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PICTURE / 1 / 1980 誰か記事にしていそうで記事にしていないPICTURE、この機会にまとめてみよう。オランダ初のメタルバンドといわれているバンドだが、結成は1979年。ギターのJan Bechtumが雑誌に載せたバンドメンバー募集の話にベースのRinus VreugdenhilとドラマーのLaurens Bakkerが興味を持ちコンタクトをとったのがすべての始まりだ。 その後ライヴを重ねてAPRIL WINEやAC/DCのサポートするまでになり、1980年にはデビューアルバムをレコーディングする。それが本作である。70年代のハードロックのニオイを少し残しつつもタテノリな曲を基本としたハードロックであり、KROKUSをチープにした感じだ。中にはツーバスで攻める曲もあって、この後のバンドの方向を予感させる。オランダのメタル界においても記念碑的なアルバムだといえるだろう。 クサレポイント ジャケット写真、別にわざとボカしているのではなく、もともとこんなピンボケなのだ。じっと見ていると目が疲れる・・・。 |
PICTURE / Heavy Metal Ears / 1981 前作リリースの翌年、同じメンバーで製作された傑作。ヨーロッパ各国でのライヴの成功により知名度、実力ともにアップした後の作品であり、リフを主体としたNWOBHM型バンドに進化して鋼鉄度がぐんと増し、ごらんのとおり日本でもリリースされたのだった。「夜間飛行」の邦題がついた"Spend The Night With You"はリフの嵐で聞く者を熱くさせる。そして彼らの代表曲となる"Heavy Metal Ears"もこのテのバンドを愛する者は聞いておかなければならないメタルアンセムなのだ。 クサレポイント 「全欧州を突如急襲したブランド・ニュー・バンド、ピクチャー、今ここに幻の姿を現わした! そのサウンドはメタルに、そしてヘヴィに。今、ヨーロッパから日本へランディング!」という目頭か熱くなるオビのタタキとともに、この飛行機のイラストジャケットは「HEAVY METAL写真集」などの表紙イラストを手がけた塩屋博明氏による日本盤のみのデザインだが、オリジナルよりは優れている。 |
PICTURE / Diamond Dreamer / 1982 3rdアルバムになってボーカルがチェンジ。新しいボーカリストはDIOタイプの伸びやかな声が特長。音質もやや向上し、ギターも70年代を引きずるようなメロディとは決別し、メタルを意識した力強いソロを弾いている。ソツなくまとまったという印象もあって、前作のような、良くも悪くもスリリングに富んだ、といったところはやや影をひそめた感じだが、単純明快なリフの嵐は健在で悪いアルバムではない。"Message From Hell"はギタリストの頑張りぶりがヒシヒシと伝わる名曲だ。 クサレポイント SAXONでおなじみのフランスのカレアレーベルからもこのアルバムはリリースされたが、フランス盤ってどうしてジャケットを差し替えて発売するのだろう。このアルバムも違うジャケが用意されたが、ややこしいことにアルバムタイトルも"Night Hunter"と変えられてリリースされた。80年代にメタルを愛した人なら覚えがあるだろうけど、おお、PICTUREの新譜だ! と思って買ってしまうのです、こんなことされると。で、我が家にも2種類のアルバムが残っています。 |
PICTURE / Eternal Dark / 1983 律儀に毎年リリースを続け4作目となった本作は日本でも3rdと同じくポリスターからリリースされた。なんと本作のメンバーチェンジではバンド創設者のJan Bechtumが追い出されてしまった。ついでにボーカルもチェンジ、ギターを新たに2人入れてツインリードなバンドになった。ギターの交代はけっこう劇的な変化があったのだろう、曲にメロディックな感覚が吹き込まれている。メジャーを意識したような感じだ。しかしながら"PICTURE節"も健在で、後にHAMMERFALLかカバーした"Eternal Dark"や、"NWOBHM型の"Into The Underworld"などなど、聴き応えのある曲が多い。 クサレポイント 3rdの日本リリースは見送られたがこのアルバムは「暗黒の髑髏(ドクロ)」というイカした邦題とともに、めでたく日本リリースと相成った。この時点でオリジナルメンバーはベースとドラムスの2人。3rd以降、彼らにバンドの主導権が移ったのだろう。ところでこのアルバム、どうしてオビが右側にあるのかというと、ライナーノーツの折り返しがそのままオビの代わりになるデザインで、実はこの方法は当時実用新案登録出願中であったという、オシャレなものだったのだ(笑)。 |
PICTURE / TRAITOR / 1985 1年のインターバルを置いているうちにまたもやメンバーチェンジ。オリジナルメンバーだったドラムスが脱退、ついにバンド創設以来のメンバーはベースのみとなった。そしてこのへんから彼らの人脈がわからなくなる。新しいドラムスは"Shake"という名であることしか分からない。シャケか?なんて思うのだ(笑)。曲もツインリードがメインの従来のPICTUREタイプのものもあるが、なんといってもメロディックな曲が増えているのは驚きだ。これらの曲がまたつまらない・・・。PICTUREらしさが薄れてきたころのアルバムだ。 クサレポイント 前作を作ったメンバーがどうしてこのアルバムを作れるのだろうと思うくらい、ヘタしたら産業ロックなアルバム。ここの前と後でPICTUREは一区切りつけられる。 |
