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PROBE / We Come In Peace / 1984

ジャケットのイメージどおりスペイシーなノリを聞かせながらも、クラシカルでシアトリカルなNWOBHMのスピリットが充満している作品。とにかくメロディが一筋縄でなくヘンテコなのだが、それがまた個性となっている。"The Devil Went Down To Georgia"なんて、「ドレミの歌」まで飛び出す、実にクサいクラシカルなメロディのリフが満載。4人というメンバーの数ゆえに音の薄さはいかんともしがたいが、これはマニアにはかなりの掘り出し物だ。4曲収録のミニアルバム、もっと聞いてみたいと思わせる一枚。

クサレポイント

もっと聞いてみたいのに残念ながら本作のみで姿を消した謎のバンド、う〜ん残念!。



LETHAL / Programmed / 1990

安っぽいジャケットと中身は正反対。QUEENSRYCHEやCRIMSON GLORYっぽいハイトーンボーカルにテクニカルな演奏陣、決して小難しい展開ではなくてガッチリとリズムを固めた正統派メタルが次々と流れてくる名作だ。3連のリズムでヘヴィに畳み掛けるリズム隊をバックに疾走し続けるボーカルとギターが爽快なオープニング曲がオススメ。

クサレポイント

このあとはミニアルバムとフルレンスアルバムを一枚ずつ残して解散。ボーカリストは新しいバンドを立ち上げようといろいろ画策中のようだ。



CRAAFT / No Tricks - Just Kicks / 1991

ドイツのバンドだがメロディにドイツくささはなく、アメリカンハードロックに憂いのカーテンをかけたような曲が並んでおり、BON JOVIっぽいのもあり、オルガンハードな曲もあり、ツーバスでドカスカと攻める曲もありで、メインストリームな音作りながらバラエティに富んでいる。ブ厚いコーラスに野太いリズムとハモンドオルガンが絡む曲の方が彼ららしい逞しいハードロックに仕上がっているように感じる。それでもギターにはSCORPIONS、FAIR WARNINGに通ずるメロディを聞くことができるのだ。

クサレポイント

BEATLESの"Day Tripper"をカバー、構成もハードロック仕立てにして、ワイルドでラフな仕上がりだ。




COLD SWEAT / Break Out / 1990

KEELのギタリストとして脚光を浴び、その後脱退して自らのバンドを立ち上げたMarc Ferrariが率いるバンドのデビュー作。元はFERRARIという名のバンドだったが、イタリアの車メーカーと同じということで改名を余儀なくされたようだ。COLD SWEATというバンド名がTHIN LIZZYの曲名に由来するとおり、LAで活動しながらもブリティッシュハードロックの持つ湿り気をツインリードに染み込ませている。また、リズムの輪郭がはっきりしていてメリハリが強く効いているのが実に気持ちいいサウンドも彼らの持ち味だ。アーパー能天気なアメリカンハードでない、泣きのツインリードを堪能するにはもってこいの一枚。Marc Ferrariはホントにいいギタリストだ。"Take This Heart Of Mine"を強くオススメ。

クサレポイント

ラストでFOGHATでお馴染みの"I Just Want To Make Love To You"をカバーしているが、このセンスに拍手だ。