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RUMINA HAYASE / Violence Cat Act-1 甘い暴力 / 1983

いやぁ、懐かしいじゃないか! 売り込みのキャッチフレーズは「ギャング・エイジが生んだカルチャー・パニック・アイドル! 15才のハードロック少女登場!!」。当時これが理解できなくて、こっちがパニックになったもんだ(笑)。アイドルメタルというジャンルの初期に彗星のごとくデビューし、流れ星のごとく消えていった幻のハードロック少女。彼女の場合もとにかくバックの布陣が豪華で、ギターに北島健二、ドラムスに樋口宗孝、ベースに鳴瀬喜博といった人たちを起用している。"Summer Time 嵐"のバックなどは山本恭司、斉藤光浩、新美俊宏、佐野賢二・・・ってもうそのままBOW WOWだったりする。たしかにメタルではなくて軽めのハードロックだが、これだけのメンバーが集まって各人がそれぞれらしい音を出していても、けっこう音としてもまとまるもんだという見本のような作品。ちなみに歌詞はすべて日本語で、いわゆるツッパリ少女のメッセージソング。ボーカル? ボーカルについては、私としては、あ〜、好きです、15才らしいすごいマイペースぶりが^^;。シングルカットされた「射手座のFreaky」は聴いておいて損はない・・かもしれない。あぁカラオケで歌いたいなぁ。

クサレポイント

しかし、不良少女的なノリを彼女に求めるのは無理があるような気がする。不良というにはなかなか可愛いルックスだし。それにしてもこのジャケットは何なんだろう。どうしてローラースケート履いているのかとか、ネコが可愛すぎるとか、いろいろと考えさせてくれるのだ。



HORIZON / Master Of The Game / 1985

オランダの4人組。僕たちアメリカンハードロックに憧れていますというような音作りだが、メロディの端々にヨーロッパ系の湿り気を見つけることが出来るのは嬉しい。歌が始まってしまうとテンションが下がるものの、"I Need Your Love"のイントロは北欧の香りもしてそちら方面のマニアは唸ってしまことだろう。ボーカルはディオ型唱法で、このタイプに弱い私には即合格なタイプだ。

クサレポイント

俗に言うアメフトジャケなわけ(言わないか)だが、ハードロックのレコードなのに何かイメージが合わないなぁとずっと思っている作品なのだ。



BITCHES SIN / Predator / 1982

2人ともギタリストという、IanとPeteのToomey兄弟により結成されたバンド。1980年にNEAT RECORDSからデビューシングル"Sign Of The Times"をリリースし、1981年にはコンピアルバムの"Heavy Metal Heroes"に登場してNWOBHMのバンドと認知された彼らがメンバーを変えて製作したデビューアルバムが本作。1曲目がけっこうなズッコケメタルなので不安がよぎるが、世間の評判ほどは悪いアルバムではないと思う。"Haneka"や"Runaway"などの、荒削りまるだしの演奏スタイルはまさにNWOBHMそのものだと思うのだ。前述の"Heavy Metal Heroes"に収録され知名度をあげた曲である"Strangers On The Shore"がこのアルバムにもリ・レコーディングされているが、"Heavy Metal Heroes"のテイクに比べあっさりと仕上げられ、結果的に曲のダイナミックさが薄れてしまったのが残念。

クサレポイント

でも結局、このアルバムの一番優れたところはRodney Matthewsの手によるこの秀逸なジャケットだろう。内容は残念ながらこれには及ばなかった。



BITCHES SIN / No More Chance / 1983

3曲入りのミニアルバム。Toomey兄弟以外すべてメンバーが入れ替わっているという、強引なバンド体制。前作よりもメタルっぽくなったギターソロを聞かせてくれるのは嬉しいが、なんせ3曲じゃ少し物足りない。と思わせるだけの出来栄えではある。

クサレポイント

このバンドに対して思うのは、バンド名でずいぶん損をしてるだろうなという事だ。ビッチズ・シン、ですよ、カタカナだと。オーソドックスで典型的なNWOBHMスタイルなバンドなのに、どこがオチャラケている名だ。そして次作のジャケットでますます彼らのイメージは破壊されていくのだ。



BITCHES SIN / Invaders / 1986

1986年になってアメリカのレーベルから発売されたアルバム。前のミニアルバムにあった"No More Chance"と"Ice Angels"を再収録している。ということはおそらく1983年前後に録音されたものなのだろうか、カッチリとしたメタルに仕上がっている。よりソリッドになった Toomey兄弟のギターのコンビネーションも良い出来具合だ。音数では兄弟に負けていないドラムスの手数の多さはあのThunderstickを彷彿させる。"Aint Life A Bitch"や"Bitches Sin"といったところに熱いNWOBHMの魂を感じるだろう。

クサレポイント

う〜ん、どういったコンセプトでムンクの叫びなのだろう。しかもタチのわるい絵になっている。当時も今もこれは相当インパクトありますなぁ。レコードサイズであればこそ、笑いも大きくなるのだ。