PICTURE / Every Story Needs Another Picture / 1986 なんだかヒネリのあるタイトルなので期待してしまうが、聴き終えて一言、これはもうあのPICTUREではない。まさに"Another Picture"なのだ。A面はAORがかった北欧メタルのようで、ところどころハモンドオルガンが聞こえるし、ツインリードだってキマっている。曲自体も悪くない。B面はMTV万歳なアメリカンロック。B!誌にあったように"ZZ TOPのパクリ"的なノリも顔をだす。このノリも悪くない。つまり、アルバムそのものは特段ケチをつけるところはないのだが、やはりPICTURE名義でこれをリリースするのは罪である。メロディック派にはバンド名にこだわらず、このアルバムと次作のみ聞いて欲しい。PICTUREマニアにはこのアルバムと次作は聞いて欲しくない。 クサレポイント このアルバムリリース前に、なんとあのVANDENBERGのリードボーカルだったBert HeerinkがPICTUREに参加するというニュースがあったが、このアルバムでは"Stay With Me"の1曲のみ参加しているようだ。「ようだ」というのも、このアルバム、正式なメンバーのクレジットが載っていないのだ。わざと(?)ピンボケなグループ写真でも、かろうじて確認できるのはベースのRinusだけ。とにかく謎だらけのアルバムだ。 |
PICTURE / Marathon / 1987 そして元VANDENBERGのリードボーカリスト、「オランダのMax Bacon」ことBert Heerinkが正式にPICTUREに加入しレコーディングされた作品、PICTUREにとって最後の作品となった。こちらのアルバムはキーボードが大々的にフューチャーされていて、ゴージャスなLAメタルといったところだ。"Vampire Of The New Age"のようなスリリングで聴き応えのあるハードロックもあるが、やはりかつてのPICTUREの姿は微塵もない。それでも前作より聴きやすいのはBert Heerinkのノドが素晴らしいからだろう。しかしアルバムタイトルが何故に「マラソン」なのかは分からない(笑)。BertはこのあとUNDERCOVERを結成しアルバムを2枚残し、今ではあのKAYAKに参加しているという信じられない活動を続けている。 クサレポイント 結局PICTUREのオリジナルメンバーはRinus Vreugdenhilだけとなったが、デビュー時こうであった彼が途中でもこうであり、ラスト作でもやっぱりこうであって、ほとんど変わらない姿には感動をおぼえるのだ。 |
PICTURE - " 1 " 1980 |
Ronald Van Prooien |
Jan Bechtum |
Rinus Vreugdenhil |
Laurens "Bakkie" Bakker |
Vocal | Guitar | Bass | Drums |
PICTURE - "Heavy Metal Ears" 1981 |
Ronald Van Prooien |
Jan Bechtum |
Rinus Vreugdenhil |
Laurens "Bakkie" Bakker |
Vocal | Guitar | Bass | Drums |
PICTURE - "Diamond Dreamer" ("Night Hunter") 1982 |
Shmoulik Avigal |
Jan Bechtum |
Rinus Vreugdenhil |
Laurens "Bakkie" Bakker |
Vocal | Guitar | Bass | Drums |
PICTURE - "Eternal Dark" 1983 |
Pete Lovell |
Chris Van Jaarsveld |
Henry Van Manen |
Rinus Vreugdenhil |
Laurens "Bakkie" Bakker |
Vocal | Guitar | Guitar | Bass | Drum |
PICTURE - "Traitor" 1985 |
Pete Lovell |
Chriz Van Jaarsveld |
Henry Van Manen |
Rinus Vreugdenhil |
Shake |
Vocal | Guitar | Guitar | Bass | Drum |
PICTURE - "Every Story Needs Another Picture" 1986 |
Unknown | Unknown | Unknown | Rinus Vreugdenhil |
Unknown |
Vocal | Guitar | Guitar | Bass | Drum |
PICTURE - "Marathon" 1987 |
Bert Heerink |
Rob Van Enkhuizen |
Ronald De Grouw |
Rinus Vreugdenhil |
Jacques Van Oefelen |
Vocal | Guitar | Keyboard | Bass | Drum |