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EXPLORER / Symphonies Of Steel / 1984

自主製作メタルは、とてつもなくクソなものか隠れた名盤となるかどちらかであると思うのだが、本作はコンセプトアルバムの名作だ。ツインリードをうまくいかしたドラマティックな、しかしクサレなメロディライン、ピアノをところどころにちりばめるなど凝った曲の構成などは百戦錬磨のマニアをも唸らせることだろう。さらに磨きをかければ WARLORDあたりのランクまでいったであろう作品だ。手書きの裏ジャケや歌詞シートなどが涙モノ。
クサレポイント

このアルバムは1985年になって正統派メタルを多く輩出したフランスのBlack Dragonから少しばかりリマスターされてリリースされたが、こちらではバンド名を「EXXPLORER」と変え、ジャケットのイラストと曲順も一部変えるという暴挙にでてしまった。少なくとも曲順はオリジナルのままのほうがよい。



EVIL / Evil Message / 1984

おそろしげなジャケットのお陰で当時買いそびれてしまい、気づいたときにはプレミアなんかついてしまってて慌てて買った思い出深い一枚^^; レーベルがRave-On Recordsだったのを見逃していたのがいけなかった・・・ということで、ギターとドラムスが叩き出す疾走感がたまらない作品だ。全5曲のミニアルバムながら満点の充実度、けっこうみんなお気に入りの一枚じゃないでしょうか。聞き終えると「い〜びょ〜」のコーラスにとりつかれることだろう。
クサレポイント

デンマークのバンドなのに何故かフランスのSORTILEGEとのカップリングでCD復刻されてましたなぁ。妙な抱き合わせ商売じゃなくてオクラ音源とか掘り出して一枚にして欲しかったところだ。



PATRICK RONDAT / Just For Fun / 1989

うひょ〜色男だ!(笑)。普段はサングラスしてる彼なのだが、男前なのですなぁ。フランス人でソロギタリストだった彼は数枚のアルバムを残しているが、すべて歌なしのインスト作。曲はいわゆる疾走系のネオクラシカルなのだが、イングベーさんのような奏法ではなく、強いていえばTony MacAlpineスタイルだ。愛器のIbanezがイイ音だしてますわ。今ではオランダのELEGYのメンバーになっているそうで、驚いた。

クサレポイント

でもドラムスはおっちゃん風。この人はPatrickの友人だったそうだが、2001年に亡くなられたそうだ。R.I.P...。



GRIFFIN / Flight Of The Griffin / 1984

「グリフィン」とはギリシャ神話に出てくる架空の動物。財宝の守り神で頭はワシ、胴体はライオン、前足はワシ、後足・しっぽはライオンで、天空を舞う翼が生えている。中国の「麒麟」伝説のモデルとも言われていて・・・とそんなウンチクはどうでもよいのだ。本作はアメリカのバンドでありながらヨーロッパ志向丸出しの作品として後世に残さなければならないアルバムだ。とにかくJUDAS PRIEST丸出しの音。しかし、これをイイといわずしてどうするのか。。オープニング曲に酔いしれない奴はウソだ。自分が熱い魂を感じとれるメタル人かどうかの試金石なのだ。

クサレポイント

この時のギタリストの一人は翌年にHEATHENに加入してしまうMike Yaz Jastremski。ツインリード体制のGRIFFINの要だった人物だ。



GRIFFIN / Protectors Of The Lair / 1986

谷間の岩陰に邪悪な目が光っている・・・という、彼ららしくオドロオドロしいイメージのジャケだが、前作のクオリティは保たれていない。やはりメインギタリストが抜けたのが痛い。悪い、とは言わないが、とにかく普通のアメリカのパワーメタルになってしまった。それも、EXCITERやMOTORHEADなどから影響を受けすぎて、自分たちがやりたいことの収拾がついてないという感じだ。JUDAS PRIESTっぽさもボーカルにわずかにその影を残すのみだ。

クサレポイント

しかし、怪しげなカルトっぽさを残そうというのはなんとなく分かる。でもこの着ぐるみはどこで買ってきたのだろう(笑)。