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V.A. / Rock Meets Metal / 1987

なんて素晴らしいタイトルのオムニバス。あのEbony Recordsの後期のリリースもので、全16曲60分の良質なメタルがテンコ盛り。1987年という表記がウソだと思えるくらい、NWOBHMのニオイしかしないアルバムだ。MOTORHEADタイプのドカスカメタルから哀愁味溢れるイギリス特有のメロデイ爆発のメタルまで、この一枚で英国のB級クサレメタルは語れる。なかでもSPELLBINDERは全メタルマニアの必須科目! 死ぬまでに一度は聞いて欲しい。

STRANGER Tokyo Road
CIRCUS Down And Out
E.S.T. S.O.S.
TEACHER'S PET Could have Been Love
APRIL 16TH Thursdays Child
ST. VALENTINE Always Together
TOMB Dungeon Gates
MASQUE Going Home
SPELLBINDER Babylon By Night
CHARLIE MOUSE Get Up And Party
CRASH DIET Stagetruck
ROULETTE Who's Crying
DARK CRUSADE Lady In Black
PARADISE LOST Watch The Spider
RAM Eternal Grave
SWEET CYANIDE Natural Born Loser



クサレポイント

Ebony Recordsはその初期に優れたオムニバスをリリースしたのはみなさん周知のとおりだが、その終末期にも"Ebon S 10*"のカタログナンバーで本作を含む優れたオムニバスを数種類リリースしていた。こちらの方はなかなかお目にかからないので見つけたらすく保護しておこう。



V.A. / Halloween / 1986

Raw Powerレーベル編集の、フィンランドとスウェーデンのアーティストのコンピレーション。PEER GUNTやSMACKのようなタテノリロックンロール、SPITFIREやMOTORBIRDSのようなクサレメタル、HIROSHIMAやDAWSONのような悶絶典型的北欧メタルなど、なかなか充実したアルバムだ。ALBERT JARVINEN BANDではMOTORHEADのレミーがゲスト参加しているがゲストとは思えないくらい歌いまくっている(笑)。

BLACK SABBATH Paraniod
PEER GUNT Big Tits
ZERO NINE Fury
HIGHSCORE Knock The Boss
IRONCROSS Highway
OZ Turn The Cross Upside Down
SMACK Criminal
BACKSLIDER Hot Rock'n Roll Band
DAWSON Rainbow
HIROSHIMA Soldier Of The World
SARCOFAGUS Die To Win
MENZER Voodoo
ZERO NINE Don't You Give An Inch
WRATHCHILD Twist Of The Knife
SPITFIRE Crazy Living
MOTORBIRDS Thought Of The Statue
ALBERT JARVINEN BAND Countdown
BATHORY War
HANOI ROCKS Until I Get You
BLACK SABBATH Warpigs
TRASH Bombay-Mail
SMACK Good Morning Headache
OZ Eyes Of The Stranger
HOLY DOLLS Halloween



クサレポイント

私はこの作品でIRONCROSSやHIROSHIMAといったアーティストを知ることになった。しかしBLACK SABBATHが、しかもこんな曲でエントリーしているのは理解に苦しむ。それらを削って、名も知らぬアーティストを入れて欲しかった。あ、BATHORYが入っているのは許してあげよう(笑)。



KEEN HUE / Ogre King / 1985

キーン、ヒュー、といっても飛行機が落ちたわけではない(笑)。「シャープな色調」という意味があるらしいが不思議なバンド名だ。スウェーデンのバンドで、地元で地道に活動を続け、イギリスのEbony Recordsでデモテープが認められて本作デビューを果たした。同じスウェーデンのHEAVY LOADをぐっと男前にしたような音で、ツインリードがかなりカッコよい。タイトルチューンは必聴、他にも捨て曲なしの内容だ。

クサレポイント

ジャケットのイラストもホンワカしていて一度見たら忘れられない。このあとバンドはメンバーチェンジを繰り返し、1991年になって2ndアルバムをリリースした。こちらは日本でもリリースされたが、オリジナル盤のジャケットがムフフなので(笑)、輸入盤で買うことをオススメする。



RENEGADE / S.T. / 1986

ドイツ4人組、お手本は同じドイツのSCORPIONSなのだろうが、アンダーグラウンドなニオイがプンプンで、SINNERを100倍に薄めたような印象も受ける。ギターは激しく弾きまくっているのは微笑ましい。タイトルを小気味よく叫ぶコーラスも印象がいい。しかしやはり曲のデキがいまひとつで、心に響くメロディも記憶には残ることは出来ない。"Dragonslayer"、"Renegade"は聞いておいて損はない。

クサレポイント

しかしどうしてこのジャケットなのだろうと思っていたら、どうやらRENEGADEという名のジープがあるらしい。けれど、こんなスパイクではないと思う(笑)。



SURFACE / Race The Night / 1986

元STARFIGHTERSのドラマーがいるバンド。キーボードにツインリードギターという構成なのでメンバーも6人という大所帯だ。この作品はライヴアルバムなのだが、これがまたSTAMPEDEあたりのバンドが持ち合わせていた正統派哀愁味満点のブリティッシュハードロックを聞かせてくれる。曲も良くできているし、親しみやすいメロディが多いので初めて聞いてもスッと最後まで聞けてしまえる良い作品だ。出会ったときに確保しておきましょう。

クサレポイント

しかしこのジャケットのイラストは何なんだろう。音と全く違うなぁ。クサレだと期待してしまうが、実は正統派ブリティッシュ。それもまた嬉しい誤算なのだ。