Page 77


S.A.D.O. / Shout ! / 1984

裏ジャケの白黒ストリップショー的ライヴパフォーマンスの写真でずいぶん話題になったドイツのバンド。Noise Recordsからのリリースだったわりにはレーベルカラーとは反対の、ふざけ気味のポップなメロディが印象的だった。ドイツ臭さも不必要にリキんでいるボーカルに のみそれを感じるぐらい。演奏も悪くなくて独創性が表れた器用な音作りではある。
クサレポイント

レコードに同封されていた広告が素晴らしい。「SADO FASHION」って通販のドレスなのだが、何枚売れたのだろう(笑)。



ARTILLERY / Terror Squad / 1986

スラッシュだけどアメリカでも英国でもない、デンマークのバンドだってのが興味深い。ボーカルにしてもギターにしても、アメリカのスラッシュみたいにただ走って終わり、だけではないところが魅力なのだろう。どの曲も曲そのものからカッコよさが染み出ているような感 じだ。しかしこんなアメリカかぶれなジャケットではその魅力も半分も表現できないだろう。それと、ドラムの音だけは国の違いは感じさ せないのがスラッシュという音楽だ、ということもよく分かる。この点は曲の出来・不出来がはっきりしているのがちと残念。
クサレポイント

後期Neat Recordsのリリースというのも興味深い。このころのリリースはたしかにスラッシーなものが多かったように思う。



HALLOWS EVE / Monument / 1988

リリース時、"Spead Freak"というバカバカしいタイトルの曲に爆笑した思い出のあるアルバム。スピード/スラッシュなバンドだが典型的なMetal Blade Recordsのアーティストというべき、愛すべき不器用な音である。

クサレポイント

QUEENの"Sheer Heart Attack"のカバーがあるが、ボーカルの手抜きは許すとして、これが意外と聞ける。というか、これ以外に聞き所もない(^^ゞ。



DARK AGE / S.T. / 1985

アメリカのパワーメタルだが、ヨーロッパのバンドかと思ってしまう構成美を備えたメタルを聞かせてくれるのが嬉しい。ちょっとした掘り出し物で、A面の流れは特に素晴らしいし、B面だってメロディとパワーのコンビネーションが絶妙だ。こういうのを聞くとメタル聞いていてよかったなぁと思えるのだ。てことで本作は捨て曲なし。ヨーロッパではRoad Runner Recordsからアルバムリリースとなった。

クサレポイント

オープニングの"Metal Axe"がインパクト十分。ギターのメロディもトリ肌ものなのだ。



HAMMERS RULE / Show No Mercy / 1984

ややカルトメタルっぽさも漂わせるパワーメタル。こんなジャケだけとスラッシュじゃない。自分たちの世界に引きずり込もうとする努力が音の端々から感じ取られる。しかしこれが聞き応えのあるメタルだから始末が悪い。ゴリゴリととがった音ながらよく喋るベース、70 年代っぽい音づくりで80年代式のソロを決めるギターなど、ハマってしまうとかなり魅力的だ。マイナーレーベルでホワイトヴィニール なのもちょっと得した感があって嬉しい。

クサレポイント

メンバーはこんな人たちで凄いリキの入れようだが、音はなかなか楽しめる。キメで入るギターのハモリなどにもオリジナリティを感じることが出来、メロディック派にもクサレ派にもオススメだ。