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STICKY FINGERS / Fight For Fun / 1984

虚脱感溢れるジャケット、中途半端なタイトル、しかしながらレーベルは名盤を輩出しているPoko Rekordsと、冒険する価値のあるアルバム。ルックスといいバンド名といい、おそらくはストーンズにかぶれたスレージーなハードロックだろうが・・・。で、結局はグラムロック影響下の、SLADEあたりを手本としたバンドであった。ハードロックの域にも達していないかもしれない。んが、少なくともギタリストはハードロック好きな人だ。エゲつなく臭いメロを弾き出したりするのがその証拠。きっと他のメンバーにはウケなかっただろう。スレージーなロックを目指しても身にしみたクサい北欧チックなメロディは隠せはしないという良い例だ。A面は聞き込めばクサレのニオイも漂ってくる。

クサレポイント

4曲目に河内音頭のような凄まじいギターのメロが響く。演歌ではなく音頭メタルだ(笑)。イントロでいきなり始まるので、日本人なら思わず両手を振り上げて踊りだしてしまうだろう。



DEATH IN ACTION / Toxic Waste / 1988

バンド名が示すとおり、立派なスラッシュメタルだ。SLAYERが好きなんだろうなぁ、と感じさせる音の塊。それでも少し軽めなので思ったほど耳には残らない。リズム隊がやたらキメを叩き込むのが少々耳障りだ。まあ、たまにスカッとしたくって、聴き飽きたスラッシュでは物足りないときに聴けば良いだろう。

クサレポイント

買って以来聴くのは2度目だったが(笑)、それでもなかなか聴ける作品だ。ボーカルスタイルの軽さには目をつぶってもこのテの音楽が好きな人には受け入れられるだろう。



PARIAH / Take A Walk / 1988

みんなよくやってることだろうけど(^^ゞ、あのSATANの改名バンドである英国のPARIAHの作品だと勘違いして買ったレコード。こちらはアメリカはフロリダ出身のEgger3兄弟が結成したバンドだが、レコードリリースはオランダのMashroom Recordsからであった。間違えて買ってしまうものにはロクなものがないのがこの世の法則であるが、実はこの作品はそんな法則に当てはまらない。ズバリ、捨て曲なしのナイス出来栄え! 即買い! ファストにしてもミドルにしてもあきらかにNWOBHM影響下の曲が続く展開は聞いていてゾグソクするし、特筆すべきはギターがツボを押さえたウルウルなメロをガンガン弾きまくっていること。こういうアルバムを掘り出し物というのだ。もちろん本人たちは「堀り出す前に見つけといてくれ!」 と言うだろうけど。音の悪さをどうこういうレベルではないのだ。

クサレポイント

この時期アメリカはボンジョヴィに代表されるようなメインストリームでゴージャスな音がメタルのシーンを支配していた。だからこのような欧州メタル丸出しのバンドはアメリカ国内でアルバムリリースが叶わず、わざわざオランダでの契約となったようだ。



SIREN / No Place Like Home / 1986

サタニックな感じの曲もがあり、各曲のタイトルもそれっぽいので多分ANGEL WITCHのような音楽を目指していたであろうドイツ4人組。3連のリズムを多用したヒネリのある音楽性は少しピンポケ気味でツメが甘いなぁというのが正直な感想。ジャケットだって何の意味があるのかわからないし(笑)。NWOBHMからの影響もうかがえるので聞いていて苦になることはない。それでも"Over The Rainbow"などの曲で聞けるギターソロには魅力を感じたりも出来るから放っておけない作品だ。

クサレポイント

力なくひょろひょろとした印象のボーカルではあるが、このあともう一枚アルバムを残しあと、そのDoug LeeはあのMEKONG DELTAに加入するのであった。



XXARON / The Legacy / 1985

Ralf Hubertがエンジニアを務めた(この人あちこちでエンジニアしてます(^^ゞ)スイス5人組のパワーメタル。リリースはドイツのEarth Shaker Recordsからで、モロにそのレーベルらしい音だ。スカスカのドラムスに絡むチープなツインギターの音を従えて突っ走るオヤジ声のボーカル。それでもまだ突っ走るだけのモーターヘッドタイプではなくて、聞かせるメロディを持っているからこの作品は良心的だ。"The Legacy〜Straight To Hell"や"Lost In The Dark"などはこの時代のジャーマンメタルの基本だ。

クサレポイント

バンド名を何と読んだらいいのだろう。イグザロン? エクサロン? クサクサロン?。



LEATHER ANGEL / We Came To Kill / 1982

年代からみてもやはりGIRLSCHOOLを意識したかのような編成だが、目張りが濃すぎるルックスはいい勝負だけど肝心の内容はその足元にも及ばない。アメリカの女性バンドの中では知られた存在のようだが、なんといってもボーカルの裏声乱発はルール違反だろう。間にギターソロをかました苦し紛れのLED ZEPPELINのカバー"Whole Lotta Love"もいただけない。

クサレポイント

バンドはこのあとセカンドギタリストとしてDanelle Kernを加えたあとDIOとのツアーを敢行。オリジナルのギタリスト脱退ののちバンド名をJADED LADYと改めぐっと可愛くなったルックスで活動をつづけた。ちなみに最後にバンドに加わったDanelle KernはいまではLANA LANEのギタリストとして活動している。