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APOCALYPSE / S.T / 1988

テクニカルスラッシュの源流たる音がぎっしり詰まっているアルバム。ザクザクとしたギターの疾走感はこのテのバンドの音に慣れ親しんだ耳にはたまらないものとなるだろう。AGENT STEEL、LIEGE LORDあたりの音に比べても遜色ない。B面が退屈なのだがA面はとにかくカッコよい。スイスでこういうバンドがいたのは驚きだ。リズム隊、とくにドラムスの仕事は素晴らしい。

クサレポイント

Under One Flagレーベルからリリースされたアルバムだが、写真でご覧のジャケットはスイスオリジナルプレス。こちらの方がクサレ者にはグッとくる。



FN GUNS / Good Shot / 1990

自主製作のアルバムの後、Mausoleumから2枚のアルバムをリリースしたことのあるベルギーのバンド。本作は同じベルギーのRamble Rcordからのリリース。リードボーカルがStave Rodgersに変わっているが、このメンバーチェンジこそこのバンドのキーポイントだ!彼の歌声はあのTRANCEのLothar AntoniにDioをまぶしたような声質。高音部のシャウトはマニアの琴線をくすぐるだろう。Mausoleum時代の猪突猛進魂はそのままに、より練りこまれた曲作りはこれがあのFN GUNSかと思わせられる。ズバリ、買いのアルバムだ。

クサレポイント

BEATLES の"I Am The Walrus"のカバーまで入っているこの作品、とくにA面で聴けるNWOBHM魂溢れる曲のオンパレードにはFN GUNSのファンでよかったと思わせられることだろう。2002年の現時点で彼らはまだ現役、シワの数は増えているがノリは昔のまんまだ。こんなバンドはずっと頑張って欲しいものだ。



OCEAN / "A" Live + B / 1980

フランスのバンドながら、初期NWOBHMのニオイがする。メンバーの少ないことから薄い音になりがちだが、そんな状況には陥るまいと必死にこらえる姿がいじらしいのである。つとめてワイルドに歌おうとするボーカルは拍手ものだが、全体的には「献血し過ぎたてフラフラになったRAVEN」といった音だ。

クサレポイント

このなさけないタイトルのとおり、A面がライヴ、B面がスタジオテイクといった変則なアルバム。オーディエンスの歓声をほとんど拾えていないA面は曲もつまらなくてダメだが、B面は素晴らしい! 熱く燃えたぎるハードロックが耳を焼き尽くすことだろう。



CRACK JAW / Night Out / 1985

Steamhammerからリリースされた彼らの唯一の作品。ツインリード編成のメタルなのだがこのバンドはホントにかっこ良い! メロディでガンガン押すツインリードの良い点を十分に自分たちの武器にしているし、リズム隊のカッチリとした演奏も素晴らしい。「ああ、この次のメロはこうなって欲しいなぁ」って思うとおりに曲が展開していくのは実に壮快! なによりも彼らはカッコ良い曲とはこんな曲だ!っていうのを知っている。

クサレポイント

"Night Out"と"Struck By Thunder"はこの時代のメタルでも屈指のデキだ。メタルを熱く語りたい人は聞き逃していてはいけない。



DEAF DEALER / Keeper Of The Flame / 1986

カナダのバンドだが、1980年のバンド結成以来、苦労の連続でやっとこさデビューにこぎつけた作品。曲を聴けばこれがカナダのバンドなのかと思ってしまうくらいNWOBHMの持つパワーが満ち満ちているのだ。バタバタとしたリズム、シャウトをきかせるボーカル、ブンブンとなるギターのリフ等々、SATANやBRITZKRIEG、JAGUARといったバンドと同じハコに入っているバンドだ。名曲"Deaf Dealer"でタレ流されるツインリードに酔ってみよう。「正統派メタル」とはこういうバンドのためにある言葉だ。

クサレポイント

オリジナルはMetal Blade盤だと思うのだが、ニュージーランド盤はRoadrunner、英国盤はNeat Records、ドイツ盤はSteamhammerからと、そうそうたるレーベルにトリビュートされていたようだ。