEをもっとストレートでソリッドにした感じ。このバンドも3人組、器用なのは結構だが、曲の印象が薄いのとボーカルがかなり弱いのが残念。 クサレポイント テクニカルといえばどうしても変拍子が先行してノリという点で不満が多いことが多いが、このバンドはその点まだ聞きやすいだろう。CREAMの"Sunshine Of Your Love"をテクニカルに仕上げてカバーしているのが面白い。 |
PROPHET / S.T. / 1985 「若さが武器だ!」の泣かせるタタキ文句で日本でもデビューを飾った1stアルバム。プログレッシヴなイメージと若くて勢いのあるイメージとがすんなりと受け入れられずに中途半端なまんま売り込まれてしまった感じのバンドだったが、実はアメリカンハードロックの王道を自分たちなりに解釈し、聞き応えのある曲を残した人たちだ。音以外の華やかさを求める時代だったことがこういうサウンドには不幸なことだったとも言える。"Everything You Are"は日本でもシングルカットされたが、さほど話題にはならなかった。 クサレポイント 本作後ドラムスのTed Poleyは脱退するが、リードボーカリストとしてDANGER DANGERに参加、それなりの成功を収めた。 |
PROPHET / Cycle Of The Noon / 1988 ボーカルとドラムスが交代しての2ndアルバム。新しいボーカルとなった元SURGIN'のRussell Arcaraは実に巧い人で、メタルメタルした歌い方ではなく伸びやかに、メロディックに歌い上げるところが印象的だ。このバンドはプログレッシヴな難解なバンドだと思われているところもあるようだが、想像以上にメロディアスで、といってもキラキラポップではなく、SURVIVORや後期KANSASあたりのアメリカンハードロックを真っ正直に受け継いでいるのだ。 クサレポイント デビュー作のタタキもさることながら、本作のタタキは「奴らは神の賜物!!」。う〜む、そこまで言ってしまうのはどうだろうか(笑)。 |
PROPHET / Recycled / 1991 前作ラスト曲の"Red Line Rider"のテンポをややおそくしただけ、みたいな曲で幕を開ける3rdアルバム。T.T.QUICKのDave Dipietroが加入してツインリードにキーボードを絡ませる大所帯なバンドになった。けれどその割にはスリリングさに欠けるような気がするのは、2ndアルバムで張り詰めていた、聞き手にも伝わる緊張感が薄くなっているせいだろうか。余裕の演奏ぶりには安心して聞けるよさがあるのだが、普通のアメリカンハードロックになってしまって、さらりとしすぎている気がしないでもない。Edger Winter Groupの"Sides"のカバーがあるが、こちらはなかなか良い仕事振りで自分たちのものに仕上げている。 クサレポイント この後、リーダーのScott MetaxasとDave DipietroはDan Lilkerらと入れ替わりでNUCLEAR ASSAUTに加入、PROPHETは解散となってしまった。Russell Arcaraは自らのバンドARCARAで活動、今はTHE WAYという名でレコードリリースを計画中のようだ。 |