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SACRED BLADE / Of The Sun + Moon / 1986

カナダのヴァンクーバー出身のバンド。Black Dragon Recordsで二番目によく売れたレコードとなった本作はコンセプトアルバム。スペイシーかつ劇的な展開がこのバンドのウリで、聞いていても飽きがこない。ゾクゾクとするギターのリフ、美しいツインのメロディ、難しすぎない程度にテクニカルな演奏などなど聞き所は多く、NWOBHMあたりからの影響もちらつかせるから油断ならないのだ。限定でCD化されているようだが、アナログの方が音が良いんじゃないだろうか。多くの人に聞いて欲しい作品だ。

クサレポイント

リードギタリストでリードボーカルのJeff Ulmerがバンドリーダーでもあったのだが、ボーカルはイマイチ弱くアルバムの完成度を下げているのが少し残念。しかしそれとてマニアにとってはアジのあるところになっている。



ATTACKER / Battle At Helms Deep / 1985

分かりやすいバンド名だし通販のカタログなんかには最初の方に出てくる名前なので知っている人も多いだろう。恐ろしいことに(^^ゞ最近CD化されたらしい。アメリカのバンドらしからぬ湿り気を帯びた、ヒネりのあるメタルを聞かせてくれる。ボーカルのBOB MITCHELLの声質が鼻にかかったハイトーンなので、この辺は好き嫌いの分かれるところだろう。

クサレポイント

こんな感じのバカ陽気なアメリカンだけど音はヨーロッパタイプ。聞いてみないとわからないもんですなぁ。



ATTACKER / The Second Coming / 1988

ボーカルがチェンジし、ツーバス命のストレートなメタルになった。リズム隊のゴリゴリとしたバッキングなどはこの時代に流行ったアメリカンパワーメタルそのものだ。こりゃ前作のファンは驚いただろうなぁ。しかしながら注意して聞けば前作のような湿り気のあるメロディも薄いながら残っている。新しいボーカリストはやはりハイトーンだが無難にソツなく歌っているのが少し不満。もう少しクセがあればよいのに。

クサレポイント

このあとバンドは前ボーカリストが立ち上げた新ATTACKERと2ndアルバムのメンバーがそのまま名乗ったATTACKERと二つ存在することになったようで、結局はBOB MITCHELLの方がVYNDYKATORと名前を変えたようだ。



MAINEEAXE / Shout It Out / 1984

いや〜メイニーアックスですよ。NWOBHMの中でもストレートでバカ正直っぽいハードロックってイメージのバンドで、正しくは「MainEEaxe」と表記するのが正しのだけど、どう読んだらいいのかわからないバンドでもあったのだ。「マニアックス」のことなんだろうけど、マニアのみならず広いファン層を獲得していたような気がする。"Run To The Angel"から"Bad Boys"の流れは痛感で、乾いたフライングVの音が心地よい。

クサレポイント

ストレートさがウリなのだが、時にはしっとりとしたメロディで攻めることもあったりして、ホント嫌味のないいいバンドだった。



MAINEEAXE / Going For Gold / 1985

プロダクションの向上により音が格段に良くなったお陰でボーカルまでも巧くなったように聞こえる(^^ゞ フライングVの音もかなりエキセントリックだが、ストレートさはさらに向上し、ヘンなギミックもなく分かりやすい英国産の元気印ハードロックとなった。ライヴを一度見てみたかったバンドの一つだ。"The Score"は典型的NWOBHMチューン、弾きまくるギター、音数多くよく動くベースライン、それについて行くドラムスなど、聞き応え満点だ。

クサレポイント

ライナーノーツとともにこんなポストカードもレコードについていた。手にしている雑誌を見て笑ってしまうのだ。