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ATLAIN / G.O.E. / 1985

祝・Mausoleum復活、てことで、Mausoleumでデビューアルバムをリリースした彼ら、その後、同じ年にBellaphon傘下のEarthshakerレーベルで本作を残している。基本的にはデビューアルバムと同一路線で、キバって歌うボーカルの音のハズし方が素敵だ。コンパクトながらザクザクの切り出されるギターのリフと鼻先をかすめるクサいメロディはACCEPTに代表されるジャーマンメタルの伝統だ。"Brainstorm"で唸ってもらおう。

クサレポイント

アルバムタイトルのG.O.E.とは"Guardian Of Eternity"の略。縮めてどういう意味があったのだろう。



DEDRINGER / Direct Line / 1981

こうやって日本盤までリリースしたのにあんまりレビューされることがなかったNWOBHMのバンド。あのDERRINGERとよく間違えたものでした(笑)。SPIDERほどストレートではないけれど、ブギーを主体にしながらもヒネリのあるメロディラインで飽きの来ない曲が彼らの持ち味だ。デビューシングルだった"Sunday Drivers" を収録するなど聞き応えはあるアルバムだと思う。

クサレポイント

いやあ、日本盤はオビ付にかぎります。「若き鋼鉄の獅子たちのスパークするメタル・サウンドがいま鮮烈に轟き渡る。」・・・それはちょっと言いすぎかも(笑)。



MERSINARY / Dead Is Dead / 1988

IRON WORKSからのリリースだけあって、クオリティは高いと思う。いわゆるテクニカルメタルであって、タイトルから勝手にデスメタルだと想像してはいけない。基本は初期アメリカンスラッシュのノリだが、ギターがかなり弾きまくる人なので、疾走感はなかなかのものだ。プログレチックなキーポードもそのアンバランスさが逆に効果的だ。タイトルチューンは必聴クラスまであと一歩。

クサレポイント

ホテル前で撮ったのか、メンバーショットは地元のゴロツキレベルのものだ(笑)。



HARRIER / Out On The Streets / 1984

3曲入りのミニアルバム。NWOBHM後期にリリースしたがこの1枚のみのバンドとなってしまった。ジャケのイメージとは異なり、ハードポップ路線のバンドだが、こんな人たちなので「ポップ」なんて言葉はふさわしくないかも。

クサレポイント

曲そのものはつまらないが、2人のリードギタリストのキーボードの絡んだメロディはなかなかカッコよいものがある。



WILD STRAWBERRIES / S.T. / 1987

なんとも甘酸っぱいジャケットだ。ユーゴスラヴィア出身、それまで5枚のアルバムを残し、METAL MASTERレーベルでバンド初の英語による歌詞に挑んだアルバム。とにかくメロディック派は要チェックだ。曲もよく出来ているし、ギタリストをはじめ、演奏テクもなかなか。ボーカルはどことなくDEF LEPPARDのジョー・エリオット似なのだ。LED ZEPPELINの"Immigrant Song"と同じリフを持つ(笑)""Morrison"や、"Fire On The Water"は一度聴いておきたい曲。

クサレポイント

クサったGIRLみたいなルックスをアルバムジャケットにしたことはこのバンドに損をさせている。20年ほどのキャリアを持ち、リリースしたアルバムは10枚になる、知られざるユーゴのビッグバンドなのだ。



THUNDERFIRE / S.T. / 1983

いや〜、素晴らしい! NEAT RECORDのスタジオでレコーディングされた本作はまさにNWOBHMの裏名盤。針を落とせば、レコーディングもきっとこの格好で臨んだんだろうと思わせる音が飛び出してくるのはまさに期待どおり。メロウな展開から突然スピードチューンになったり、唐突なドラムソロブレイク、ほほえましいくらい好き勝手に歌うボーカル、井戸の底で弾いているかのようなこもった音のギターなどなど、とにかく上級クサレマニア向けの1枚。

クサレポイント

私が好きなのは音以上にこのジャケット。両手にとってマジマジと見つめれば、汗が吹き出てくるほどのパワーを感じることだろう。とくに真ん中で踏ん張っているムスティンもどきの男、ステージじゃ一番目立たないはずのドラマーなのである。