Page 12


WORLD WAR lll / S.T. / 1985

ディオ唱法で高らかに歌うボーカリストが印象的な4人組。正統派な、オーソドックスなメタルでいい意味で安心して聞ける。ギタリストもそこそこの実力がありそうな感じでギターソロにオリジナリティを感じることができるだろう。"War Is Hell"や"Call Of The Wild"はなかなかの名曲だと思う。

クサレポイント

のちにあのジミーベインらのベテランがサポートしたL.A.のW.W.lllとは別バンドのようだ。こちらはフランスのAXE KILLERからのリリース。このレーベル、スバ抜けて凄いバンドはないけどこのバンドのようにイイ線いってるバンドを輩出していた。



VYPER / Afraid Of The Dark / 1985

綴りが違うのが分かるとおり、もちろんブラジルのVIPERとは別バンドだ。"Prepared To Strike"と題されたフルレンスアルバムリリースの後、別にこのミニアルバムをかのGreenworldに残している。A-1とB-1は未発表曲、B-2はファーストアルバムのカセットのみ収録されていた曲。この中で悶絶ものはB-1の"Time Flies"。正統派の音の壁がこれでもかと攻めてくる。フルレンスアルバムが気に入った人ならこちらの曲も是非聞いていただきたい。

クサレポイント

ここには既発曲として"Diamonds"が収められている。こちらもなかなかカッコよい曲なので、前述の"Prepared To Strike"アルバムもオススメだ。



PANDEMONIUM / The Kill / 1988

このバンドも名前だけなら知っているって人はけっこういるのではないだろうか。このアルバムを入れて3枚ほどアルバムをリリースしているし、アラスカ出身のバンドってことでも当時話題になった。この当時のアメリカのメタルではLIEGE LORD、HELLSTARとこのPANDEMONIUMがホントの正統派メタルを後継してるバンドだと思っていた。いま聞きなおしてもそれは間違いでないことが分かる。

クサレポイント

しかしこのジャケは凄い^^; 音と正反対というか・・・。でも何故か見つけたとき嬉しかった一枚だ^^;。



OVERKILL / Triumph Of The Will / 1985

なんて名前だ。もちろんあのOVERKILLとは別のバンド。どちらもアメリカのバンドだからややこしい。けれどこちらはかなりクサったメタルを聞かせてくれる。ややパンクがかっているかなと思うベースラインは気になるけど。

クサレポイント

モーターヘッドをお手本にしたかのようなラウド音には好き嫌いが分かれるところ。ギタリストも満足にリードを弾けていない。だから、万が一でも間違ってあのOVERKILLの知られざるアルバムだと思って買ってはいけない。



JUGGERNAUT / Trouble Within / 1987

まず、見つけたら即買いだ! 1曲目から変拍子を取り入れた、首がちぎれ飛んでいかんばかりの超速メタル。とにかくリズム隊がすごい。すでに手数の多さで聞く者を圧倒している・・・。しかしそれもそのはず、このときのドラマーはいまや世界一のドラマー(と私は思っている)、Bobby Jarzombeckその人なのだ。実はこのアルバムレコーディング時に既にRIOTへの参加を決めていたようだが、バンド最後の仕事としてこのアルバムの製作に立ち会ったようだ。ライナーノーツにRIOTのメンバーへのSpecial Thanksが載っているが、このアルバムリリース直後に、MARK EDWARDSと交代でめでたく加入したRIOTでの最初のアルバム、"Thundersteel"でもJUGGRNAUTへのサンクスが載っているのである。

クサレポイント

このアルバムはかのMetal Bladeからリリースされている。このレーベルもDEMON FLIGHTみたいな真性クサレがあると思えばJUGGERNAUTのようなテクニカルクサレもあったりで、節操のないレーベルだ。



OXENKILLER / Monster Of Steel / 1987

なんだかこのページはアメリカのアーティストばっかりになってしまった・・・から、あせった訳ではないがこのバンドはフランス出身だ。間違って「奥さんキラー」と呼んではいけない。素っ頓狂なハイトーンを時折きかせてくれるボーカリストはおそらくロブ・ハルフォードが好きなのだろう。彼の才能の範囲内で歌っている、ロブを意識したボーカルは聞いていて微笑ましい。"Stress"って曲ではもうロブ本人になりきって歌っている。曲そのものはリフ主体でツインリードも聞かせてくれる正統派クサレ。ヴィヴァルディの「四季」をイントロにしたタイトル曲も必聴。ジャケットに貼られたシールの「マーシフルフェイトや初期プリーストのファンはこのアルバムは要チェックだ」の宣伝もあながちウソでないかも。

クサレポイント

この人のパートは不明だが、それなりの格好なのに顔はなんでこんなに普通なのだ!?