A side |
1. In the middle of the forest |
||
B side | 1. Song for loser 2. Scar in the depth of my mind 3. Legacy |
||
Rune Hansen : Guitar Sven Kaare Sunde : Lead & Backing Vocal , Bass Torbjorn Dybsand : Drums , Percussion , Keyboards |
ト−タルで50分を超える収録時間からもわかるように、このアルバムはデモ音源であるものの、すでに完成されたアルバムとしても充分通用する。中世のヨーロッパを舞台に繰り広げられるストーリーをコンセプトに、各曲ともバランスよく並べられており一気に聴いても50分という長さを感じさせない。 A-1は、ハードロック然としたパワー溢れる展開と、北欧のバンド独特の叙情性に満ちたメロディとが見事に融和した、まさに隠れた名曲といえよう。A-2はポップなイントロで始まるも、中間部の展開はやはり北欧の哀愁あふれる泣きのメロディを聞かせてくれる。B-1は流れるようなメロディラインが印象的なアップテンポな曲、サビの部分が頭に残り、印象深い。B-2も幻想的なピアノの音と哀愁味あふれるメロディはハートに訴えかける力を持っている。そしてハイライトは16分を超える大作のB-3、静かなイントロで始まり、まるで物語を読んでいるかのような展開でリズムの強弱をバランスよくならべたメロディが次から次へと流れ出す。それはまさにHRの手法とプログレッシヴロックの手法が見事に合体した姿であって、実に聴き応えのある一曲といえる。 全ての曲の作詞・作曲・編曲・プロデュースはTorbjornによるものである。彼について少し述べておこう。彼は前述のとおり、マルチプレイヤーぶりをこのアルバムで発揮している。8歳のころからドラムをプレイしており、10代のころにはすでに数々のアマチュアバンドで Judas PristやDioの曲をカバーしていたようだ。「ドラムス」が彼のメインパートであるが、このアルバムで聴くことの出来る、実に表現豊かなキーボードプレイについても特筆すべきものがある。 例えばA-1で延々とメロディを奏でるキーボードプレイや、16分を超える大作のB-3での音色豊かなキーボードは、それぞれの曲において重要な役割を果たしている。驚くべき事にこれらのキーボードプレイについては、彼は全く独学的に学んだとのことで、専門的には学んではいないということ、つまりあくまでドラムスがメインであり、キーボードはサイドワークであるという点である。 このような才能溢れるミュージシャンが作り出した作品は、世に出てしかるべきであり、「ディールを与えなかった」ヨーロッパのレコードレーベルたちは、まさに「見る目がない=Blind」であったと思わざるを得ない。 ブートレッグCD
|