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EF BAND / Last Laugh Is On You / 1981

Ericcson-Fischer Bandがその名の由来だったスウェーデンのバンド。とはいえNWOBHM期に英国で人気があったのでNWOBHMのバンドとしてお馴染みな人たちだ。本作はデビューアルバムだが、英国でウケたというのも納得のブリティッシュ型のハードロック。スカスカなボーカルとドラムスがホンモノのNWOBHMに肉薄する素晴らしさだ。タイトルトラックで聞くことが出来るリフのメロディはNWOBHMの中でもトップクラスのものだと思う。初期LIONHEART、AVENGERといったバンドに似た音が楽しめる。
クサレポイント

このアルバムでは3人だったメンバーは、次作で一人増え、次々作でもう一人増えて最後は5人のバンドとなったが結局一番ノッていた音を残したのは本作だったと思う。最後に加入したAnders Allhageはその後KING DIAMONDの結成に立会い、以降ずっとギタリストとして活躍中。



IDOL RICH / Working Girls / 1985

NWOBHMの時期はとっくにはずしているが、あちこちのカタログではNWOBHMのバンドとしてリストアップされている。自主製作ながら実にスケールの大きな作品だ。憂い・湿り気ともに申し分ないメロディ、4曲だけのミニアルバムなのが少し物足りないが、これはイイものを聞いたという充実感は保証する。メロディック派にはマストアイテム。
クサレポイント

このバンドのギタリストはNick Burr。彼は後にLIONSHEARTに加入し、来日公演にも参加していたのだ。その後にポール・ディアノのKILLERSに参加したあと再びスティーヴ・グリメットとFRICTIONを結成した。



NO TROUBLE / Looking For Trouble / 1985

こんなジャケだけど中身は意外にメロディックな音。ボーカルがキーボードも弾いている。単なるハードポップではなくて二人いるギタリストが垂れ流すツインリードのハモリはかなりクサく、それは激しく涙腺を攻撃するので始末が悪い。安価でお目にかかれば必ずゲットだ

クサレポイント

ギタリストが走りながらも泣いているというタイトルトラックや、イントロから泣かせる"On And On"はそんな彼らの持ち味が十二分に発揮されている。しかし、ジャケットのクレジットでは曲順が間違っているのは何故なんだろう。



TYRAN' PACE / Eye To Eye / 1984

俗に言う「目玉のオヤジ」ジャケで当時は皆に親しまれた作品。彼らのデビュー作であるが、やはりRalf Scheepersのノドが素晴らしい。"Highway Knights"、"Black Leather Beauty"というこのころのジャーマンメタル史に残る名曲が収録されている。ギターとドラムスは元SINNERのメンバーだ。

クサレポイント

ドイツのB級メタルを支えていたScratch Recordsの看板アーティストであった彼ら。RESTRESSがACCEPTクローンといわれていた一方で彼らはJUDAS PRIESTクローンと言われていたが、後々ホントにRalf ScheepersがJUDAS PRIESTのオーディションを受けるとはこのとき誰も思っていなかったに違いない。



TYRAN' PACE / Long Live Metal / 1985
ギターを元SINNERのもう一人のメンバーにチェンジして作られた2ndアルバム。このバンドは一般には次の3rdアルバムの評価が高いが、個人的には本作が彼らの最高作と信じている。ドイツのメタル総本山レーベルであるNoise Recordsからリリースされたアルバムで、1曲目の"Shockwaves"からラストの"Killer On The Highway"まで全くムダのないTrue Metalが詰まっている。まさにタイトルどおり。当時のB!誌の、SINNERとならんで高得点だったレビューが印象に残り、すぐに輸入盤屋で買って聞いてブッ飛んだ思い出の一枚。とにかくライヴが見たかったバンドなのだ。

クサレポイント

ツイン構成のギターの間合いといい、Ralf Scheepersの声質といい、本作リリース後もますますJUDAS PRIESTに似ているといわれた。Ralfのボーカルスタイルばかり引き合いに出されたが、それに負けず劣らずギターの二人の仕事が実に素晴らしい。