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UPPER ECHELON / Surface Tension / 1984

全4曲のミニアルバム。アメリカはシアトルのバンドだ。 歌メロでガッツボーズの典型的クサレバワーメタルな1曲目、アメリカのカルトメタルが自分たちなりにMERCYFUL FATEを解釈して曲を作ったらこんな風になりました、てな感じの2曲目 リズム隊がメロディを追いかける疾走感がSACRED RITEを想起させる3曲目、後半での泣きのギタメロが強烈なバラードの4曲目と、掘り出しものの一枚。 低音部から高音部まで器用に歌い上げながらどこかクサレの雰囲気を漂わせるボーカルが気に入った!

クサレポイント

自主製作である本作とカセットテープをリリースしてバンド活動は停止してしまったようだが、これだけの才能を放っておくのはもったいないことだ。プレス数は2,000枚程度のようなので中古屋で見かけたら即ゲットだ。



BLACKOUT / Evil Game / 1985

こうやって日本盤までリリースしてもらえたオランダのバンド。オリジナルはもちろんRoadrunner Recordsだ。 男くさいボーカルと猪突猛進のバキバキリズムはカッコ良く、"Blackout"、"Ice Age Hunter"などの曲はベルギーのKILLERやCROSSFIREといったバンドと同じほこりっぽさを感じる。他にもTANKやMOTORHEADがルーツなんだろうなと思わせられるところが微笑ましい。ちなみにSCORPIONSからの影響は皆無なので要注意。

クサレポイント

バイクの爆音で始まる1曲目のタイトルは"Motorcycle Bitch"で大爆笑。「もーたーさいこぉ〜、ぶぃぃっち!」とかましてくれています。



STEEL CROWN / Sunset Warrior / 1986

イタリアの若者4人組。ドラムスのカチッとした演奏のおかげで音はずいぶんすっきりまとまっている。北欧メタルチックなギターのメロもなかなかよいセンスしていると思う。若いころはIRON MAIDENばかり聞いていたんだといわんばかりの曲構成も合格。"Drifting Im My Mind"(綴りが間違ってるぞ)、"Sunset Warrior"などの曲はメタルマニアたちの耳にもしっかり残るメロディだ。あとはボーカルなんだ、このバンド(笑)。まぁ、ボーカルがヒドいのもこのテのバンドの魅力でもあるのだけど。ちなみにイタリアでは名盤扱いされているらしい。

クサレポイント

いちばん凄いのはこの脱力感満点のジャケットだろう。うちの息子と同じくらいのレベルだ。そのテのマニアにはガッツポーズものだろう。



LANDSLIDE / Bad Reputation / 1989

アメリカンハードロック志向のある音作りだが、やはりメロディの隙間に英国産の湿り気を感じることもできる。全6曲のミニアルバムだが10曲も聴いてられないといったところなので正解。ちなみにタイトル曲はTHIN LIZZYのカバーではない。

クサレポイント

ボーカルがやや一本調子なのが気になるが音のデカさでカバーしてるのは褒めてあげたい(笑)。



KREISCHER GANG / Sex Teufel / 1982

まずこのバンド名なんて読むのか知りたいドイツのオヤジバンド。全曲ドイツ語で歌われている軽めでメロディックなハードロック。この時代の名門レーベルであったRockport Recordsからのリリースなのである程度安心して聞ける。ボーカルの頑張るオヤジ度は高い。

クサレポイント

こんなルックスの人たちなので、それなりに長年の下積みがあるのだと思われるが、なんだかスケベ笑い顔なのがイイ感じだ。



GEORDIE / No Sweat / 1983

GEORDIEと聞いてすぐに思い浮かぶのは現AC/DCのフロントマンであるBrian Johnsonが在籍していたバンド、ということだろう。本作は彼がAC/DCに加入するためにバンドを離れた後の作品で、あのNeat Recordsからリリースされている。バンドとしてのピークは過ぎているが、ここで聞けるGEORDIEはそれまでのホンワカロックではない。Brian Johnsonに代わってボーカルとなったRob Turnbullの、高音部のノビが気持ちいい歌いっぷりは素晴らしい。バンドとしてもベテランであり、余裕の演奏ぶりでもかなりハードロックしているため退屈感も少ない。こういう人たちをホンモノのハードロッカーと呼ぶのだ、若者よ!  私はこういうバンドが大好きだったりするのだ。"Oh No!"などの曲で味わえるウルウルなメロディもたくさんつまっている作品なのでメロディック派は是非探してしみよう。

クサレポイント

このアルバムの後、やはりBrian Johnsonの名前を引き合いに出されたくなかったのかバンド名をPOWEHOUSEと変え、Ambush Recordsからもう1枚アルバムをリリースした。このアルバム、Mausoleum RecordsからリリースされるべくSKULLナンバーが押さえられていたという噂もある。