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CROSKILL / Escape Into Fantasies / 1991

元々は5人組だったバンドだが、幾多のメンバーチェンジを経てアルバムリリース時には3人しかメンバーが残らなった。スケールの大きなプログレメタルを目指していたのは曲を聞けば分かるが、いかんせん3人で演ってるだけに音のショボさは否定できない。4畳半の部屋で演奏しているかの如き音の広がりのなさと、救いようのない音痴ボーカルはこのテのバンドには辛いものがある。ただそういう状況を差し引いて聞けば、なかなか才能あるバンドだと思える。変拍子に明け暮れるリズム隊よりも表情豊かなギターのメロは捨てがたい魅力を感じるのだ。
クサレポイント

それでも本作でそれなりの好評を博して数年は活動を続けたが、今ではメンバーは別々になり違うスタイルの音楽に身を置いているそうだ。



KRAKEN / S.T. / 1983

カナダの3人組が1983年に残したデモテープの音源を1996年ごろになって誰かがブートでリリースしたもの。レコード盤の色違いが何色か用意されているというものだった。カナダのバンドではあるが、音はNWOBHM丸出しの正統派メタルで、カッコ良いフレーズもあちこちに飛び出してくるからたまらない。ブートゆえに音質の悪さは目をつぶらなくてはならないが、聞いていると耳が慣れてきてそう苦痛には感じない。プロデュースがANVILのLips氏なのも話題だった。
クサレポイント

う〜ん、 すごいパーマ (^^ゞ まるでデビュー当時のRODSのような面構えだから正統派な音なのも納得。"Kill The King"という曲があるが、意外なことにカバー曲ではない。でも紛らわしさを狙ってたんだろうな。



BLASPHEME / S.T. / 1984

良質な80年初期型のハードロック。ストレートで憶えやすく、それでいて適度にハードであって変に凝りすぎない曲調は好感が持てる。バラードで始まり盛り上がる曲もあったりなんかして工夫を見せているのがいじらしい。ベースがギターのラインと一緒にメロディを奏でる点でIRON MAIDENと比較されたりするが、もう少しポップな感じがする。

クサレポイント

ただ、全曲フランス語なのは構わないがフランスのバンドは何故にみんなハイトーンなボーカルなんだろう。このバンドも男前なボーカルながら時折思い出したかのように発する限界超えの素っ頓狂ハイトーンは苦笑ものだ。



BLASPHEME / Desir De Vampyr / 1985

前作に比べてよりメタルっぽくなった作品。またまた全曲フランス語ながら、曲構成やベースランなどに耳を傾けると、なるほどこれならIRON MAIDEN云々と言われる訳だ、といった感じ。素っ頓狂ハイトーンボーカルの涼しげなうたいっぷりはそのままだが、バッキングがヘヴィになったからだろう。多少凝ったところもあるが、もともとストレートにハードロックでガンガン、といった路線の人たちなので期待は裏切らない。

クサレポイント

それにしてもこのふざけたジャケットは予算の都合とはいえ少々がっかり。最近再結成したらしいんだけど、その後どうしてるんだろう。



HERETIC / Breaking Point / 1988

Metal Blade Recordsはろくでもないバンドから後世にその名を残すバンドまで様々なバンドを輩出したが、このHERETICは優れたバンドだといえるだろう。リーダーのBrian Korbanのソングライティング能力の高さに唸らされるし、こういうパワフルで男らしいボーカルとコーラスはこちらのメタル魂を強く揺さぶりますなぁ。とりあえずオープニングの"Heretic"はマスト曲だろう。

クサレポイント

そのボーカリスト、Mike Howeは後にMETAL CHURCHに加入。入れ替わりにMETAL CHURCHを飛び出したDavid WayneはこのHERETICのBrian KorbanとベースのDennis O'haraを誘ってREVERENDを結成するなど、人脈はかなり入り乱れていたようだ。