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LIZZY BORDEN / The Murderess Metal Road Show / 1987

W.A.S.P.とはまた違ったスタイルのキワモノなメタルという印象のあるバンドだけど、ツインリードを主体にした、IRON MAIDENをお手本にしたようなメタルの王道を突き進むサウンドはW.A.S.P.なんぞよりはるかに逞しい。ライヴアルバムである本作ではシアトリカルなステージショットが満載で、それだけ見ればやっぱりキワモノだなぁと思わせるが、オーバーダブが一切ない、汗がスピーカーから飛んできそうな音は、本作がメタルのライヴ以外なにものでもない熱いステージを物語っている。数あるメタルのライヴアルバムの中でも、真にメタルを愛する者ならトップクラスに置くべき作品。とにかく首は振りっぱなしだ。

クサレポイント

WINGSの"Live And Let Die"をカバー。この曲が潜在的に持つ攻撃的なメロディを自分たちのカラーにうまく染めて演っている。



SIX FEET UNDER / S.T. / 1983

ひずんたハモンドオルガンが存在感を示すスウェーデンのバンド。北欧のDEEP PURPLEと言われたバンドは数多いが、いろいろ聞いたうえでは彼らが一番ではないだろうか。さらにはギターにしてもボーカルにしても70年代ハードロックやブルーズのテイストを盛り込んだ、聞き応えのある一枚だ。リフにギターとハモンドが絡むメロディにめっぽう弱い人には本作は必携品だろう。中間部で笑えるほど劇的に展開する"Loving Man"のパープルテイストには泣きながら悶絶だ。

クサレポイント

SIX FEET UNDERはたしか墓を掘る深さを意味する言葉だったように思う。サウンドのイメージにはちょっと合わないかも。




SIX FEET UNDER / Eruption / 1984

ハモンドオルガンのリフが曲をひっぱる曲で幕を開けるあたりははやくもガッツポーズ。やや洗練された感じはするが、相変わらずリキの入ったハードロックを聞かせてくれるのが実に嬉しい。"Hot Wheel"がこれまたパープルテイストが爆発。とにかく一度は聞いてみて、北欧のDEEP PURPLEの名に違いはないことを耳で感じてほしい。CD化に際してこんなオシャレなジャケットになったけど、オリジナルのアナログ盤は火山をバックにギターを持つ腕を描いたものだった。手放してしまってちょっと残念。

クサレポイント

若さと渋さが同居するノドを持つボーカリストのBjorn Lodinは後にBALTIMOOREを結成、SIX FEET UNDERのスピリットを見事に継承している。ギターのThomas Larssonはギタリストとしてあちこちで活躍、BALTIMOOREでも弾いているようだ。