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KIX / Cool Kids / 1983

アメリカのAC/DCの異名をとった彼らもキャリアは長い。音の太さの点で本家に劣る感は否めないが、スピリットを貫き通す姿勢はそのまんまで、「ロックバカ一代」なバンドとして、キッズはこういうバンドを今も昔も保護する必要がある。タテノリのほかにも当時のブリティッシュロックっぽい軽めサウンドも聞けたりする一枚。

クサレポイント

こじんまりした作品ながら定評のある本作は、KIXのなかではやはり少しおとなし目の感がある。それでも"Mighty Mouth"あたりの爆発ぶりには、首を振らずにおれないのだ。



RAZORMAID / First Cutt / 1987

ジャケ買い、バンド名買いのどちらであったとしてもアタリなバンド。ブ厚いリズムギター、ユニゾンで絡むベース、情緒豊かな表情を見せるメロディなど、まさに正しい80年代型のアメリカンハードロックの姿を見せつける"Sooner Or Later"の一曲がこのバンドのすべてを語っている。ツインリードでメロディをふりしぼるあたりも琴線を大いにくすぐられる。彼らが聞かせたかったメロディは実に優れていることは音を聞けばすぐに分かるのだ。

クサレポイント

聞き込めばこのツインリードでハモリながらソロにつなげていくという展開が実に爽快であることに気がつくだろう。本作しか残さなかったようだが、実にもったいないと思う。



DISCIPLES OF LOVE / S.T. / 1991

これはもう、思いっきりわかりやすいサウンドで、ズバリDEEP PUPLEなのだ。キーボードのリフが主体なあたりは、このバンドがかなりDPに入れ込んでいることがよくわかる。ソロのパートではそっくりでニヤリとさせられることがしばしば。こういうときのためにも、メジャーものはしっかりと聞いて己の琴線に覚えこませておく必要があるのだ。いつの時代もハモンドの音色というのはカッコよくてガツンときますなぁ。見かければ即買いものの一枚。

クサレポイント

ガマンならなかったのかラストでDPの"Lazy"をライヴバージョン的にカバー。これまた軽めではあるが余裕コピーのマニアぶりだ。




STAIRWAY / No Rest - No Mercy / 1993

1993年リリースのデビュー作ながら、バンド自体は80年代から活動を続けており、JUDAS PRIESTの影響下の音とNWOBHMのスタイルを徹底して貫いている本作は、全編に渡って誇り高き英国のメタルを自分たちの肩上に高々と掲げている音で満たされている。ドタバタとしたドラムス、どこか自信なさげなボーカル、細々としたギターソロ、リフで固まったメロディも、メタルを愛するものには許される範囲である。デビュー後も紆余曲折ありながら今も活動中

クサレポイント

ジャケットのイラストはRodney Matthews。彼はこのころはあまりメタル系のイラストを描いていないが、STAIRWAYがクリスチャンバンドだからということで書き下ろしたそうだ。