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LIEGE LORD / Freedom's Rise / 1985

元々はIron Worksからのリリースがオリジナルなデビューアルバム、フランスのBalck Dragon Recordsからもリリースされている。このバンドのことを単にスラッシュメタルとして語るのは間違いである。正統派なメロディとパワーとを持ち合わせていた点でも、この時代に数多く存在していたアメリカンパワーメタルの中で当時自分が聞いたことのあるバンドの中ではトップクラスのバンドだった。ツボを刺激するカッコよいメロデイラインは愛すべきメタルってこういう音だということを教えてくれる。逞しいボーカル、ひたすらメロをタレ流すギター、メイデンばりのベースラインなどなど、いまだに愛聴盤の一枚。SAVAGE GRACEとは友達関係にあるバンドのようだ。そういえば彼らもBlack Dragonからもレコード出してました。
クサレポイント

最初はこの発音しにくいバンド名で敬遠していたが、ものは試しにと聴いてみてびっくり。聴かず嫌いはいけませんなぁ。



LIEGE LORD / Burn To My Touch / 1987

Metal Blade Recordsからリリースされた2ndアルバム。彼らのメロディには彼ら独特のユニークなものを感じるが本作でもそれが余すところ泣く詰め込まれている。ギターが一人メンバーチェンジしているものの、当然ながら前作同様の劇的展開メロディを身上としており、相変わらずのツインリードのキメとバンドの要であるベースのブリブリした感じとが聞き手のツボを大いに刺激する。パワーメタルとテクニカルメタルとスラッシュメタルの良いところだけ抜き出して3倍に膨らませたような音楽性。FATES WARNINGよりももっとスカッとしていてLEATHER WOLFよりもパワフルだ。ここまで カッコよいアメリカンパワーメタルは他にない!(と断言してもよかろう。) A面3曲目の"Cast Out"で早くも失禁、いや失神。
クサレポイント

しかしこのFATES WARNINGみたいなジャケはちょっといただけないかも。良くも悪くもこの頃のアメリカのメタルってこんなのばっかりだ。



LIEGE LORD / Master Control / 1988

ボーカルがチェンジし、ギタートーンにもややウェット感が減退するなどの変化は感じられるが、オリジナルメンバーであるベーシストがいる限り従来どおりの「痒いところはここだろう」サウンドが全編を覆いつくしている。とにかく80年代のアメリカンパワーメタルではトップのバンドだ。押し寄せるスラッシュメタルの波に魂を売り渡さなかったのも素晴らしい。新しいボーカルはブルース・ディッキンソンみたいな声質。A面4曲目でRAINBOWの"Kill The King"のカバーなんぞを演っているが、これは余計だ。

クサレポイント

この作品が今のところ彼らのラスト作品。最近再結成してライヴ活動を始めているらしいがいつまた活動を停止させるか分からない。本作の後、ボーカルのJoseph (Joe) ComeauはOVERKILLを経てANNIHILATORにギタリストとして参加している。う〜ん、芸達者!



BATTLEAXE / Burn This Town / 1983

とてもMusic For Nationからリリースされたとは思えないこのジャケットがマニアの心に刻み込まれているNWOBHMのバンド。本作をリリースする以前の彼らについては、Guardian Recordsからリリースされていた"Roxcalibur"で"Burn This Town"と"Battleaxe"を聴くことが出来る。さて本作は待望のデビュー作であるが、典型的NWOBHMリフの曲ばかりであるもののおとなしくまとまってしまった感じがして、ワイルドさに欠けるというかストレートに伝わるものが少ない。ボーカルもやや力不足。JUDAS PRIESTやACCEPT、MOTORHEADあたりから頂戴した愛すべきメロディが顔をだすのはご愛嬌。

クサレポイント

しかしこのジャケットのままで確かCDで復刻されていたと思う。どうせならレコードジャケットの方がインパクトあるのだ。



BATTLEAXE / Power From The Universe / 1984

前作からドラムスを交代しただけで基本は変わらないが、AC/CDからも頂戴した愛すべきメロディを身につけたようだ。"Coopper Attack"やタイトルチューンはNWOBHM育ちのバンドに染み付いているギターリフが幅をきかせている痛快なメタル。この線で行ってくれればいいんだが、残りの曲が中途半端だなぁ。Chris TroyとTino TroyのPRAYING MANTIS兄弟がバッキングコーラスで参加という地味なこともやっている。

クサレポイント

前作と同じMFNからのリリースだが、本作は帯の美しさでは世界一(^^ゞのFEMSから日本でもリリースされた。バンド名はBATTLEAXEと一単語なのに日本語表記では「バトル・アクス」とされてしまったのは今も昔も疑問なままだ。