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BRAINSTORM / Overkill / 1984

4曲入りミニアルバム、Wishboneからのリリース。意外とキャッチーなメロディもどことなくマイナー臭さを感じてしまうところがこのレーベルの強みであろう。全曲ドイツ語なのが怪しさを増長しているのだが、作品としては一聴の価値あり、だ。憶えやすいメロディに乗っかるツインリードの疾走感やリフの力強さが印象的で、イントロでつまらない曲だなぁと感じても、サビではつい鼻歌がでてくる自分に気づくだろう。A面もオススメだがB面が特に必聴モノ。
クサレポイント

タイトルチューンの"Overkill"がドイツ語だと「オ〜バ〜ケェ〜」に聞こえるのが何とも「ネタ仕入れた感」に満たされて幸せ(笑)。



SIEGES EVEN / Life Cycle / 1988

こんなジャケットながら中味はバリバリの超絶テクニカルメタルだ。このテのバンドはヘタするとスカスカなスラッシュと紙一重になりがちだが、彼らがそうでないことは重量感のある計算されたメロディが証明している。速いパートでもヘヴィであり実にカッコよいのだ。ベースがギター以上に音数が多いのも凄い。ドラムスとペースを担当していたHolzwarth兄弟が叩き出すリズムは強烈だ。このタイプの音には好き嫌いあるだろうけど、ジャーマンメタルをさまようと必ず出会うバンドでもあるので、ストレートなメタルが好きな人でも一度聞いておいて損はないだろう。ドラムスのAlex Holzwarthは後にANGRAを経てRHAPSODYに加入した。
クサレポイント

あえていえばボーカルが少し弱い。パワー不足だなぁと思っていたら、他のメンバーは19歳なのにボーカルだけ34歳だったらしい(笑)。そもそもどういう出会いがあったんだろうねぇ。



WHITE TIGER / S.T. / 1986

KISSのギタリストだったMark St.Johnのバンド。ボーカルのDavid DonatoはBLACK SABBATHにも在籍していたらしい。Markはここぞとばかりにギターをギンギンに弾きまくってるが、これがなかなか素晴らしいのだ。元KISSの肩書きにはこだわらず聞いて欲しい一枚。

クサレポイント

そもそもクサレ偏重の私としては聞くタイプの作品ではなかったのだが、久々に引っ張り出して聞いて唸ってしまった。Mark St.Johnのギターってこんなにカッコ良かったのねぇ。



HAYWIRE / Private Hell / 1990

表ジャケはともかく、裏ジャケの短パンにモッシュスタイルなメンバーショットを見てしまうとまず買わないだろう作品だが、音のほうはまるっきりハードコアでもなければまるっきりメタルでもないという困った作品。ギターのメロやベースラインはそこそこメタルなんだけど、まるでドラム缶を叩いているかのようなスネアの音や工夫がなくてつまらないボーカルが何ともパンクスタイルだ。ハードコアのニオイを少しでも感じるだけでアレルギーを引き起こす人は聞かないほうがいい。

クサレポイント

しかしながらMOTORHEADのカバー曲"Bomber"がなかなかカッコよいからさらに困ったもんだ。この路線でガチッとキメて欲しかった。といっても曲が良いからなんだろうけど。



TEASER / S.T. / 1978

少々昔の作品ではあるが、ジャケットに登場するこのギタリストこそAdrian Vandenbergその人なのである。ここでは「Adje.v.d.Berg」と表記されているのも興味深い。さてさてバンドのカラーはというと、全曲彼の作品だが、ポーカルがPaul Rogers唱法なので「田舎のFREE」といった感じだ。まるっきり70年型ハードロックであり、曲そのものには後のVANDENBERGの姿は見えないものの、ギターソロのフレーズなどはやっぱりVandenbergが弾いてるんだなぁと感じるのだ。

クサレポイント

本作は最悪なジャケットに差し替えられてCD復刻されているので音源はたやすく入手できるだろう。中には"Don't Break My Heart"などというタイトルもあってニヤリとさせられる。裏ジャケが 微笑ましい (^^ゞ