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HAWAII / Loud, Wild And Heavy / 1984 元DUECEのギタリストだったハワイ出身のMarty Friedmanがその後に参加したVIXEN(後にALOHAに改名)のドラムスと共に結成したのがその名もズバリのHAWAIIだった。ジャケットのガイコツの頭に飾られたハイビスカスが微笑ましい(笑)。そんな本作はデビュー作に続く4曲入りミニアルバムだがボーカルが代わっている。このボーカルがワイルドでメタルなりきり型であるので聞いていても痛快である。タイトルに偽りなしのトゥルー・メタルが楽しめる。 クサレポイント メロディもこのバンド特有の何かを感じられるほどオリジナリティが確立されている。Marty Friedmanの、ギタリストとしての才能はこのマイナーな作品の中でその原石の輝きを感じられるのだ。わずか4曲、しかしすべて素晴らしい。 |
CASTLE BLAK / Another Dark Carnival / 1986 バンド名もアルバムタイトルもなんだか暗いイメージで、アルバムジャケットも意味不明のイラストだしリリースはフランスのHigh Dragon Records。どんなバンドでどんな音なんだろうと聞いてみるとこれがグラムメタルに近い普通のアメリカンメタルなのでまたまたま驚き。当時日本盤でもリリースされたがジャケットのイラストが差し替えられていた。 クサレポイント GRAND FUNKの"Some Kind Of Wonderful"と、GIRLもカバーしていたKISSの"Do You Love Me"のカバー曲があるものの、これといって聞きどころのないアルバムになってしまった。 |
TROJAN / Chasing The Storm / 1985 Ebony Recordsのオムニバス「Metal maniaxe」へ"Premonition"でエントリーしたのが彼らのデビューであったがその後バンドは沈黙し解散状態であったのをバンド創設者のPete Wadesonがメンバーの入れ替え等で再編成、地道な努力の末にRoadrunner Recordsからフルレンスアルバムをリリースするまでこぎつけた。本作はそんな努力が実った傑作である。タイトルトラックをはじめとして、どの曲もパワー一辺倒でなくちゃんとメロディも聞かせてくれるのが嬉しい。もちろんそのパワーは半端でなく逞しい。こうして日本でもリリースされたが、そのころにはマニアにはある程度名の知れた存在になっていたのである。とにかく一回は聞いておきたいホンモノのメタル。一家に一枚、TROJAN。 クサレポイント Pete Wadesonはその後、時代が求めていた音にあわせるべくスラッシュに近い音作りを始め、TROJANのリズム隊をチェンジし、バンド名をTALIONと改めてアルバムをリリースしたのだった。 |
GOTHIC SLAM / Just A Face In The Crowd /
1989 よく聞いたバンド名だがアルバムリリースは2枚だけだったアメリカのスラッシュ。本作は何と言ってもTHIN LIZZYの"Thunder And Lightning"のカバーがあったとこで話題となったが、スカスカで軽い"Thunder〜"は良くも悪くも一聴の価値あり。ドラムスは後にLAAZ RPCKITに加入した。 クサレポイント そしてこのアルバムのもう一つの魅力はプロデューサーがRAVENのドラマーだったRob "Wacko" Hunter"であることだ。とはいえRAVENらしさは微塵もないのでルナティックな人たちは要注意。 |
RATED X / Rock Blooded / 1983 Friz Randowも在籍していたドイツのサイケロックバンド、BASTARDのベーシストだったCarl Rothertのバンド。タテノリを基本としたハードロックで初期Noise Recordsの中でも人気のあった作品だ。ワンパターンだと言われようがひたすらタテノリなのはAC/DCと同じスピリットが彼らにも宿っているからなのだが、曲がちとつまらないのが惜しい。 クサレポイント 何よりも聞き手の胸を打つのが裏ジャケのドラマーのお姿。「ドラムが好きでしょうがないんだあぁぁっ!」という叫び声があなたにも聞こえてくることだろう。「顔で弾くギタリスト」はあちこちいるが「顔で叩くドラムス」は彼ぐらいではなかろうか。 |