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SAINT / Too Late For Living / 1988

アメリカのクリスチャンメタル (実はそんなことはどうでもよいのだが)で、とにかくJUDAS PRIESTそっくりなことで その名を知られているバンドの、デビューミニアルバム"Warriors Of The Sun"、1stフルレンス"Time's End"に続く2ndフルレンスアルバム。本作1曲目のタイトルトラックでもいきなりJUDAS PRIESTが乗り移ったようなメタルが爆発している。バイクの音まで入っててそりゃもうエゲつない。とにかく高音部のシャウトがそっくりなボーカリストは世の中にたくさんいるが、このSAINTのボーカル、Josh Kramerは中音部がまるっきりロブ・ハルフォードなのである。高音シャウトに入る直前の、喉の奥から声を絞り出しはじめた声、である。ここまで似ている声を他に知らない。一度聞いたら笑ってしまうだろう。1988年といえば本家JUDAS PRIESTが"Ram It Down"をリリースした年。そんなときに彼らはまるで"British Steel"のようなアルバムを作ったのだ。JUDAS度を楽しめる点でも衝撃的だった"Times End"アルバムも素晴らしいが、アルバムとしてのまとまりや楽曲の完成度では本作のほうが楽しめるだろう。B面2〜3曲の流れも背筋がゾクゾクするぞ!

クサレポイント

「ロブそっくりだけがオレたちの売りじゃないぞ」とばかり、ギタリストもかなり頑張っている。それはB面1曲目がインスト曲であることが物語っている。このスリリングで良質なメタルもまた彼らの持ち味なのである。



STRUT / Unlimited Access / 1988

美形アメリカ人が4人集まったバンド。メジャーを目指した素直でストレートなハードロックは好感がもてる。MONTROSEの"Rock The Nation"をカバーしていることで、彼らのルーツが分かるだろう。"Will You Keep Me Rockin'?"で聞けるフックの聞いたボーカルや手数の多いドラムスもポイントが高い。

クサレポイント

1曲目の"Leaving It All Behind"を聞いて卒倒した! KING KOBRAの"Ready To Strike"のギターイントロとそっくりだ! いや、もっとチープにした感じではあるが(笑)。



CONVICT / Go Ahead... Make My Day / 1985

オンチなボーカリストがリーダーとなっているカナダ3人組。"Metal Warroir"や"Bloodsucker"といった佳曲もあるが、ほとんどはミドルテンポでイマイチ盛り上がりに欠ける。ボーカリストはきっとロブ・ハルフォードが好きなんだろうこと はヒシヒシと伝わるアルバムである。

クサレポイント

このジャケットイラストはなんだか初期FATES WARNINGやLIEGE LORDを思い起こさせるが、あんなには正統派アメリカンメタルでもないのだ。ちなみにリリースはオランダのRoadrunnerである。



IMPALER / Rise Of The Mutants / 1985

いやぁヒドいジャケットだ。音もジャケット同様だから期待は裏切らない。4曲入りのミニアルバム、アメリカの4人組だ。サタニックなイメージを押し出したスラッシュなノリで、曲そのものは悪くないが音質の悪さには驚く。1曲目の"Shock Rock"はひょっとするとイイ曲かも。

クサレポイント

ジャケットの男はボーカリストだが、裏ジャケではもっと恐ろしい姿を拝める。でももっと怖いのはもうとっくにイッてしまってるドラムスなのかも知れない(笑)。



DAWSON / Sattenkaaren Talla Puolen / 1982

キーボード入りツインリード構成の6人組・・・なのに基本的にタテノリロックだ!これなら3人でも間に合うじゃないか。と思いつつ、実はB面1曲目のタイトルトラックのみ突然大変身のハモンドオルガン鳴りっぱなしツインリード泣きまくりの超絶様式美ハードロック!この曲実はあの"Over The Rainbow"のカバー曲で、当然インスト。しかし本家RAINBOWだってここまで泣き泣きな仕上がりに出来はしまい。この1曲のためだけにでもメロディック派にはこのアルバムは買いだ。ということで、その他の曲もよくよく聞けばタテノリながらメロそのものは泣きを取り入れている。

クサレポイント

当然なのだが、インスト以外すべてフィンランド語で歌われている。しかし、英語以外の歌詞ってたいていスペイン語にきこえてしまうのは何故なんだろう(笑)。あちこちで巻き舌が入っているのだ。



PLATINUM / Iceman / 1990

ドイツのバンドだが、音は実に正統派なアメリカンハードロックだ。ボーカルもそこそこ歌える人だしコーラスもバッチリだ。ベーシストのウデもよくプリプリと鳴るベースラインも聞いていて気持ちがいい。Q5やKING KOBRA、WHITE WOLFあたりをクサらせた感じで、なかなかの掘り出し物だ。

クサレポイント

ルックスがコレなので、パーティロックである危険性もあった(笑)のだが、勝負に出て正解な作品だ。