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REMO / Send In The Clowns / 1988

1983年結成のスウェーデン産のハードロック。4曲入りのミニアルバムだが、シングル盤とこのアルバムしか残さなかった。ギターが2人いる編成なのでギターが売りなのかと思いきや、ボーカリストの力量が素晴らしくバンドの顔となっていたようだ。曲はメロディック派のツボを刺激する大陸型のハードロック。メジャー志向な音作りなのでクサレ派にはちと苦痛な音かも。

クサレポイント

これだけメジャーっぽい音作りをしているのにフルレンスを残せなかったのは惜しい。才能あるバンドだったと思うのだ。



BLACK WIDOW / Streetfighter / 1985

1984年9月に行われたMausoleum Records主催の伝説のロックフェスティヴァル、「Shock Wave International Heavy Metal Festival」にデビュー前のバンドでありながら出演して注目を浴びたBLACK WIDOWのデビュー作はこうして日本でも良心的なレーベルとして知られたFEMSからリリースされた。終始イモくさいノリが曲を多い尽くしているのは私には利点に思える(笑)。ヒステリックになりきれないジョン・ギャラガー、といった感じのボーカルは聞いていて微笑ましい。

クサレポイント

今は亡きランディ・ローズにささげた"Crazy Train Blues"や、"Heaven Is Yours, Hell Hell Hell is Mine"と恥ずかしげもなく歌う"Heaven Is Yours"、悶絶スピードメタルの"To You Who Kept Rockin'"など、ギターのクセのあるリフに彼ららしいオリジナリティを感じることが出来る。



SATAN JOKERS / Les Fils Du Metal / 1983

遠くから見るとオシッ○しいてるようにしか見えないお馴染みのジャケ。しかも凄い勢いだ(笑)。さて彼らはフランスのメタルの中でも80年初期のバンドになる。音を聞いて思うのは、このジャケットは彼らに損をさせていると言えることだ。オーソドックスながら演奏能力は高く、どの曲もデキがいい。レベルの高いNWOBHMといったニオイがするのだ。か細いボーカルはご愛嬌としても、とくにリズム隊の演奏が素晴らしい。全曲フランス語で歌われていて、力強さに欠ける気がするのが残念ながら、それでも強くオススメできる一枚だ。

クサレポイント

そしてこのアルバムに素晴らしい曲が・・・。"Tokyo Geisha"は一度は聞いておかなくてはならない!! 曲そのものはアップテンポで耳障りのよいハードロックなのだが、歌が凄い。「トーキョ ゲイシャッ、ハァ〜ン!」のサビはかなり強烈^^; 「時には悲しく時には楽しいフジヤマの思い出・・・」てな意味の歌詞らしい(爆笑)。もちろんエンディングも素晴らしい。「ゲイシャアアアッ! ゲイシャアアアッ! ゲイシャアアア〜ッ!」でドラの音がドァ〜ン! 充実の1曲だ。



BULLDOZER / The Final Separation / 1986

でましたブルドーザー! ありがちながらなかなか素晴らしいバンド名でマニアの心をくすぐった人たちだったが、なんでも最近彼らのCDボックスセットが発売されたらしい。なんて恐ろしい時代だ^^;。
さて本作はセカンドアルバムになるのだが、ジャケは音を表す、のたとえに違わずMOTORHEADとVENOMをごちゃ混ぜにしたような感じの音が詰め込まれている作品なのだ。ボーカルのACばかり目立っていたけど、実はギターのAndy Panigadaが一番いい仕事している。とはいえ普通の人が普通に聞くと、とにかく速く叩くことだけに集中しているスカスカなドラムスの攻撃に遭い、間違いなく頭痛をおこすだろう作品。かくいう私も当時は頭痛に悩まされた一人だ(笑)。

クサレポイント

演奏自体はVENOMよりも巧いと思う。そういう意味では危なっかしくてハラハラしながら聞くといった醍醐味(か?)はないかもしれない^^;。



SANTA / Reencarnacion / 1984

スペインのSANTAのデビューアルバム。パワフルな女性ボーカリストをよく「女ディオ」と形容するが、このSANTAのAzcena嬢はまちがいなく史上最初にして最強の「女ディオ」なのである。後にスペインのスーパーグループSARATOGAがカバーしヒットしたタイトル曲でのシャウトをはじめ、このアルバムには彼女の魅力がいっぱいつまっている。バックのメンバーも固い音をたたき出していて、硬質かつ良質なハードロックを聞かせてくれる。パワーメタルマニアはこのアルバムを一度は聞いて拳を突き上げなければならない。

クサレポイント

とにかく素晴らしい。クサッてなんかいないのだ、SANTAは。一度は聞いておかなければならないマストアイテム。スペインのメタルでは間違いなくトップクラスのメタルなのだ。



SANTA / No Hay Pieda Para Los Condenados / 1985

デビュー作であれだけの剛速球なメタルを聞かせてくれた彼らは2ndアルバム製作にあたりキーボードをメンバーに迎えた。こいつがまたハモンドオルガンを弾きまくるんだわ! もともと定評のあったJeronimo Ramiroのギターとソロ合戦を繰り広げる曲展開にはこちらもメロメロ。本作のジャケットで火あぶりの刑になっている(笑)Azuzenaのパワフルボーカルも健在だ。曲調はメロディアスになったものの、ガッツポーズもののメタルであることには間違いない。

クサレポイント

タイトルチューンのレインボーっぽいイントロはデビュー作を知る者としてはけっこう衝撃的だ。しかしながら正統派メタルを突っ走る姿勢に変わりはない。バンドはこのあとボーカルのAzuzenaが脱退したようで、未確認ながら3rdアルバムでは別の女性が歌っているようだ。