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NAPALM / Cruel Tranquility / 1989

元はCOMBATという名で活動していたニューヨークのスラッシュ。Combat Recordsからオムニバスレコードをリリースするに当たってNAPALMへ改名。さらにメンバーも大幅に入れ替えてのデビューフルレンスが本作なにる。カラッとザクザクな西海岸のスラッシュバンドたちとはと違って、野太いなかにもなんとも暗く冷たい感じが漂うスラッシュであるが、パワーメタルな部分との住み分けが明確で、曲によっては好き嫌いのあるところだろう。ボーカルにもう少しフックがあればNAPALM DEATHと混同されずに人々の記憶にももう少し残っただろう。

クサレポイント

もとはRossbach兄弟が興したバンドであり、本作から彼らは脱退しているが現在は再びCOMBATの名で活動を続けている。



TT QUICK / Thrown Together / 1992

Metal Of Honorという名作を残しながら1987年には一旦解散してしまう彼らであるが、すぐにシーンに戻り残したライヴアルバム。ギターソロになるとさすがに音が薄くなるのは寂しいが、それも意識させないほどギターのDave Di Pietroのプレイが素晴らしい。Mark Tornilloの野性味溢れるボーカルも枯れることなく最後までパワフルだ。これがが80年代のアメリカのメタルだ、というお手本のようなサウンド、晴天の高速道路で聞きたい音だ。

クサレポイント

この後はDaveがNUCLEAR ASSAULTのメンバーとなり、TT QUICKは活動停止。2000年になってDAVEの掛け持ちでバンドはまたまた復活している。



SHARK ISLAND / Law Of The Order / 1989

派手さはないが堅実でツボを押さえたメロディが素晴らしいアメリカンハードロックの佳作であったことから、「玄人ウケするバンド」として、探し出してでも聞きたいと意識していた作品だ。オープニングの"Paris Calling"の歌メロは一度聴くとすぐに鼻歌となるくらい印象的。全体的にはベースの音が丸くてユニークだが、実にソツのないハードロックだ。FLEETWOOD MACのカバー、"The Chain"も安心して聞ける。。

クサレポイント

この後のメンバーは、CONTRABANDのプロジェクトに参加したり、MSGのサポートを務めたりBill Wardのバンドに入ったり、Paul Somsonとバンドを組んだりと、これまた玄人ウケな活動を続けている。




GHANDI / Greatful Message / 1990

いわゆる「ジャーマンメタル」が日本中を席巻していた時期のバンドだが、当初から忘れ去られた存在だったのがもったいない。このバンドの持つパワーとメロディはヨーロッパ大陸から産み落とされたもの、そのものである。コーラスワークはURIAH HEEPをも想起させるし、レコード回転数を間違えたかと思わせるオッサンくさいボーカルがタレ流すメロディは70'sのブリティッシュハードロックの子孫だ。クサレメタルに頭から突っ込んでいる"All In All"で異様に明るいギターソロが嬉しい。一味違ったジャーマンメタル、という感じだ。

クサレポイント

"S.H.K."ではツーバス系の曲となるとギターがザックザクとリフを刻んでボーカルがガナりだす、というジャーマンメタルの公式に見事にハマっている。クサいギターソロやトチ狂ったかのようなチョッパーベースソロもタマりませんなぁ。