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NORTHWINDS / Sleep With Evil / 1990

こんなジャケットだから、ANGEL WITCHもどきのサタニックメタルかと思いきや、スカスカドラムスが涙を誘うクサレスラッシュなのだ。"Generic Mosh Song"のようないかにもアメリカのスラッシュといった曲があるかと思えば、"Father's Home Now"のようにクラッシックに基調をおいたヨーロッパのメタルを思わせる異様にクサいメロディを堪能できる曲もあるからこのバンドは不思議なのだ。おそらく少しはサタニックさを強調したいのかなと思わせるメロディもあるが、ヨーロッパのそういったバンドたちに比べると物足りない。むしろクサレスラッシュと割り切って聞いたほうが楽しめる。

クサレポイント

しかしこのボーカルの声質はイヤだなぁ。アメリカ人独特というか、カン高くて力のない、悪ガキっぽくてネズミのようなボーカル。もうすこしダークな声質ならカルトメタルとしてもっと高い評価を受けられただろうに。



SINFUL / Gonna Raise Hell / 1985

5曲入りのミニアルバム。A面の3曲は紛れもなくNWOBHM直系のリフが耳に心地よいクサレメタルだ。ボーカルのひょろりとした甲高い声質は馴れるのに時間がかかるかも知れないが、曲はカッコ良い。こんな曲を一度カバーしてみたいなぁと思う。で、B面の2曲はこれがハードポップ全開なのだ。こちらもかなりオススメできる。オーバープロデュース気味のキーボードが結果的にイイ味出しています。

クサレポイント

このアルバムをリリースしたのはロンドンのShades Record。ここはあのCHARIOTを世に送り出したことでその名を知られたレコード屋さんだ。CHARIOTの3枚のアルバムがSHADE 1、SHADE 2、SHADE 4というカタログナンバーであったが、このSINFULはSHADE 3なのだ。



STRATTSON / Ouf Metal / 1985

OUF野郎は一家に一枚以上は持っておきたいクサレ名盤。とにかくオープニングの"Face A La Lune"で悶絶だ。ベースのリフがどうしてもドリフの「8時だヨ!全員集合」の、コント終了と歌との間に流れる「盆回り」のリフ(というのだろうか)にそっくりだ。と思ってしまえばもうそれにしか聞こえない(笑)。てなワケでベーシストのリズムというかリフがどれもひとクセあって面白い。リードボーカル兼ギタリストは正統派路線のギターを聞かせてくれる。ラストの"Speed Machine"もまた悶絶。バンド名よりもアルバムタイトルを覚えておくべし、OUF !

クサレポイント

顔の半分が口であるこのギタリストは、このバンドのTシャツなどを着ている。このTシャツ、ノドから手が出るほど欲しい・・・。



NASTY SAVAGE / S.T. / 1985

Nasty Ronnie率いるアメリカのパワーメタル。あともう少しでスラッシュになりそうなところをかろうじてとどまっているかのような音だ。このバンド、ストレートなメタルという印象があるが、よく聞けば曲の展開が面白い。ブルータルなコーラスはちょっと勘弁して欲しいのだが、アグレッシヴでパワフルな、ブ厚い音は夏に聞けば暑苦しくってどうしようもないだろう。

クサレポイント

スラッシュの源流というよりは、後のSACRED REICH等でお馴染みとなるブルータルなメタルの出発点的なアルバム。ギターとユニゾンで突っ走るベースラインにゾクゾク! 火を噴くドラムスもバカバカしいほど音がデカい。



NASTY SAVAGE / Indulgence / 1987

このアルバムはアメリカのパワーメタルのなかでも名作の一つだ。半分以上スラッシュの分野でもあるけど、ブ厚いリズムギターの音と野太いボーカルは後のブルータルなメタルに計り知れない影響を与えたんではないだろうか。サビで裏声連発(決してハイトーンと言ってはいけない)のボーカルスタイルは好き嫌いのあるところだ。

クサレポイント

"XXX"という曲は歌詞はともかく曲は素晴らしい!! 「えくせくせぇっ! とりぷるえっ!」って歌われてしまうのだ。Nasty Ronnieの個性が爆発している。ドラムスも相変わらず爆発している(笑)。



NASTY SAVAGE / Abstract Reality / 1988

4曲入りのミニアルバム。ボーカルが前に出ていてうたいまくっている。このバンドはもちろんNasty Ronnieのカリスマ性でもっていたのだが、オリジナルギタリストのBen Meterの才能も聞き逃してはならない。このミニアルバムでもかなり独創的なプレイを聞かせてくれる。

クサレポイント

曲が少ないせいもあるだろうけど、個人的にはこの作品が最も聴きやすい。相変わらずのファルセット(というより単に裏声)乱発の、ボーカルのNasty Ronnieの歌い方には賛否両論あるとは思う。このあともう一枚アルバムをリリースしている。