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BLACKWYCH / Out Of Contol / 1986

いやもうカスカスな音で低予算丸出しだけど、NWOBHMのエッセンスは十分感じられるし熱いメタル魂もヒシヒシと伝わる作品。てことでアイルランドのバンドだがアイリッシュな旋律は皆無、ひたすらハズレ気味のボーカルと弾きまくりなリフが飛び交っている。とにかくギターとボーカルのリキの入れ具合が天晴れで、巧い下手は関係なし、という精神だ。5人中3人の苗字がJamesだが兄弟なのか?
クサレポイント

B面1曲目のタイトルが"Metal Mania"。レコード屋でこの作品に会ったとき、この曲のためだけに買った思い出が(^^ゞ。ドラムスの手数の多さに驚く曲だ。



BLACKMAYNE / S.T. / 1985

上のBLACKWYCHとよく混同するバンド。Criminal Response Recordsからのリリースだが、このレーベルとEbony Records(またはEbony Music )との関係をもっと研究しなくちゃなぁ。てことで、音の方はリフ中心の英国印メタル。ヘヴィなリズム隊にNWOBHMのニオイを感じるしモコモコした音もマニアには嬉しい。でも根つめて聞くとあちこちにアラが見えるのでさらっと聞き流そう(^^ゞ
クサレポイント

けっこうオヤジっぽい人たちなので、この時点でベテランだったんだろう。アルバムはこの一枚だけのバンドだった。



SAD IRON / Total Damnation / 1983

Page19で紹介したオランダのオムニバスに参加していたバンドのその後のデビュー作。これまたメタル馬鹿な人たちの作品で、マニアなら一度は聞いておかなければならないアルバムだ。ボーカルがかなり歌えていないのもポイント。JUDAS PRIEST、IRON MAIDENといったバンドが大好きであろうことはベースとギターの音で分かる。"Dedicated To Every Metal Maniac On Earth!"のクレジットがなんとも心強い。

クサレポイント

いやぁ、なんて悲しげなロゴマークなんだろう。オニの顔はどこかしらお茶目だが、会社の上司によくいるタイプじゃなかろうか。



OVERDRIVE / Metal Attack / 1983

初期北欧メタルの人気バンドのフルレンスアルバムのデビュー作。1曲目の"Back On The Hunt"は強烈なメロディとオンチなボーカルが全開で典型的な北欧メタル。これが強烈すぎてあとの曲がつまらないのがちょっと難点だが悪くない内容だ。

クサレポイント

北欧メタルのバンドでオンチなボーカルって、たいてい力なくヘロヘロとしたオンチなのが特徴的だ。NWOBHMのオンチなボーカルは力強いオンチだし。でOVERDRIVEのボーカルも音のごまかしが効かないオンチだ。いや、これはある意味ほめ言葉なのだ。



OVERDRIVE / Swords And Axes / 1984

オンチは相変わらずだがこのバンドの演奏ぶりはなかなかのものだ。リズムがカッチリしているしギターソロも聞き応えある。2ndアルバムの本作は少し落ち着いた感じのアルバムで、前作のオープニングのような勢いあるノリが影を潜めているのが少し残念だが優れたアルバムであることには間違いない。ボーカルだってこれはこれで「アジ」のある声だ、と思って聞くことが大事。

クサレポイント

ギタリストのJanne Starkがほとんどの曲作りに関わり、彼自身のギタープレイにも磨きがかかっていて良い仕事をしている。その後バンドは休止と活動とをくり返しているようだが、彼は北欧メタルマニアのバイブル「北欧メタル大辞典」を著述するなど多方面で活躍している。