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MINDLESS SINNER / Master Of Evil / 1983

ツインリード編成の北欧メタル。キーボードがいなくても力強いメロディアスハードが出来るという見本のような作品。4曲のみのミニアルバムだし全てが素晴らしいわけじゃないが、"Key Of Fortune"で聞くことが出来るメロディラインは北欧メタルの専売特許だ。と、素晴らしい内容にそぐわないこのジャケットは何なんだろう。とにかく剃りこみの凄いことだけが印象的だ(笑)。
クサレポイント

レコードのレーベルに「33回転」の表記があるのを信じて聞けばドロドロとしたドゥームメタルのよう・・・ってこれは回転数の表記ミスだったのね(^^ゞ



OLIVER MAGNUM / S.T. / 1989

無数のウ○コメタルを排泄、いや輩出したことで知られるNew Renaissance Recordsのなかで奇跡の一枚といわれたアルバム。正統派パワーメタルであり劇的な曲展開はツボにはまること必死だ。とにかくギターのリフとメロが素晴らしい。LIEGE LORDや初期FATES WARNINGあたりが好きな人は是非。
クサレポイント

「おりまぐ」なんて略称で呼ばれ、同時にリリースされたCDがなかなか見つからなくって探してました、てな人も多いんじゃなかろうか。



THUNDERCRAAFT / Fighting For Survival / 1984

出だしの"Intro"って曲がさわやかな70年型ロックなので裏切られた感に襲われるも、続く"Taste Of Hell"でオヤジ系クサレが爆発している。Hellの発音といい声質といいVENOMのクロノスそっくりなのが嬉しい。どんなに速い曲でもかなりドン臭いリズムに支配された音作りであり、間違っても疾走感溢れるハードロックなんかではないが、このバンドを愛せるかどうか試されている、クサレへの招待状のような作品である。ちなみにラストの曲のタイトルは"Final"だ(^^ゞ。

クサレポイント

てことでこんな人たちが作ったアルバム。おいおい、普通のオジサンたちではないか!



FIST / Turn The Hell On / 1980

1977年から1978年の間にAXEという名で活動していたバンドが再結成し名をFISTと改めてリリースしたデビューアルバム。もともとはNeat Recordsのアーティストであったが本作は大手RCAからのリリース。これはRCAがTYGERS OF PAN TANGやWHITE SPIRIT、QUARTZと同時に彼らもを青田買いしたかのように思える。ストレートなハードロックが持ち味のバンドで、シングルカットされた"Collision Course"、"Forever AmberやNeat時代のシングルの再録となった"Name, Rank And Serial Number"など、聞き応えのある作品が収められているが、Neat時代の勢いはイマイチ伝わってこない。

クサレポイント

てことでPage 80で紹介したFISTがこのバンドと同じバンドだ、という風に紹介されているレビューを以前はあちこちで見かけた。アメリカのAXEと混同されるのを避けてFISTと改名したのに今度は同じ時期にカナダにFISTと名乗るバンドがあったことまでは知らなかったのだろう。



FIST / Back With A Vengeance / 1982

前作のみでRCAからドロップアウトしたFISTはオリジナルメンバーのKeith Satchieldが脱退してしまったが、どうにかこうにか古巣のNeat Recordsから2ndアルバムをリリースした。基本路線は同じでもこの作品では前作よりもノビノビと演奏している感じが伝わってくる。"Lost And Found"や"S.S. Giro"などの名曲が光り輝いているのだ。また、前作のアルバムタイトルを1曲目のタイトルにするのはユニークなことだった。本作リリース後にバンドは解散するが、Keith Satchieldがメインとなって最近復活したようだ。

クサレポイント

あまり知られていないが、本作にはカラーワックスが存在する。黒盤とはレーベルデザインも多少異なっている。