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CLOVEN HOOF / Dominator / 1988

真にクサレ路線だったオリジナルCLOVEN HOOFからベースのAirことLee Payne以外のメンバーがすべて変わるという劇的な変化を遂げてリリースされた3rdフルレンスアルバム。新しいメンバーのうちボーカルとギターはBUDGIE人脈なバンドだったTREDEGARのメンバーだった人たち。そんなわけで本作はオリジナルCLOVEN HOOFのニオイをかすかに残しながら、本当にカッコよいブリティッシュ・メタルになってしまった(笑)。このリズムにこのギタメロ、アメリカ産のバンドには真似出来ないのよねぇ〜。
クサレポイント

1曲目はBRAINFEVERを思い出させる痛快なド根性メタル。その他の曲もこの路線なのでツボにはまれば抜け出せないアルバム。それもギタリストのAndy Woodが素晴らしい仕事をしているからなのだ。



PARADOX / Product Of Imagination / 1987

初期スラッシュなバンドだが、METALLICA二作目からの影響丸出しなのでパワーメタルバンドとしての評価も出来るだろう。ドイツ臭さはないものの、アメリカンスラッシュのような味気ない音ではない。
クサレポイント

この人たちは裏ジャケ買いだ(笑)。いや、当時マジでこんなルックスしたバンド作りたいなぁと思ったもんです。



TATTO / Blood Red / 1988

シカゴ出身のツインギター編成バンド。とてつもなく平均的80年代スタイルのハードロックを聞かせるバンド。しかしその平均的ってのが実は難しかったりするので、そういう意味でも裏切られることなく安心してエアギターなんぞを弾ける音だ。高音部でもブレないボーカルも気持ちいい。こういうバンドは好きだねぇ。すべての曲が平均的で演奏力も平均的、これが魅力。

クサレポイント

自分が落ち込んでいたとき、このジャケットにはいつも勇気づけられることと、ギタリストの名がグレン・ミラーさんであることもいまだ私には魅力であるのだ(笑)。



HANDSOME BEASTS / Beastiality / 1981

もともとはブルーズロックを基調としたバンドだったようで、NWOBHMが最高潮のときにすでに年増バンドであった。でも彼らのデビュー作がマニアの心の中の開けてはいけない箱の中にしっかりとしまい込まれているのは、ジャケットのインパクトのせいだろう。このオッサンこそこのバンドのボーカリストGarry Dalwayその人だ。裏ジャケにはさらにブタと戯れる写真が16枚も掲載さけていて痛快だ。

クサレポイント

おっと、音が二の次なレビューになってしまったが、元がブルーズだけあってボーカルの枯れた感じの歌い方はそれなりのキャリアを感じさせる。演奏はもっとハードな英国産の湿り気を帯びたロックンロールだ。



HARLEQUIN / S.T. / 1984

しかしじっと見ていると汗がでてくるアルバムジャケットだ。日本でもアルバムをリリースしたことのあるバンドで本作がラストアルバム。どの曲もメロディがハッキリしており、そのへんが日本人の琴線をくすぐるところでもある。ギタリストが意外にハードな音を出しているのも嬉しいところ。メロディック派は彼らのアルバムは全作チェックしておかなければならないだろう。

クサレポイント

だからってこの東洋系の女性のアップはちと苦しい。もっと情けないのはコイツの表情だ(笑)。





YUKI IGARASHI / Bye Bye Boy / 1979

オマケというか番外編というか、そう、このページのボーナストラックみたいなノリで、某所で話題になった記念にこのシングル盤もレビューしてしまおう。五十嵐夕紀さまといえば70年代〜80年代を駆け抜けたアイドル(デビューシングルの写真はホント可愛いんですわ)なのだが、この曲は実はRIOTの「WARRIOR」のカバー曲なのであった! 「WARRIOR」のカバーといえば本城未沙子さまが1stアルバムでも歌っていたが、こちらのBye Bye Boyはそれとは別でさらに古いもの。歌詞は日本語で、「訳詞」と書いてあるがオリジナルの歌詞とは全く違うという内容。リズムもなんだかドンタカドンタカしてて、すっとこどっこいこのやろう!、みたいなノリだ。おそらく音源としてはこのシングルのみなので、気になる人は明日からでも中古レコード屋でアイドル「あ行」のコーナーを探す必要がある。B面の「Get Away」はおそらくCissy Houstonの曲のカバー。Cissy Houstonはあのホイットニー・ヒューストンの母親でもある人だ。

クサレポイント

歌詞は以下のようなものだ。察しをつけて歌ってみましょう(笑)。
ナイフのような眼をしている

あなたがとっても好きだった

なにかに飢えているような

男の匂いに 酔ってたわ

浮気など責めちゃいない

貧しさも楽しかった

夢を忘れた あなたはもう

薄っぺらな シティー・ボーイさ

バイ バイ・ボーイ 私は行くわ

忘れてちょうだい

バイ バイ・ボーイ かわいい女と

暮らしてお行き



あなたがどこかで呼ぶようで

ふりむく都会は 秋の色

あんなに二人燃えていた

いのちの夏は おしまいね

後悔をするよって

街の灯が笑うけれど

牙を失くした 狼には

この命 投げ出せない

バイ バイ・ボーイ 自分にうそを

つけない私

バイ バイ・ボーイ あなたのぶんまで

夢を追うわ

バイ バイ・ボーイ 私は行くわ

忘れてちょうだい

バイ バイ・ボーイ あなたのぶんまで

夢を追うわ