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CRUELLA / Vengeance Is Mine / 1989

このジャケットのインパクトが強すぎて、曲の印象が薄れてしまうのがもったいない(^^ゞ。とにかくギターがかなり頑張っているバンドだ。ボーカルがパーマネントメンバーではないのがユニークで、基本は3人という少人数メタルでありながらスラッシュ一歩手前のこの疾走感は魅力的。典型的なアンダーグラウンドなアメリカンメタルだが、独自の世界を持っている。
クサレポイント

U.S.Metal Recordsというレーベルからリリースされたものだが、実はドイツだけでリリースされた作品だったようだ。次作ではドラムスがリードボーカルとなった。



SNAKE / New Light / 1980

ギタリストのPeter Kocherが中心になって1978年に結成されたバンド。とにかく英国のバンドかと思うような泣きのギタメロが強烈なバンドで、"Goodbye My Friend"なんて曲を聞くと、くう〜っと目頭が熱くなるだろう。また、"Hot Night In"で交互に顔をだすドイツ臭いメロとアイリッシュ民謡調のメロ(THIN LIZZY丸出しだったりする)なども聞き手を十分楽しませてくれる。渋〜い70年代型のハードロック、こういうのもメタル愛好家にも聞いて欲しい。
クサレポイント

6人組の大所帯バンドだが、なんとギターが3人いる。一人がバッキングで二人がツインリードのメロを垂れ流すワケだ。トリプルギターでドロ臭いハードロックを聞かせてくれる。



SNAKE / The Second Step / 1981

ベーシストが交代しているが相変わらずのトリプルギターだ。ハードロックアプローチが進んで前作で聞かれたドロクサさはやや薄れ、多少アカヌケたかのようにメロディが明るくなっていて、泣きのメロディがほんの少し減退しているのが残念だが、それでもTHIN LIZZYっぽい部分はまだ残っている。そのメロディが出てくると「きたきた〜」なんて思ってしまうのがいいですなぁ。

クサレポイント

本作でバンドは解散となったが、1997年になってPeter Kocherはバンドを再結成させ、いまでもドイツ国内で活動を続けているようだ。



HYTS / S.T. / 1983

アメリカのバンドだがカナダのバンドがもつクサみを感じる。小気味良いツインリードのギターやサミー・ヘイガーに似ているといわれたボーカルスタイルがそう思わせるのだろう。カナディアンハードロックの疾走感を感じさせるのだ。日本でもリリースされたが、何故か邦題は「地獄のフィッツ」、KISSとは何の関係もないのに。

クサレポイント

BON JOVIと同じ週にデビューしてしまったお陰で彼らにはほとんどスポットライトが当たらなかったらしい。もう一枚アルバムをリリースした後に活動を停止させてしまったのが残念だ。



WAR MACHINE / Unknown Soldier / 1986

ジャケットのイメージとは違い、テクニカルメタルな音を聞かせようとする努力が凄まじいメタル。変則な中にスラッシーなバッキングをも聞かせるギターの豊富なアイデア、ベースのブリブリとした音数の多さ、ドラムスの「モタリ」か「タメ」かを聞き手に判断させない強引なリズム、一人わが道を行くかのようにか細く朗々と歌う女性ボーカルなどなど、ここまで徹底すると立派だ。そんな彼らが1983年から1985年にかけて作った曲をまとめたアルバムが本作なのだ。

クサレポイント

リリースはNWOBHMの名レーベル、Neat Recordsから。しかしNeat Recordsもこういうアーティストを囲っていたんだからずいぶん懐が深かったといえるだろう。そんなレーベルつながりのお陰だったかどうか、ギタリストのSteve Whiteは1991年に"War Maniac"のニックネームでVENOMに参加している。