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DUMPY'S RUSTY NUTS / Somewhere In England / 1984 太っちょでヒゲ面の可愛い親父、Dumpy Dunnell率いるごきげんさんな3人組のバイカーズロックンロールバンド。STATES QUOやSPIDER、VARDISに代表されるような少し軽めの英国産タテノリロックを聞かせてくれる。デビューアルバムの本作は1983年12月3日に行われたマーキーでのライヴを収めた2枚組。デビュー作とはいうものの、この時点でかなりベテランな人たちだ "Wee Wee Baby"、"Route 66"、"Wild Thing"、クレジットはないものの歌なしで"Breaking The Law"なんて曲もカバーしている。 クサレポイント 活動時期やメンバーの交流などからNWOBHMのバンドとして知られているが、その枠には入りきらないのが彼らの魅力。本作と次作でドラムを叩いているのは元TANKのMark Brabbs。 |
DUMPY'S RUSTY NUTS / Hot Lover / 1986 前作よりはもっとストレートなハードロックだ。ロックンロール色は薄れ、リフを中心にしたNWOBHMな音を出している。ジャケはこんなクサレ具合だが、内容はなかなかのもの。「メタルだってできるんだぜぃ!」てな声が聞こえてきそう。ベテランらしく余裕が感じられる。ラストはPeter Greenの、John Mayallバンド時代の曲のカバー。渋すぎる深い味わいに涙! クサレポイント あけてビックリ、Dumpy氏からのクリスマスカードに生サイン! 喜ぶのは私ぐらいのものか!?(笑) |
DUMPY'S RUSTY NUTS / Get Out On The Road / 1987 さらにバイカーズロックっぽくなった3rdアルバム。METAL MASTERSからのリリースだ。GROUNDHOGGS、CLOVEN HOOFといったバンドとメンバーチェンジを繰り返した後の作品だ。ストーンズやエディ・コクランといったバンドのカバー曲も収録されているが圧巻はHAWKWINDのメンバーをゲストに迎えて作られた"Hawkwind"というタイトルの曲。これがまた本家も驚く、スペイシーな曲。遊びで作ったにしても素晴らしい出来だ。 クサレポイント DUMPY'S RUSTY NUTSは英国のバイカーズには憧れというよりも「ほっておけないアーティスト」として慕われているようだ。いまじゃけっこうよいトシになってるだろうけど、実はまだ現役のバンド。長く活動して欲しいバンドなのだ。 |
MARSEILLE / Red, White & Slightly Blue / 1978 フランス南部の都市の名をバンド名にしているが、実は英国・リヴァプール出身のバンド。70年代ハードロックのニオイをプンプンふりまいている曲ばかりでこちらの頬も緩む。ヘタウマなボーカリストのひょろっとした声質は好き嫌いがはっきりしてしまうものだが、このタテノリなリズムには合っているような気がする。 クサレポイント 基本はタテノリだが、二本のギターが絡み合うメロディはユニークだ。この時点である程度オリジナリティのようなものを感じることができる。 |
MARSEILLE / S.T. / 1979 前作同様に彼らがタテノリ・ブギーなのは変わらないが、よりハードロックな音作りがされている。前作とほとんど期間をおかずに製作されたのに成長ぶりが十分垣間見られるのは驚きだ。ボーカルも少しは特訓したのか、聞きやすくなっている。メロディに彼ら独特のものを感じられる点でも、このアルバムもオススメだ。 クサレポイント 1曲目のリフがまるっきりKINKSの"You Really Got Me"なのはちょっといけません。もう少しごまかさなくっちゃ(笑)。 |
MARSEILLE / Touch The Night / 1984 しばらく音沙汰がなかった彼らだが、メンバーを入れ替えて復活し、プロデューサーにあのJohn Verityを迎えて製作されたのが本作。新ボーカリストは後にHIGHWAY CHILEで"Rockarama"アルバムを残すことになるSav Pearse。ギタリストは一人だけになったものの、驚くことにメロディアスメタルを爆発させるバンドになっている。タテノリだったかつての姿はどこにもないのだ。 クサレポイント とにかくメロディック派は激チェックだ! ぶ厚いコーラス、キーポード鳴り鳴り、琴線をくすぐり続けるメロディ・・・。VAN HALENの"Jump"に似たイントロで始まる"Walking On A Highwire"はPVも製作され、MTVなどでもオンエアされていた。 |