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TUBLATANKA / Zerave Znamenie Osudu / 1988

チェコのトリオ編成なバンドの3rdアルバム。Page16で紹介したデビュー作は70年代を引きずったようなハードロックだったが、本作では骨太なハードロックへと成長した音が楽しめる。やはり全曲チェコ語ながら、ブリティッシュハードロックから多大な影響を受けているだけあって、クサい中にもドロドロしたメロディが印象的。何故かジャーマンロックなフレイバーも感じられ、ちょうど全米でブレイクする前のSCORPIONSのようなサウンドなので日本人にも受け入れられそうなメロディをふりまくハードロックなのだ。
"Stojim Padam"のサビは「GM 金太郎!」と言っているようにしか聞えない(笑)。

クサレポイント

チェコではかなり名の知れたベテランハードロックバンドで、いまも活動中とのこと。日本でも売れそうなメロディをたくさん持っているのだ。



MEGACE / Human Errors / 1991

テクニカルメタルに分類される複雑なメロディを持つバンド。ツーバスで疾走し、劇的にリズムが変化していきながらサビでまた疾走するところがツボにはまる。リズムが劇的な上にメロディが不思議な絡みを見せるところがこのバンドの特長だろう。しかしそれ以上に、かわいいオネエちゃんルックスを誇るMelanie嬢の表情豊かなボーカルが実に印象的だ。普段は小ぎれいにサラッと歌いながらも、サビで豹変してヒステリックなデス声になるところが実にユニークで個性的。心の準備なしで聞くと、突然の変わりように、どぇぇ〜っ!?と感じるだろう。

クサレポイント

隠れた名作とも言える本作リリース後はレコーディングを繰り返すも1999年までアルバムリリースには恵まれなかった。一部メンバーでSAND LIQUIDと改名して活動を続けている。ギターのJorg Schrorは後にベーシストとしてGAMMA RAYのツアーに参加している。



NORDEN LIGHT / Shadows From The Wilderness / 1987

元MENTZER〜SILVER MOUNTAINのヒゲオヤジ、Christer MentzerがSILVER MOUNTAIN脱退後にMENTZER時代の仲間とともに結成したバンド。当時はこのバンドにSILVER MOUNTAINばりのクサクサなメロディを求めてしまってたために、あまりに堂々とした、スケールの大きなメロディアスハードロックに面食らったことを覚えている。久々に聞いて見ると、これがまた売れ線狙いなメロディではなく、時にずっしりと、時にのびのびとした、RAINBOWをほうふつとさせるレベルの高いリズムとメロディに驚かされる。
北欧メタル節が爆発している"No Escape"が特にオススメ。

クサレポイント

日本でもジャケットを犬を引き連れたメンバーショットに差し替えてリリース。「ノーデン・ライツ」ではなくて「ノーザン・ライツ」という名だったらみんなの食いつきも良かったかも。本作のみでバンドは解散したようだがドラムスのMichael Von Knorringはインギーさんのバンドに加入している。




ZAR / Live Your Life Forever / 1990

Tommy Claussが興したバンドのデビュー作。後にCDで復刻されるまでは、ちょっとしたプレミアものだったようだ。かつてREBELとしてアルバムをリリースしたときのシンガー、元LUCIFER'S FRIEND〜URIAH HEEPのJohn LawtonをZARのフロントマンとして迎えたのは大正解だ。Tommyのギターから流れるメロディアスなリフがJohnの声に実によく合っていて、伸びやかな曲展開と相まって奥行きのあるサウンドに仕上がっている。華やかなギターソロや派手なドラミングはないけれど、だからこそじっくりと聞かせるホンモノのハードロックが一杯つまった作品。"Cry Of The Nile"や"Fire And Ice"のカッコ良さはどうしたもんだろう!

クサレポイント

聞いていて上手いなぁ〜と唸らざるを得ないJohn Lawtonは残念なことに本作リリース後に脱退。バンドはこの後も活動を続けたが、3rdアルバムでJohnはゲスト参加している。