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ARAKAIN / Thrash The Trash / 1990

今やチェコのベテランバンドのデビュー作で分かりやすいタイトルどおりドカスカなスラッシュ。しかし軽いのはドラムのリズムだけで、ギターのリフなんかは曲によってはまだ聴くに耐える範囲。ボーカルも地声と裏声の間をフラフラと走るトーンが妙に耳に残り、これが持ち味なのかと思わせてしまうところが気に入った。A面ラストの "Ne !" はなかなかの力作なので一度は聴いて、ネ!(笑)。
クサレポイント

このテのジャケは好きなもんですぐに食いついたもんだが、時代がもう少し早ければ正統派パワーメタルだったんだろうなぁ。現在も活動中なのはご立派。



LE GRIFFE / Fast Bike / 1983

基本はブギーなNWOBHMだが、ギターに英国産のメロディを感じることが出来て聴きやすい。ボーカルがやる気なさげにけだるく歌っているんだけど、いい意味でそれが味になっている気がする。でもデビュー作なんだけど3曲しか収録されていないので何とも評価しがたいという意見もごもっとも。この後もう一枚3曲収録のミニレコードをリリースしている。
クサレポイント

ジャケットも音も愛想がないが、メロディは少し心にひっかかるものがある。オクラ音源等をまとめてCD化されそうな人たちの筆頭だろう。



LE GRIFFE / Breaking Strain / 1984

彼らの3作目で一応はLPアルバムということでリリースされているが、これも5曲しかない。かつてのブギー色は後退しNWOBHMのバンド独特のリフとメロディで曲を固めるバンドに進化している。このテのツインリードのメロディはNWOBHMの専売特許ですなぁ。

クサレポイント

もともと強面 だったベースのKev(Kevin) Collierはこの後ツッパリメタルで日本でも一部人気を博したROGUE MALEへ移籍。何だか妙に納得(^^ゞ。



RIO / Borderland / 1986

デビュー当時BOMBAYと名乗っていたバンドであるが、実はJon NeilとStave Rodfordのユニットバンドだ。「86年ロックシーンに”さわやか革命” ハードさ ちょっぴり、ポップさ めいっぱい。RIOが贈る青春という名のロック 第一弾」という、虫歯になりそうな甘いタタキ文句がみんなの失笑をかった作品ではあるが、アメリカン産業ロックに英国ロックの湿り気をまぶしたメロディックハードの佳作であることは間違いないだろう。シングルカットの"Don't Wanna Be The Fool"をはじめとして、メロハー愛好家たちにはたまらない作品がたくさん収録されている。

クサレポイント

Music For Nationsからのリリースではあるがメタルな雰囲気は微塵もなく、タタキ文句にあるようなイメージでアメリカに進出していった彼らではあったが、むしろ地元英国や日本で話題になったバンドだった。



RIO / Sex Crime / 1986

Nikki Diamondという名の知れたモデルさんを使ったこのジャケットで彼らは前作のイメージをひっくり返した。おかげでリスナーもひっくり返ったのだった。こんなのレジに持っていけないですわな(^^ゞ 彼らのセールスポイントでもあった、明るい中にも憂いを残す湿ったメロディは変わらないが、ボーカルにしてもギターのトーンにしても前作に比べてワイルドさが増している。意外なことにギターソロで弾きまくる展開が聞ける曲があるのも驚きだ。

クサレポイント

とはいえ、このジャケットでは「これはあのRIOの作品なのか!?」ということばかり話題になったのが実のところだった。前作路線の"Atlantic Radio"がシングルカットなのもちょっと中途半端だったかも。