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STEEL VENGEANCE / Call Of The Wild / 1985

アメリカのバンドながらレコードリリースはフランスのBlack Dragon Recoedsであったが、音の方も欧州系のメタルになっている。ギタリストがプロデュースも担当しているが、オーバープロデュース気味なのは目をつぶってあげよう。疾走系の曲での彼のギターソロはトリッキーでメロディアス、ブ厚いギターの音はこれぞ漢メタルの証。アメリカンなボーカルがちょっと辛いがバンドとしては十分に合格点だろう。

クサレポイント

こういう、聞いていて「メタルが好きなんだよぅっ!」って音を出すバンドって、最近ほとんど聞きませんなぁ・・・。「聞け! 首振れ!あとは何もいらない!」って音、今では貴重なのだろうか。



MACHIAVEL / Break Out / 1982

ベルギーでは名の通ったベテランハードロック。初期はプログレチックで「メロトロンありのAC/DC」なんてことも言われていたようだが本作では、ややポップなメロディを前面に出していて、アメリカン産業ロックにも通ずるものがある。メロディック派は機会があれば一度聞いてみてもいいだろう。

クサレポイント

ドラマーのMarc Isayeは後にベルギーのDANGERがMausoleum Recordからリリースしたデビュー作のプロデューサーとなる人・・・とはいえそんなマイナーなつながりが気になる人はいないだろう^^;



ACID / Don't Lose Your Dreams / 1989

うヒー! きついジャケットですなぁ。「母さん、オレたち今度レコードデビューするんだよ」「へぇお前、すごいね! で、どんなレコードなんだい?」なんて会話のとき、このジャケットを見せることができたのであろうか・・・などといらぬ心配をしてしまいますなぁ。さてさて、肝心の中身は、これがまた素晴らしいハードロックなのでした。同じドイツのSINNERあたりがもっていた哀愁味をギターのメロに聞き出せる事だろう。3人という少ないメンバー構成ながらかなり良質なアルバムを残しているのだ。恥ずかしがらず一度は聞いてみよう。

クサレポイント

「い、いや、母さん、ジャケットは見なくてもいいから、とにかく音を聞いてくれよ」「おやまぁお前、じゃあPlay Loudで聞かせておくれ・・・」てな会話が続いたことを祈るのみなのだ^^;



DAMIEN THORNE / The Sign Of The Jackal / 1986

80年代にこのアルバムしか残さなかったのにいまだマニアに愛されている幸せなバンド。このバンド名でこのジャケットなので、目指すものはサタニックメタルなのだが、それらしい雰囲気もあるけどドロドロした感じは少なく意外と聞きやすい。演奏力もそこそこテクを持った集団だ。"Grim Reaper"というタイトルの曲があるのだが^^;これもまた良いデキだ。ギタリストの活躍が素晴らしいが、彼の名が「マイケル・モンロー」なのが笑える^^;

クサレポイント

80年代にはこの作品しか残さなかったがカルトなファンの後押して活動を続け、驚いたことにいまだ現役。いまところ3枚のアルバムをリリースしている。



CULPRIT / Guilty As Charge / 1983

初期Shrapnel Recordsではその完成度の高さで人気を誇っていたアルバムだ。正統派パワーメタルであり劇的な展開を聞かせてくれる名作。このバンドは一人一人の力量も高く、特にベースプレイが音全体を引き締めていて素晴らしい。そんな彼らだったのに2ndアルバムレコーディング前にバンドは分裂、ボーカルとギターはMISTRUSTへ、ベースともう一人のギターはTKOへ加入しバンドは解散した。しか〜し、1998年になって突如フルメンバーで復活し、Wacken Open Airへの参加を果たている。

クサレポイント

その再結成CULPRITはこちらで確認できるが、やはり時間の経過を感じざるを得ないルックスですなぁ。このアルバムなみの演奏を今でも聞かせてくれるのだろうか。