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OUTSIDE / Never In Security / 1988

Rockportレーベル傘下のPowwer Lineからリリースされたアルバム。ドラム缶を叩いているようなスネアの音が気になるが、なかなかの好クサレなアルバムだ。ギターのメロディが印象的な"Wild Scud Hell"や、"We're born from Heavy Metal, Metal is Allright"と歌われてしまう"Heavy Metal"、突然変異的にEUROPEまるだしの"Child Of Storm"など、ニンマリと聞ける曲が多い。

クサレポイント

元気もあるし声も若い・・・のだが、見た目はけっこうオヤジなのだ。他にもアルバムを残しているが、苦労も報われなかったみたい・・・。



ZENITH / Prisoner / 1986

トリプルリードギターのバンドとしてこの一作だけながらけっこう人気のあったバンド。ボーカリストのTom JacksonはPRAYING MANTISのメンバーとも交流のあった人だ。このバンド、ギターももちろんだが、実はコーラスワークも素晴らしいのだ。タイトルチューンのザクザクとしたリズムはギターの音のブ厚さが生かされているし、コーラスだってキマっている。メロディック派は是非掘り出してゲットしてもらいたい作品だ。

クサレポイント

たしか日本にも同名バンドがあったと思うが、どうしてもZENITHって「銭ス」って字を思い浮かべてしまう。裏ジャケのメンバーだって「もうかりまっかぁ〜!」って言っているように見えるのだ。



TALON / Neutralized / 1984

ドイツのTALONのデビューアルバム。このアルバムはメタルマニアのツボを刺激する曲が多い。実質的にはリードギター&リードボーカルのUwe Hoffmannのバンドなワケだが、彼の才能が曲や演奏に表れている。ツインリードでキメをバシバシと叩き込むメロディ、高音部にはロブ・ハルフォードがちらつくボーカルなどなど、特に疾走系のB-1ではそれらが爆発している。劇的正統派クサレメタルとして、このアルバムはマストだろう。

クサレポイント

オープニング曲はシングルカットされた曲だが、出だしはつまらないものの、だんだんとドラマティックな展開を見せ、MERCYFUL FATEのような曲になっていくのは感動もの。ただ、盛り上がったところでエンディングを迎えてしまうのはもったいなかった。



TALON / Never Look Back / 1985

ドラムスを後にSINNERへ加入することになるTommy Reschに変えての2ndアルバム。このジャケットだけ見ると1stアルバム路線のままかと思いきや、なんだこの変わりようは・・・。1stのあの劇的なツインリードはどこへ行ってしまったのだろうか。音は少しは良くなっているし疾走系の曲では過去の面影もちらつくのだが、かなり物足りない・・・。

クサレポイント

そして、Uwe Hoffmannは声帯の手術でもしたのだろうか、まるっきりオジー・オズボーン声になってしまっている。オープニングの第一声で悶絶だ!



TALON / Vicious Game / 1986

そのUwe Hoffmannはギターに専念したかったのだろうか、3rdアルバム製作にあたって、バンドは新たにリードボーカリストを迎える。しかし、中途半端なダミ声と伸び足らないハイトーンはその必要性を疑わざるを得ない。もちろん水準以上のメタルではあるが、1stアルバムの輝きを知る者には厳しくならざるを得ないのだ。それでもB-2やB-3のように、ツインリードの魅力を生かした、ジャーマンメタル然とした曲があるのは救いだろう。

クサレポイント

このバンドからは前述のようにSINNERへ加入する人や、他にもTHUNDERHEADに加入する人など、多彩なメンバーが出入りしていたようだ。