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BLACK ALICE / No Warning / 1984

Page 50で紹介したオーストラリアのバンドのミニアルバム。フルレンスアルバムだった「Endangered Species」から2曲と未発表曲だった2曲との4曲で構成されている。しかしいつ聞いてもAC/DCのブライアン・ジョンソンを想起させるボーカルのリキみ具合は素晴らしい。こんなマッチョな人だからパワフルなボーカルスタイルなのも納得。
クサレポイント

で未発表だった2曲、"Man Of Metal"と"Hell House"のデキがまた良い。特に後半部で劇的な展開を見せる"Man Of Metal"は一聴の価値あり。



WHITE HEAT / We Never Heard Of You Either / 1989

カナダ産、メロディックハードの王道サウンドが耳に心地よい5人組。クサレには程遠いサウンドながら嫌いじゃない音だが、そのまんまDEF LEPPARDになってしまった"Rollin' With The Thunder"などの曲は話のネタに聞いておいて損はないだろう。ジャケットだけに惹かれて買った人には少々裏切られ感がこみあげるだろうか。
クサレポイント

1曲のみTRIUMPHの歌って叩ける炎のドラマー、Gil Mooreがプロデュース。全曲彼が関わっていたらもう少し硬質な音になっただろう。



MEANSTREAK / Road Kill / 1988

ニューヨーク出身の5人のオネエちゃんのバンド。オンナだからってなめてるとイタイ目に遭うわよ、といわんばかりの音である。ザクザクと切り込むギターとゴリゴリとしたベースが印象的、ハイトーンで伸びやかなボーカルやメロディアスに迫ってくるツインリードも良い感じ。こんなジャケットじゃなかったらもう少し話題になったんじゃないだろうか。メンバーのうちギタリストの2人は後にDREAM THEATERのメンバーと結婚した。

クサレポイント

昔、無人の自動車が感情を持ち人を襲う、って映画がありましたなぁ。このジャケはそれを思い出させます。



DER KAISER / Vautours / 1984

フランスのIRON MAIDENといわれ、リリース当時はあまり日本に入ってこなかったため、Devil's Recordsの隠れ名盤といわれたアルバム。たしかに聞き応えがあり、バカ正直者的なストレートにクサいメロディが後になって再評価されることになった。ベースの音数が多いことと、やや多すぎるかもしれない劇的な曲展開がこのバンドの音を引き締めている。逆にしまりのないボーカリストのお腹と声質がマイナスポイントだろうか(^^ゞ

クサレポイント

フランスのDevil's Recordsはホントにマニアを唸らせるレーベルだ。カタログ番号は「MAD」だし。Mausoleum Recordsの精神をこのレーベルにも感じるのだ



EPSYLON / S.T. / 1985

このバンドもDevil's Recordsからのリリースだがそのクオリティは高い。こういうのをホントに「隠れた名盤」というのであろう。NWOBHM系メロディアス派直系の湿り気を帯びたメロディや2本あるギターの絡みなどはこの時代のメタルを聞き込んだ肥えた耳にもそれなりの説得力を持っている。それに加えてギタリストが繰り出すメロディが独特でかなり面白い。日本人の琴線もくすぐってくれるから見かけたら即入手だ。

クサレポイント

1989年にもう一枚アルバムを残してバンドは解散。ギタリストのFred Rochetteはソロキャリアを経てFIFTY ONESで活動中だ。