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BRONZ / Taken By Storm / 1984

キラキラなキーボードが一瞬戸惑いを覚えさせるが、基本は湿り気を帯びたブリティッシュハードロック。NWOBHMの時期は過ぎたころのアルバムだが、このバンドのボーカルはNWOBHMで一番のノドを持っていた元MOBY DICKのMax Bacon。彼はNIGHT WINGに参加したあとこのBRONZに加入したわけだが、渡り鳥は芸達者、の例の漏れずホントに歌が巧い。NEW ENGLANDのカバー曲もある本作は日本でもリリースされた。アメリカ盤はジャケットが違うので二度買いに注意。STAMPEDEの2ndが好きなら気に入るだろう作品だ。Max Baconはこの後GTRに移り成功を収めた。

クサレポイント

ポップでメロディックな作風が続く中、"Night Runner"は疾走間溢れる正統派なハードロック。リリース当時、この曲がラジオでガンガンかかっていて、イントロを聞くだけで学生のころにタイムスリップできてしまう曲だ。このテの音は、復刻云々、耳年増になってしまった今聞いてどうのこうの言うより、アルバムリリース当時にタイムスリップして聴くべき音なのだ。



BEAST / Lonery Night / 1983

70年代を軽く引きずったタテノリ系のハードロック。リズムギターよりもリードギターにその傾向を強く感じる。バンド名の割にはかなりまともなハードロックだ。CBSレーベルからは"Beast"がタイトルとしてリリースされているようだ。

クサレポイント

ジャケットのインパクトはすごいですなぁ。ウ○コ座りでバンド名をペンキで書いております。ちなみに次作はMausoleu Recordsからリリース。こちらでバンドはスケールの小さな大化けぶり(^^ゞをみせてくれてます。



SPARTAN WARRIOR / Steel n' Chains / 1983

NWOBHMの名門Guardian Recordsからのリリース、JUDAS PRIESTあたりに影響されたNWOBHM以外のなにものでもないギターのリフが嬉しい一枚。SAXONのビフに似たボーカルもまた音によく似合っている。"Breakin' Sweat"で聞くことのできる3連のメロとそれにのっかかるギタメロこそNWOBHMの正しい姿なのである。

クサレポイント

あまりに味気ないジャケなので当時は買うことをためらったのだが、実は最も好みの音がつまったアルバムだった。ジャケで損しているバンドです。



SPARTAN WARRIOR / S.T. / 1985

レーベルをこの世界では大手のRoadrunner Recordsに移しての2ndアルバム。メンバーチェンジはないがNWOBHM直結のリフ攻撃はやや後退し、ツインギターの泣かせるメロディをアピールしているアルバムだ。しかし1曲目がミドルテンポなのはいただけない。オープニングは若さに任せて突っ走ってほしいところだ。"French Girl"など良い曲もあるが、デキは前作には及ばない。

クサレポイント

本作は何を間違ったのか日本でもSMSレーベルからリリースされているが、バンド名の表記は「スパータン・ウォリアー」であった。「スパルタン・ウォリアー」であると信じていた私には当時これは事件であった(笑)。



SHOGUN / 31 Days / 1987

TOKYO BLADEとCHINATOWNのメンバーが合体して生まれたのがこのSHOGUN。どうしてまたアジアに由来する名前ばかりつけるんだろう。本作は、不覚にもレアアイテムとなってしまっている1stアルバムに続く2ndアルバム。Jet Recordsに移っての作品だが、ゴージャスな音というか、かなりMTVあたりを意識したような明るいメロディが印象的な作品。LAメタルのようにバカ明るいのではなく、英国産の湿り気もあるから少しは安心。でもTOKYO BLADEやCHINATOWNの音はここにはない。シングルカットの"Cloak And Dagger"はラジオでもガンガンかかってましたなぁ。

クサレポイント

で、どうして31 Dayがタイトルなのか。レコーディングから完成までたった31日間しか時間を要さなかったからというのが正解だそうな。