Page 26


HATRIK / The Beast / 1986

1980年初期に結成されたアメリカのバンドのデビュー作で、ワキ毛がセクシー なギターヒーローのErik Baumannを中心とした4人組。オープニングの"Rule Of War"のような、RAVENを思わせるストレートな暴れん坊ロックは好感が持てるが、半分以上の曲はギター、ベース、ドラムスともにテクニックのあるところを見せつけんとする音の多さが聞く耳をウンザリさせる。GFRの"We're An American Band"も意図の見えないカバーでつまらない。ボーカリストが多少オンチなのがかえってホッとさせられてしまう。このテのバンドはもっとストレートでノリのよいハードロックを聞かせてくれたほうが面白いのだ。

クサレポイント

で、唯一聴きどころなのがB面の"The Other Side Of Crazy"だ。この曲のみリフが暴れまくるギターがNWOBHMのニオイを振りまいている。ベースラインも一工夫あってよい出来だ。この路線で突き進めばもっと注目を浴びていたバンドだったろう。



VIVA / What The Hell Is Going On / 1982

ヴァイオリン界のイングウェイといわれた(んなアホな!)19世紀を代表するヴァイオリニスト、ニッコロ・パガニーニの子孫であるMarc Paganiniが在籍したドイツのバンドだが、そのMarcはギタリストではなくてボーカリストなのが笑える。しかも歌が下手なのでご先祖様も嘆いていることだろう。久々に聞いてみたけど、こんなにヒドかったかなぁ。スイス人の彼は1981年にTIGERS OF PAN TANGのヴォーカルオーディション受験のためロンドンを訪れていたとき、ハマースミスオデオンでSCORPIONSに出会い、結局はその縁でドイツに渡りこのVIVAへ参加したのだった。
で、さらにこのバンドにはRudolf SchenkerとMichael Schenkerの実妹であるBarbara Schenkerがキーボードで参加しているが、キーボードの音などほとんど聞こえない^^; こんなのでメンバーといえるのだろうか

クサレポイント

3曲目のようなキャッチーなメロディラインがこのバンドの持ち味だろう。ミドルテンポな曲もあるけど、重さにも面白みにも欠ける。ジャケのイラストや邦題のようなイメージは感じられない作品だ。



PAGANINI / Weapon Of Love / 1985

そのMarc Paganini(後には"Mark"と表記)はVIVAでもう一枚アルバムを製作して脱退、母国スイスに戻った。同じくドイツを拠点に活動していたギタリスト、鮮烈フライングV男ことVic Vergeatに出会い、彼のプロデュースのもとに新たにバンドを結成して、さらにはKalle Trappをエンジニアに迎えて製作されたのが本作だ。VIVAでの盟友、Ralph Murthyもメンバーに加わったのは彼にとって心強いことだったに違いない。さてさて、肝心の内容であるが、Marcのノドは相変わらずの音程ながら、少しはマシになっているような気がする。しかしハスキーでダーティーな声質とは、裏返せば力なく音ハズレなボーカル、とも言えるのだ(笑)。バンドとしての音作りはメロディアスな曲作りを心がけたことがわかるような、はっきりとしたメロディが特長。"I Got What You Need"はメロディック派なら気に入ってもらえそうな曲、"Don't Let Me Down"はクサレマニアの琴線をほんの少しくすぐる出来栄えだ。

クサレポイント

このジャケットのインパクトは凄い・・・。当時これを買うのにどれだけ根性がいったことか(苦笑)。こんなアルバムを作ったのはこういう面々であるが、どうしてみんなこんなに似てるのだろう!? 直線的な鼻のラインがセクシーな奴らだ(笑)。衣装もバッチリきまっているが、クレジットにある「衣装担当」の名を見てびっくり、なんとあのBarbara Schenkerが担当していたのだった。



THOR / Only The Strong / 1985

カナダ出身のOUFなマッチョメタル、ソアが一番ソアらしい音楽を聞かせてくれるのが本作だ。ボディビルダーでもあったボーカルの"Thor"こと本名John Mike(なんて普通の名前・・・)はメタル界随一のホンモノの筋肉を持つ男。1978年のデビュー作はグラムロック風であったが本作はJUDAS PRIEST影響下の正統派メタル。もちろんあのMANOWARのニオイもプンプン。"Only The Strong"、"Let The Blood Run Red"、"Thunder On The Tundra"は名曲だ。聞き逃しのないように!

クサレポイント

ジャケットもさながら、とにかくこのメンバーショットで音のほうもどんなもんだかお分かりだろう。音=姿(笑)。こういう人たちをピュアメタルというのだ!いやぁ、しかしすんごい格好だ。ああ、筋肉のせいでThorの左足の鉄製のカバーが取れかけている。筋肉もすごいが、おとなりのデカパイも凄い(笑)。



SKAGARACK / S.T. / 1986

このデンマーク出身のバンドがハードロックなのかポップロックなのかはいまだに議論のあるところだろう。当時、かのメタル誌に「砂糖のロック」と表現されてしまったことがこのバンドに中途半端なイメージをうえつけてしまった。それだったらメタル誌などで取り上げなければよかったのに。でも名前は「スカ」って言葉が入ってるし、クサレなイメージのするバンド名だ・・・。いったいどっちなのだろう。てなことで、場違いを承知で取り上げた。で、久々に聴きなおしてなるほど、これはポップロックの類だろう。すみません、ちっともクサっていません。でもこうして日本盤までリリースされたのにへんてこな紹介しかされなかった彼らが不憫でなりませんのです。嫌いじゃないなぁ、たまにはこんなホッとするロックも必要。

クサレポイント

JOURNEYやFOREIGNERとを引き合いに出してレビューされていたが、どちらかというとキーボードを効かせすぎたFOREIGNERといったところだ。メロディックロック派はとっくにチェック済みなバンドであろう。



WITCH CROSS / Fit For Fight / 1984

SKAGARACKのようなバンドもいればこのWITCH CROSSのようなバンドもいるからデンマークって国は面白い。「もしもし、わたしよ。もしよかったら、日本に来ない?」の頓珍漢な名セリフで始まる"Nightflight To Tokyo"はマニアならとっくにご存知だろう。その歌詞はこちらのとおり。なんだ、ナニがどうでこうで、って歌だったのね(笑)。リフを中心とした曲作りは北欧メタルというよりはその源流であるストレートなNWOBHMのニオイがする。"Face The Clown"、インストの"Axe Dance"など、聴きどころの多い作品だ。

クサレポイント

この邦題はいかがなものだろう。ちっとも内容を言い表しているとは思えないのだ。ジャケットだってイマイチだし。しかしこのバンド、当時はボーカルのAlex Savageばかり人気があったが、他にも後にROYAL HUNTを結成するメンバーを輩出している。彼らにとっては恥ずかしい過去かどうかは知らないけれど(笑)。